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2017.12.28
サッカー

[女子サッカー]2点差ひっくり返す逆転劇!4ゴールでインカレ初戦突破

第26回全日本大学女子サッカー選手権大会 2回戦 12月27日(水) みきぼうパークひょうご

 

東洋大4ー2姫路獨協大


<得点者>

56分 常田麻

69分 大島

74分 松井

85分 田嶋


<出場メンバー>

▽GK

垣内愛菜(食3=大商学園)

▽DF

中島佳奈美(食3=大阪桐蔭)→40分 井口遥菜(食4=神村学園)

久保真理子(食1=浦和LY)

常田菜那(食1=大商学園)

山幡あや(食2=常盤木学園)

▽MF

松井彩乃(食3=聖和学園)

田嶋みのり(食4=飛鳥)

大島彩香(食2=久喜)

常田麻友(食1=大商学園)

▽FW

楠春佳(食3=千葉U-18)

大内梨央(食1=常葉学園橘)→90+1分 前田優乃(食4=前橋育英)


逆転ゴールを挙げた松井(左)


井口は途中出場ながら存在感を発揮した


同点ゴールを決めた大島


 第26回全日本大学女子サッカー選手権大会が開幕。2回戦からの出場となった東洋大は、姫路獨協大と対戦した。前半に2点を失うが、後半に4得点と攻撃陣が奮起。4ー2と初戦を逆転勝利で飾った。

 先制点が欲しい東洋大だっだが、強風や天然芝のピッチなど慣れない条件の上、「うちは初戦ということで入り方が難しい」(戸田監督)と得意のパスサッカーをできず、姫路獨協大に押される展開が続く。GK垣内(食3=大商学園)を中心を守り続けていたが30分、最終ラインでのパスミスを相手に奪われシュートを打たれると、これが垣内の頭上を越え、欲しかったを先制点を許す。悪い流れを引きずると37分にも失点。ここで戸田監督は「2失点するというのはプランになかった」とベンチスタートだった井口(食4=神村学園)を前半のうちに投入する。コンディションが上がらずスタメンを外れた井口だったが、「1回チームを引き締めようというのを思った」と主将がピッチに入るとチームの状況は一変。東洋大は落ち着きを取り戻し、攻撃の機会が増え、得点の予感を残して前半を終える。
 ハーフタイムに「後半の立ち上がり15分で1点取れば流れは絶対にこっちに来る」と強調した戸田監督。後半は序盤から東洋大が猛攻を仕掛ける。56分、左サイドで受けた田嶋(食4=飛鳥)が「ここで仕掛けなかったら絶対に点は取れない」とドリブルで一人かわすと、中央へ折り返す。大内(食1=常葉学園橘)が横へ流すと「押し込むだけだった」と常田麻(食1=大商学園)が決め、反撃の狼煙を上げる。戸田監督の采配通りこれで流れは大きく東洋大に傾く。勢いに乗り攻め立てると69分、大島(食2=久喜)が中央へ切り込みミドルシュート。「気持ちで打った」というシュートはGKの頭上を越え、同点に追い付く。5分後、松井(食3=聖和学園)が「こだわってきた」ミドルシュートを放つ。およそ30mとゴールまで距離のある位置からのシュートだったが、大島のゴールと同じような軌道でゴールネットに突き刺さり、逆転に成功する。85分には裏に抜け出した田嶋がGKとの1対1を沈め勝負あり。4―2と逆転勝利し準々決勝へ進出した。

 負けたら終わりのトーナメント戦とプレッシャーがかかる中、後半の45分間で2点以上が必要。苦しい展開でもリーグ戦で武器となった攻撃力は健在だった。戸田監督は「今日のような苦しいゲームでもひっくり返せるというのは今年の強さ」と攻撃陣を評価。松井は「2点返せる、そして4点取れるというのが今年のチームの強み」と試合を振り返った。準々決勝の相手は徳山大。昨年はここで敗退しているだけに「昨年の歴史を塗り替えたい」(井口)と選手たちは気合い十分だ。歴史の塗り替えへ、そして目標のインカレ優勝へ、チームは着実に歩を進める。


▪コメント

・戸田監督

トーナメントなので、内容より結果というところでは勝ちきれたというのはチームとして評価できると思う。(前半は)インカレ初戦で精神的な部分が影響した。向こうは1試合やっていて、うちは初戦ということで入り方が難しいかつ風、天然芝と今までやったことない条件でやってしまっているので、範囲内だったが、2失点するというのはプランになかったので、そこは次節に向けて改善していきたい。(ハーフタイムに)選手たちを勇気付けるために、1点目が後半15分までに入った場合はひっくり返せるゲームだと話した。あとは追い風なので必ず相手の陣地でやる時間帯が増えるということは伝えていたので、それが言った通りになったので選手としては良かったと思う。(攻撃陣について)1試合1点以上は必ず大学リーグでは取れてたので、攻撃力というのが3位という成績を残すことができたし、今日のような苦しいゲームでもひっくり返せるというのは今年の強さだと思う。(次戦に向けて)明日も勝たないと西が丘に戻ってこれないし、1期生が西が丘で待ってるということを言ってくれているので、彼女たちを西が丘のピッチに立たせてあげたいので、必ず勝ちたい。


