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第46回関東学生フィギュアスケート選手権大会
5月19日(土)~20日(日)東大和スケートセンター
◆7、8級女子
4位 42.49点 濱谷(社4=富士見丘)
8位 40.59点 海津(社1=武修館)
23位 30.97点 川上(ラ3=中京大中京)
◆7、8級男子
4位 54.87点 菅原(社2=開志学園)
13位 37.76点 鶴田(社1=開志学園)
◆5、6級男子
2位 70.05点 神戸(文2=ふじみ野)
◆男子団体
3位 37点
濱谷は昨年の不調を感じさせない演技
大学デビュー戦で入賞を果たした海津
神戸は昨年に続いてのメダル獲得
新体制となって初の試合となる関東学生フィギュアスケート選手権大会が開幕。昨年に続き主将を務める濱谷(社4=富士見丘)や菅原(社2=開志学園)が昨シーズンの雪辱を果たす演技を披露。昨年優勝の神戸(文2=ふじみ野)もいい滑りを見せ、入賞者多数の素晴らしい幕開けとなった。
まずは7、8級女子に濱谷、川上(ラ3=中京大中京)、海津(社1=武修館)が出場。昨シーズン、結果が振るわずに悔しい思いをした濱谷は最終滑走で登場。昨年と同じ「Meditation de Thais」で優雅に滑り出す。1つ目の3回転、2回転のコンビネーションジャンプをきれいに決めると、美しい演技でスピン、ステップとこなしていく。「1年生のフレッシュな感じは出せない。4年生の質のいい滑りと音楽を」という演技は、言葉通り指先まで丁寧で感情のこもったものだった。そして結果は堂々の4位。仲間の演技の前には誰よりも声援を送り「歓声のありがたさ。今年は演技で恩返しがしたい」と話した濱谷。ラストシーズンとなる今年も、主将としてフィギュアスケート部を引っ張っていく。一方、1年生の海津は演技前にはかなりの緊張が。しかし、ジャンプをしっかりと決めほとんどミスのない演技で大学初戦を見事8位入賞で終えた。
続いて7、8級男子に出場したのは菅原と鶴田(社1=開志学園)。菅原は「本当に駄目で落ち込んでいたが、ようやくそこに終止符を打てた」という本人も満足なショートプログラムを滑り切った。昨年から引き続き「007」の軽快な雰囲気で演技が始まると、冒頭からしっかりジャンプを決めてチームからは大歓声と拍手が。キレのあるスケートを披露し、スピンもレベル4が多くなるなど、4ヶ月前のインカレと比べても大きな成長が感じられた。終始盛り上がった雰囲気で曲が終わると、菅原は両手でガッツポーズ。チームメイトや演技を見にに来たアイスホッケー部、他大の選手など、さまざまな人の応援で「気持ちが切り替えられて、固くならずにできた」と4位入賞。ようやく納得のいく「007」を滑ることができた菅原には笑顔が見られた。
そして、初日の東洋大最後の滑走者は5、6級男子の神戸。昨年のこの試合の覇者だ。しかし、1つ目と2つ目のジャンプで大きく転倒してしまう。「普段だったらそこで折れてしまうが、応援があったので滑り切れた」。ミスの中でも「巧輝がんば!」と声が掛かり、次第に持ち直していく。後半はジャンプの着地を持ち堪えると、盛大な曲に合わせて伸びやかな演技。失敗があったことなど忘れさせる滑りで会場の人々を惹きつけていく。体全体を大きく使うその動きに目が離せないまま演技が終了。結果は2位と昨年から順位は落としたものの、「後半から立て直せたのは良かった」と神戸。「基礎を積み上げてやり直していきたい」と成長の余地を感じさせた。
今年度の初戦は、新勢力が加わり大会初日から各々の、そしてチームのレベルも上がった様子が見られた。主将の濱谷が「すごく暖かい」と語るように、チームの雰囲気もいいようだ。2日目は東洋大から多数出場者がいる5、6級女子が行われる。この雰囲気と勢いのまま、こちらでも団体上位入賞を果たせるように各々の力を出し切る演技に期待だ。
■コメント
・濱谷(社4=富士見丘)
最後の春カンだったので悔いなく終わりたいというのが今日の目標だった。一つ目のトリプル、ダブルがきれいに入ったのでそこで少し落ち着いて滑ることができた。二つ目はちょっと両手をついてしまって失敗だったが、結果的に4位なれて昨年はあまり良くなかったので4位まで上がれて良かったなと思う。就活もあって忙しかったが、ラストシーズンというのが大きくて、頑張れた。すごく調子が良かったというより、練習通りのことをやったかなと。練習量を減らさないようにやっていたが、少しは(減った)。でも、そこは両立したかったので自分なりに両立しながら頑張った。(演技のポイントは)1年生のフレッシュな感じとかは出せないので、4年生の一つ一つ質のいい滑りと音楽で表現できたらいいなと思い、感情こめて滑れるような演技を目標にしている。(このチームになって初の試合)夏から秋にかけてシーズンが始まっていくが、その前に関東の大学で集まってやろうという試合。ここで団結力が生まれてという感じ。(チームは)すごく暖かくて、チームの歓声があるから私は頑張れていて。その歓声のありがたさを4年間味わってきたので、今年は演技でその恩返しをしていきたいというのがあった。一つ一つ応援してくれてる分、応援して良かったなと思える部活だなと改めて思った。(新入生は)フレッシュですね。滑っていても元気をもらえるし、自分も頑張らなきゃと思える。(今後は)夏くらいに東伏見で個人の試合とかがあるのでそれに出て、本格的なシーズンに対しての調整が入ってくる。学生の大会は次は東日本インカレなので、それまでに個人の試合とかに出て引退に向けて頑張っていきたいなと思う。
