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平成30年度東都大学野球一部春季リーグ戦
4月27日(金)神宮球場
○東洋大1-0国学大
決勝ソロ本塁打を放つ佐藤 スタンドからも歓声が上がる
佐藤は攻守に渡ってチームを支える
0-0のまま迎えた五回。2死走者なしの場面から打席に向かったのは佐藤(法3=聖光学院)だった。初球を思い切り振り抜き、先制ソロ本塁打。打球は弧を描いてライトスタンドへ吸い込まれていった。ガッツポーズをしながらダイヤモンドを一周し、スタンドの歓声には敬礼のポーズで応える。国学大に傾きかけた流れを佐藤が引き戻した。
東洋大と同じく東都一部リーグに属する亜大の頓宮裕真選手は昨春に捕手でベストナインを獲得したほどの素晴らしい選手だが、今季は打撃に専念するために主に一塁を守っている。配球などで常に頭を回転させているため、キャッチャーは打てないと言われることも多い。だが佐藤にはそんな通論は当てはまらないようだ。現在の打率は東都一部リーグで4位の.455と好調。「守備と打撃を分けて考えて準備の段階でしっかりできるかだと思う」と、準備に重きを置いている佐藤だからこそできることなのかもしれない。
そんな佐藤の好きな言葉は「花よりも花を咲かせる土になれ」。高校時代にこの言葉を知り、「自分は花ではないんだ。じゃあ花(ピッチャー)をしっかり支えられるように頑張ろう」。そう思えた言葉だという。捕手として、今試合では上茶谷(法4=京都学園)と甲斐野(営4=東洋大姫路)という花を咲かせた。東洋大の勝利には佐藤という土台がかかせない。次戦は昨秋、入れ替え戦で勝利し一部への昇格を果たした駒大との戦い。単独首位に立った東洋大だがまだ油断はできない。次戦も佐藤の攻守でグランドスラムへの道を突き進む。
◼️コメント
・佐藤(法3=聖光学院)
心がけているのは準備。どうしてもキャッチャーは忙しくて大変だと言われるんですけど、正直関係ないと思っている。守備と打撃を分けて考えて準備の段階でしっかりできるかだと思います。最近だと5番に入ってるが、初回から一応準備できる状態には作っておいて、打席に対して急がないようにしている。それが好調につながっているかなと思う。(レベルの高いピッチャーがいることは)どうしてもピッチャーの良し悪しを決めるのはキャッチャーだと思うので、そう思ったら正直プレッシャーはある。でもそういう中で経験していくのは自分の中で大きい。これから(3人が)卒業した後、今度は自分たちが主体として野球をやる中でピッチャーうまくリードできるんじゃないかなというのはある。大きな経験だと思う。(今季自身第1号ですが)打った瞬間にいったかなと思っていた。それが本当にあの場面で、0-0の試合で。昨日の試合はホームラン打たれてそこから流れがあっちにいってしまったが、(今試合は)逆にこっちに流れを引き寄せられたのかなと思う。ピッチャーが頑張ってくれていたので、ホームランじゃなくてもここで一本打ちたいなと次につなげようという意識だったが、それがいい形でホームランになった。(狙い球は)あそこはもうインコース一本狙ってて、そこで変化球きたとしても空振るくらいの勢いで待ってたのでそれが一番いい結果になった。(次戦は一番気になると言っていた駒大)二部から上がってきてその勢いのまま入ってくると思うので、その勢いに負けないようにピッチャーをしっかりリードして一番いい形で自分が打てればなと思います。
TEXT=川口朋珠 PHOTO=望月優希、川口朋珠