・井口(食4=神村学園)

風の影響もあって前半はなかなか自分たちのサッカーとかやりたいこととかをできなかった。自分は出ていなかったが相手を見れていなかったという印象。後半は追い風が自分たちの味方になったのでその部分は大きかった。自分たちが理想としてるサイドからの崩しとかミドルシュートとか点を決めるべきところで決め切れたところが大きかった。(リードされている状況での途中出場だったが)失点はしていたが、崩されてというよりは自分たちの判断ミスが失点につながっていた。チーム自体が緊張からなのかふわふわしているというのは外から見ていて思っていたので1回チームを引き締めようというのを思った。(監督に言われたことは)みんなが空回りしている状況と気持ち的に2失点している状況で焦りを見てて感じたので、後半45分あるという精神的な余裕ということをみんなに伝えてということで送り出された。(ハーフタイムにはどういう話をしたか)後半の立ち上がり15分で1点取れば流れは絶対にこっちに来るということをすごく強く言われた。負けている状況だったが、チャンスは来るんだということを信じて全員でやれたというのは大きかった。(次戦に向けて)昨年はここで負けてベスト8という形で終わってしまった。昨年の歴史を塗り替えて1期生を西が丘に呼んであげたいと思う。


・田嶋(食4=飛鳥)

前後半で違ったゲーム内容だったが勝てて良かった。(2点取られたあと後半に向けて攻撃陣は)風が向かい風だったので、ボールを前進することができなかった。後半の最初の15分の間に1点取れば、絶対逆転できるとチームとして話をしていた。(1点目の起点)左サイドの後ろから戸田監督の仕掛けろっていう声が聞こえて、ここで仕掛けなかったら絶対に点は取れないと思ったので、うまく交わして起点になれて良かった。(勝利を決定付ける4点目だったが)1点差だったので、ここでもう1点取れればチームが楽になると思った。あそこで決めることができて良かった。(明日へ向けて)しっかりと明日勝って、西が丘に全員で行けるように、いい準備をしていきたい。


・松井(食3=聖和学園)

(ゴールシーンを振り返って)まず前半に2点先に決められていたので、絶対に自分が決めるという気持ちでいた。ミドルシュートはこだわってきたところなので、それで点が取れたのは自分らしいかなと思うし、自信にもなった。(風の影響は)前半は向かい風で自分たちが思うようにプレーできなかったことが反省点。ハーフタイムの時にもう負けていて45分しか無いので、とにかく東洋大のサッカーを絶対にやるという意思統一をして後半に入った。(大逆転勝利は自信になるか)一番は失点しないのがいいけれど、2点返せる、そして4点取れるというのが今年のチームの強み。それを最後まで出し続けて、西が丘に帰って1期生を呼びたいなと思う。(次戦に向けて)次負けたら今日勝った意味が無いので、絶対に勝ちたい。去年みんな悔しい思いをしているので、それを晴らしたい。


・大島(食2=久喜)

この先に向けてすごく自信になる勝ちだった。(ゴールシーンは)もう気持ちで打ったという感じ。「入れ!」と思って打ったらうまく決まってくれた。(ドリブルでの突破は)結構カバーが早いという情報が試合前からあったので、かわし切る前に(ボールを)上げるのを意識していたけれど、そこの精度があまり良くなかったのは次に向けての課題。(次戦に向けて)もう優勝することしか考えていない。目の前の試合一戦一戦を全力で戦うのは当たり前だけれど、西が丘に行って優勝するためにまず明日しっかりと勝ちたい。


・常田麻(食1=大商学園)

前半はなかなか自分たちのペースをつかめなくて相手に先制点を取られた。後半に諦めずに戦えたので良かった。(ゴールシーンを振り返って)押し込むだけだった。先制点を返せたことは良かった。(気持ちは)まだ2-1で負けている状況だったので、「次」と思った。(相手の印象は)一人一人の技術が高くて、スピードもあってなかなかやりづらい相手だった。(ハーフタイムに何を話したか)0-2が1番チャンス。最後まで諦めずに戦おうというのを話した。(次戦に向けて)今日の試合はちょっと緊張してしまったので最初からリラックスして絶対に勝ちたい。


[次戦試合予定]

第26回全日本大学女子サッカー選手権大会 3回戦 12月28日(木) 対徳山大 みきぼうパークひょうご 11:00キックオフ


TEXT=土橋岳 PHOTO=美浪健五、金澤瑞季