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2018.05.19
レスリング

[レスリング]白熱のリーグ戦 下級生が流れをつくり9位に輝く

平成30年度東日本学生リーグ戦

5月16〜18日(金) 駒沢体育館


[予選リーグ・Aグループ]

第1試合

●東洋大3-4明大〇

57㌔級 ●岡迫ー松尾○

61㌔級 ○菅原ー加藤⚫︎

65㌔級 〇太田ー仲田⚫︎

70㌔級 ●川瀬ー齋藤○

74㌔級 ●大渕ー金子○

86㌔級 ○川畑ー永井●

125㌔級 ●外山ー二ノ宮○



第2試合

●東洋大0-7山学大○

57㌔級 ●藤原ー坂本○

61㌔級 ●武田ー宮原○

65㌔級 ●黒木ー榊○

70㌔級 ●永石ー乙黒○

74㌔級 ●小関ー横山○

86㌔級 ●川畑ー山田○

125㌔級 ●若林ー藤本○

第3試合

○東洋大6ー1慶大

57㌔級 ○藤原ー土屋⚫︎

61㌔級 ○田下ー桑田⚫︎

65㌔級 ○太田ー山田⚫︎

70㌔級 ○三上ー山際⚫︎

74㌔級 ●山崎ー山下○

86㌔級 ○川畑ー大山●

125㌔級 ○中村ー中野⚫︎


[決勝リーグ・9位~12位グループ]

第1試合

●東洋大3- 4青学大◯

57㌔級◯岡迫-下出●

61㌔級●田下-吉川◯

65㌔級●黒木-藤田◯

70㌔級◯太田-竹之内●

74㌔級●大渕-三木◯

86㌔級◯川畑-神澤●

125㌔級●外山-藤井◯


第2試合

◯東洋大5-2法政大●

57㌔級●岡迫-谷口◯

61㌔級◯田下-斉藤●

65㌔級◯太田-丸山●

70㌔級●永石-山崎◯

74㌔級◯山崎-竹沢●

86㌔級◯川畑-大岩●

125㌔級◯外山-檜山●



第3試合

○東洋大5-2中大●

57㌔級○藤原-藤堂●

61㌔級○田下-植松●

65㌔級○太田-藤田●

70㌔級●永石-伊藤○

74㌔級○三上-尾形●

86㌔級○川畑-八木●

125㌔級○外山-山根●


最終順位9位(決勝リーグ2勝1敗)


出場全試合で勝利を収めた太田

最終戦では見事な逆転フォール勝ちをした外山



最軽量級で勝利しチームの流れを作った藤原

1年生ながら活躍をみせた田下


チームのエースとして大活躍だった川畑



 駒沢体育館で平成30年度東日本学生レスリングリーグ戦(以下、リーグ戦)が3日間に渡り開催された。東洋大は昨年に引き続き9~12位決定リーグにおいて9位という結果を残した。

 


 1日目、予選リーグ最初の相手は明大。昨季より一つ上の決勝リーグに進むためには勝ち星を納めたい相手だ。最初に登場した57㌔級岡迫(社3=霞ヶ浦)は相手のローリングに苦しみ惜敗。しかしその後の61㌔級菅原(社3=秋田商)と65㌔級太田(社2=埼玉栄)が連続で勝利し、東洋大へと流れを導く。その流れを生かしたいところだったが、70㌔級川瀬(済4=いなべ総合)と74㌔級大渕(法1=花咲徳栄)がバッグを取られるなど苦戦を強いられ連続の黒星となってしまう。次に登場した86㌔級川畑(法3=樟南)はバッグやローリングで点を重ねていき、最後には大胆な投げ技を披露。4点を追加し14対1の圧勝を飾り、勝利の希望を125㌔級外山(社2=霞ヶ浦)へ託した。しかし外山の相手である二ノ宮(明大)は非常に力のある選手。序盤から投げ技で4点を追加されると、その後もローリングやバッグを決められ一気に10点差を取られ相手のテクニカルフォール勝ちで試合は終了した。チームとしても3対4と惜しくも勝利をつかむことはできなかった。その後の前年王者である山学大戦では、圧倒的な強さを見せつけられ0対7で敗北。続く慶大戦では6対1と見事初の白星を納め、9~12位決定リーグへと駒を進めた。

 2日目、第一試合目の相手は青学大。57㌔級岡迫が試合開始からバッグで点を重ねていくと、10対0の見事なテクニカルフォール勝ちを見せる。しかし、その後は2連続の惜敗。安定的な強さを誇る太田が流れを変えるべく勝利を収めるも、続く大渕が相手のバッグに苦しめられ敗北。86㌔級の川畑が岡迫に続くテクニカルフォール勝ちで再び外山へと希望をつなぐが、惜しくも1点差で試合は終了。青学大に勝つことはできなかった。

 第二試合目の相手は法政大。57㌔級岡迫の黒星を61㌔級田下(社1=鹿島学園)がフォール勝ちでカバーすると、続く太田も11対0で圧勝を飾る。70㌔級の永石(社2=島原)こそ敗北を喫してしまったものの、その後の山崎(社4=霞ヶ浦)、川畑、外山と三連勝。特に川畑と外山はテクニカルフォール勝ちを収め、チームに活気をもたらした。

