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平成30年度東都大学野球一部春季リーグ戦
5月2日(水)
東洋大5-5駒大
バットを折られながらも執念で左前に運んだ
公式戦初の適時打に塁上で大きく叫ぶ山本
「フレッシュリーグぶりの打順」。懐かしげに振り返ったのは、前日に犠飛を放ちチームの勝利に貢献した山本(法2=作新学院)だ。今季、固定されてきた1番指名打者の座にこの男が座った。「第一打席は落ちてくれと祈り続けた」と語った当たりは二塁手の後ろへと飛ぶ。一時は捕球されるかと思われたが、背面捕球を試みた二塁手が弾き右翼手前へ。これを見ると山本はすかさず2塁を陥れた。
追加点を奪い、この日先発の村上(総2=智弁学園)を援護したい打線は四回。岡崎(営1=帝京)と堀北(営3=龍谷大平安)が連続安打で出塁。その後、津田(総3=浦和学院)の犠打でそれぞれ走者を進めた。2死二・三塁で打席には山本が入る。「なんとか当てようと思ってた」とこの打席を振り返る山本は5球目。バットを折られながらも気迫で左前に打球を落とした。この辺りで走者が還り、大学入学後初の適時打が2点適時打となった。
この日の活躍の裏には努力があった。相手先発の多崎(駒大)のアンダースローにはチーム内唯一のアンダースロー投手である山下宏(総2=関西)を相手に徹底的に練習を積んだという。中継ぎで連投となった白銀(駒大)についても、前日との比較を行い対策を怠らなかった。「白銀投手は変化球が増えてる傾向にあるのは掴めてたから、もっと早く打てたら良かった」と慢心せず、つぎのステップを見据えている。
思い返せばフレッシュリーグでの本塁打をきっかけに秋季リーグ戦では代打で4割を超える打率を残した山本。「使ってもらえる所で全力でやるだけ」とやる気は十分だ。この男のトレードマークである雄たけびが再び見れたとき、3連覇への道が開ける。
■コメント
・山本(法2=作新学院)
スタメンは朝のバッティング練習の時に言われた。第一打席の二塁打はとりあえず落ちてくれと願いながら走ってて、ちょっと野手と離れたところに転がってたから2塁まで行った。2打席目はなんとか当てようという一心で振った。バットが折れてたけど、タイムリーになって良かった。次戦で勝ち点がかかってくるので、絶対に勝って勝ち点をあげたい。
TEXT=須之内海、 PHOTO=川口朋珠、齋藤洋