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秩父宮杯第66回関東大学アイスホッケー選手権大会
4月15日(日) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大3-2法大
[ゴール(アシスト)]
19:25 出口(久米)
29:35 小堀(阿部)
54:59 古川誠(中村)
上級生と共に勝利に貢献したFW小堀
キーパーの仕事を全うしたGK古川駿
最後にFW古川誠が勝負を決めた
2戦目の対戦カードは、昨シーズン同大会で辛酸を舐めさせられた法大だ。試合は東洋大が攻めつつもなかなか点数が決まらず、法大に先制を許してしまう。しかし、2ピリ以降はしっかりと立て直し3-2で勝利を収め、決勝リーグへと駒を進めた。
序盤は両者共にゴールを決めきれない時間が続く。その均衡は開始10分、SH(ショートハンド)のピンチを切り抜けた直後に破られた。相手DFのシュートが決まって0-1。さらに追加点も奪われ、東洋大が2点を追う展開に。1ピリ終了間際、1戦目でも活躍したFW出口(社4=駒大苫小牧)が法大のDF二人をかわすと、そのまま自らシュートを放ってようやく1点目を獲得した。
1点ビハインドで迎えた2ピリ。チームのプレーがかみ合い始める。中盤にはFW阿部(社4=白樺学園)とFW小堀(社1=白樺学園)がゴール裏を使いながら迫っていく。FW小堀からのパスを受けてFW阿部がパックをキープ。GKの前で混戦となる中、最後にFW小堀がパックを押し込んで2点目を決めた。FW小堀は「阿部さんや(柴田)嗣斗(社4=武修館)さんたちがゴールに向かってくれて二人のナイスパスをうまい感じに叩けた。本当に4年生に感謝です」と初ゴールの喜びを語った。その後はペナルティなどもあり、度々ゴールに迫られる。しかし「すごくいいプレーをしてくれた」と監督の期待に応えた途中出場のGK古川駿(社4=八戸工大一)が得点を与えない。そして3ピリのラスト5分。待ち望んだ決勝点はキャプテンFW古川誠(社4=白樺学園)によってもたらされた。一瞬空いたゴール前のスペースを逃さず、安定したシュートで見事に勝利を決めた。
鈴木監督は「いいエネルギーで結果を残してくれた」とセットチェンジで出場した選手らを評価。チームの真価を発揮できなかった1ピリから切り替え、泥臭く勝ちをとりにいくことができた。新入生と上級生のコンビネーションも抜群のチームは決勝リーグに進出する。初戦は好敵手の中大だ。日本学生氷上競技選手権大会では東洋大が勝ち星をつかんだが、選手たちは気を引き締める。GK古川駿は「一戦一戦集中して、ひとつずつ勝っていきたい」と闘志をみせた。あの劇的な勝利をもう一度。チームは関東選手権優勝に向けて一歩を踏み出した。
■コメント
・鈴木監督
内容的にはもう少し全体的な質を上げてほしいということはあったが、法大もスタートからすごいいいプレーでプレッシャーかけてきたので、2点ビハインドから跳ね返せたのは良かった。特にGK古川駿の途中出場もそうだし、FW小堀だったり、セットチェンジだったりで出た選手がすごくいいエネルギーで、結果を残してくれたので。あとは、最後にキャプテンのFW古川誠が決めてくれたっていう、いいエネルギーをセットチェンジしても与えてくれた選手とキャプテンのいいゴールで勝てたと思う。今のミーティングでは、よく最後勝ち切ったという話はした。ただこの一週間でだめなところをしっかり修正しなきゃいけないので、練習で修正していく。(GK交代時には)うちはGKは二人ともすごく良いので、いいキーパーが二人いるのはすごくポジティブなことだと二人に話もしていた。今日に関しては流れを変えたかったというところもあって、早めの決断をした。それに本当に応えてくれて、すごくいいプレーをしてくれた。(1点ビハインドで終えた1ピリ後には)1ピリは全くうちのプレーが出来ていなくて、結果を求めていたと思うが中身が伴っていなかったので、そこを上げていこうという話はした。
・GK古川駿(社4=八戸工大一)
(試合を振り返って)最初出だしが動き堅くて2失点してしまった。でもそこで気持ちを切り替えて逆転できて、勝てたので良かった。(チームの調子は)今試合見てもらえばわかる通り、点数取られても逆転する力がある。メンバーも今シーズンいいし、チーム自体の調子もすごく上がっているので、この勢いのまま決勝リーグも全勝して優勝したい。(失点時のチームの雰囲気は)そんなに焦ってる様子もなかったし、僕自身は絶対に逆転できると思っていた。(途中出場の際に意識したこと)キーパーは止めるのがメインの仕事。まず自分の"止める"って仕事をまず第一に、あとはプレーヤーが点数とってくれるって信じていた。期待通りの結果になってよかったなと思います。(決勝リーグに関して)東洋のホッケーをすれば今のチームの状態だったらどの相手にも負けないと思うので、一戦一戦戦っていきたい。(次の中大戦に関して)中央とのゲームは結構調子いい試合続いてはいるが、別に全然どのチームにあたってもやることは変わらないし、過去にとらわれないで。中大だろうと明大だろうと早大だろうと、一戦一戦集中してひとつずつ勝っていけたらいいと思う。
・FW小堀(社1=白樺学園)
1ピリで出口(社4=駒大苫小牧)さんが1点目を決めたあと、この調子でプレーして東洋のホッケーをしていくぞ、ということを言われていた。反則とかでなかなか波に乗れなかったこともあったが第2ピリオドに入って、みんなでまた1からしっかりやるぞ、ということも言われた。僕はあまり最初は出る機会が無かったが、阿部(社4=白樺学園)さんや嗣斗(社4=武修館)さんたちがゴールに向かってくれてその2人のナイスパスをうまい感じに叩けた。本当に4年生に感謝です。(大学初得点を決めて)うれしいです。あと、法政には僕の兄がいて絶対法政には負けたくないっていうのもありますし、絶対に僕がここで決めてやろうという思いが強かった。それが少ないシフトの中で1点入れることにつながって良かったなと思う。(中大戦に向けて)僕はゴールに向かったり、泥臭いプレーが自分の持ち味なので、どんどんゴールに向かって自分らしいプレーをしたい。FWは得点がすべてなので、中大戦とそのあとの明大戦でもしっかり結果を残して、優勝のために勝利に少しでも貢献できたらと思います。
TEXT=越塚日南 PHOTO=川口朋珠、外狩春佳