 そして迎えたリーグ戦最終日。最後の試合の相手は中大だ。「藤原と田下のどちらかが勝たないと勝負にならないと思っていた」と船津コーチ。その言葉をいい意味で選手たちは裏切った。藤原(法1=網野)が2対4と相手にリードを許していた展開において、ラスト数秒で逆転のバッグで2点を追加。「体力には自信があったのでラスト30秒でいこうと思った」という言葉通りの活躍だった。ラストポイント制により勝利を収め、チームを盛り上げた。続く田下は序盤から投げ技を決められ4点を追加されてしまう苦しい出だしに。さらに3点を追加され0対7に。厳しい戦いかと思われたが2分が経過したところで、逆転劇が起こる。相手の一瞬の隙を突き、フォール勝ちを収めたのだ。この結果に東洋大の応援席の盛り上がりは最高潮に達した。この最高の流れに乗った太田も2対1と勝利し、チームの勝利に大きく貢献。70㌔級永石、74㌔級三上(法2=盛岡工)は相手のバッグやローリングに苦戦し敗北してしまうものの、チームの活気が冷めることはなかった。86㌔級川畑は投げ技とバッグで点を重ねていき4対2で勝利。再び流れが東洋大へと傾き、残るは外山の試合を残すのみとなった。相手は昨季、外山に勝っている山根(中大)。雪辱を果たすべく挑んだものの、相手の華麗なローリングやバッグで点差は一気に8点に。厳しい状況ではあったが、外山は決して諦めていなかった。相手の動きを一瞬たりとも見逃さず、果敢に攻める。そしてついに田下に続くフォール勝ちを収めた。5対2で中大を下し、総合9位に輝いた。この白熱した戦いにコーチも「久々にいいリーグ戦が見られた」と笑みを浮かべた。

 

 

 熱い戦いが繰り広げられたリーグ戦。何度も見事な逆転勝ちを収められたのは、日々の地道な練習の現れに違いない。今後は「得意技をつくり試合を楽に展開できるようにしていきたい」と船津コーチ。今大会で得た収穫や大きな経年を糧に、選手たちはさらなる高みを目指していく。

 

  

■コメント

・船津コーチ

(リーグ戦を振り返って)後半になればなるほど練習の成果が出てきた。下級生が普段の練習を一生懸命にやっていたゆえの下級生の活躍だったと思う。上級生は就職活動や授業の影響でなかなか集中した練習ができなかった。今回は諦めた試合というものが一つもなかった。チームで負けていても真剣にしっかり最後までやるという気持ちで追い込むことができた。一年生は強い気持ちを持っている子が多い。久々にいいリーグ戦が見られた。(最後の中大戦は)4年生が一人もいなくてもあれだけの試合ができた。あれだけのしぶとい逆転勝ちやフォール勝ちというのは練習をしっかりやっていないとできない。藤原と田下のどちらかが勝たないと勝負にならないと思っていた。外山は昨年、山根(中大)に負けているのでアップ勝負になるのはキツイと思っていた。70kg級と74kg級はけがなどの影響による選手の変動などあったので仕方なかった。まさかそれ以外の全ての階級で勝つとはびっくりした。あのような試合ができると練習にも気合が入る。練習していないと勝てない。(特によかった選手は)一年生の藤原と田下。今回の試合の流れを全部つくり、そして変えてくれたのは田下だった。リーグ戦を通して一度負けてしまったがそれも僅差だった。この二人はすごく活躍してくれたと思う。太田や外山、川畑は確実にポイントを取ってもらわないといけない階級だった。彼らも期待通りの活躍をしてくれた。ただ川畑が山学大戦で一階級上の選手に1点差で負けてしたったのが本人も悔しく感じている点だと思う。そこで勝っていればリーグ戦でフル出場全勝だった。(今後は)今までやってきたことは間違いではないので練習量を増やしていきたい。技術的なことというよりも練習を積むと中大戦のようなしぶとい試合で勝てる。そういう風な練習をしていきたい。また、得意技をつくり試合を楽に展開できるようにしていきたい。


・川畑(法3=樟南)

全勝を目指したが、山梨学院大に負けてしまった。明大に勝って上のグループで戦いたかったが、それが出来なくて悔しい。(山学との試合は)1点取った後にしっかりテイクダウンして2点にしておけばまだ分からなかったのでそういう細かいところを修正していきたい。(最終日のガッツポーズの意味は)自分が勝ったら東洋大が勝つのが決まっていたので、そういう意味で嬉しくてやった。(今後に向けて)次は全日本で、最初から強い相手ばかりなのでしっかりビビらずに自分らしさを出していきたい。


・太田(社2=埼玉栄)

去年は1年生でがむしゃらにやってきたが、今年は学年が上がってがむしゃらにではなく、責任感を持ってしっかり勝たなければいけないところがあったので緊張した。けど全試合を通して自分らしい動きが出来ていたので良かった。(全戦全勝だったが)本当は無失点でいきたかったが、最後に1点取られてしまったのは課題でもある。それ以外は良かった。(新人戦に向けて)メダルを取りにいきたい。


・藤原(法1=網野)

緊張はしなかったが、リーグ戦の雰囲気が楽しくて試合も楽しみでチーム一丸となってやるというのがすごく良かった。(中大戦では)1R目を4-2で終えて、普通にやったら取れないなと思ったのでラスト30秒で勝負をかけた。体力には自信があったのでラスト30秒でいこうと思った。(自分自身のリーグ戦での活躍には)100点をあげてもいい。次の新人戦では団体戦ではなくて個人戦なのでしっかり自分で頑張ってベスト8を目指したい。


TEXT=小野由佳莉 PHOTO=梅山織愛、渡部穂乃花