・川上(ラ3=中京大中京)
(今日は)今年も7級が3人揃ったということもあり、団体でいい結果を主将の浜谷のためにも取りたいなという気持ちで臨んだ。(演技を終えて)自分のできることが何もできなかった。(今日までの練習は)ジャンプの飛び方を変えたりした。先生も変わって環境がすごく変わった。(課題としては)とりあえずジャンプを飛ばなきゃいけないってことと、スピンやステップでの取りこぼしを無くしていきたい。(今回演技した曲は)仁っていう曲なんですけど、ドラマがやっていたときに聞いてあ、もうこれ使おうとすぐに決めて、昔中学生から高校生にかけて使っていたのでどうしても使いたいなと思っていた。前はフリーで使っていて、今回はショートで使って振り付けも一から作って、同じ曲ですけど曲の構成も全部変えた。
・菅原(社2=開志学園)
やっとしっかりやり切れた。落ち着いてよかったよかったって思って。ホッケー部の人たちが見にくると本当に全然駄目だったり、冗談ですけど本当にきついこと言ってきたりするので(笑)。応援してくれて、ようやくいい演技を見てもらえてやったなという感じ。良かった。(良かったところは)昨年はスピンとかも、大学の大会だという気持ちが強すぎて取りこぼしばかりだった。今回はレベル4のスピンが二つとレベル3のスピンが一つできたので、本当に練習通りのことができて、ようやく予定通りのことができてとりあえず良かったなという感じ。(ここまでの練習)ジャンプとかスピンとかをプログラムでやらないときは全然良くなってきたが、プログラムのときだけ本当に全くできなくて。それで、練習のときからプログラムになるとできないって落ち込んでいる感じだったが、今日でようやく払拭されたというか、もう少し自信を持ってやっていいのかなと思えた。前に進めた。(払拭できた要因は)たぶんですけど、僕は大会っていう気持ちをすごく持ってしまう選手。先生に昨年のインカレの本戦とか国体本戦とかの時も、適当にと言ってしまうと悪いが、「楽に楽にやった方がいいよ」と言われた。それで、何も考えてなかったわけではないが、同じスケート部の人とかホッケーの人とか、一緒にスケートの練習してる人とか他の学校の方の応援があって、いい感じに集中力が散漫できたので、それがうまくいったのではないかと。気持ちの切り替えができて、大会大会と固くならずにできたと思う。インカレも国体もショートプログラムだけが本当に駄目で、それで落ち込んでいたところにようやく終止符を打てたので良かった。(選曲は)やりたい曲がなくて、先生も昨年は出会ったばかりで、どんか曲が似合う子なのかなって探っている時間もなかったので、昔やって自分の中で印象に残った曲を選んだ。この曲の時に本当にいい演技ができていなかったので、やってみようかなと。あまりうまくできていなかったから印象は薄かったけど、自分の中でいい曲にしたかったのでこの曲にしようかなと。(今後は)ブロック大会が始まるのが9月から。だから夏くらいまでには新しいショートをかためて調整して、フリーは今の曲がすごく気に入っているので、極めて2年間頑張ろうかなと。僕は他の選手とやっているジャンプがちがうので、新しいジャンプの習得と、ステップが下手くそなのでレベルが一つでもあげられるように、基礎的なもののレベルアップをする。僕は本当に滑り込むとかやらないとできないので、とにかくやる、できなくてもやるを繰り返したい。
・神戸(文2=ふじみ野)
最近全然ジャンプがはまらなかったので、最近にしては1番良かったなと思う。最初のジャンプ2本で失敗してしまい普段だったらそこで折れてしまうが、応援があったので最後まで滑り切れた。ノーミスではないが後半から立て直せたので良かった。(コンビネーションジャンプは)昔からコンビネーションジャンプがすごく苦手で。みんな今は3回転3回転とかやってる中で自分は2回転2回転もできなかった。なので最近練習を多くして、それが入ったのでよかった。3回転2回転だったり、1つずつ上に持っていけたらいいなと思う。(個人で2位、男子総合3位という結果は)2位はうれしいのと悔しいのどっちもですね。男子総合は、去年のカンカレが取れなかったので、そこはうれしかったです。(今日も歓声がすごかったですが)曲が盛大な曲なので曲に助けられて、先輩方に助けられて、他の大学の知り合いの方にも応援していただいた。体力がなくて最後フラフラだったんですけどそこは気持ちで頑張れたかなと思います。(2年生になって気持ちの変化は)男女1人ずつ入ってきてどちらも7級。僕がまだ6級で、悔しいので6級でもできるんだぞってところをみせて行きたいですね。(これからの目標)ずっと7級を取るって言ってきてそれが少しずつは上がってきているが、まだ届かない。もし取れたとしても次の試合で7級の方には全く通用しないと思うので7級だと言われるような演技をできるようにしたい。基礎を積み上げてやり直して行きたいなと思います。
・海津(社1=武修館)
初めて大学として出る試合ですごく緊張したが少ないミスで、特にジャンプはミスなく終われて良かったなと思った。点数的にはまだまだこれから課題があると思うが、初戦にしてはよかったかなと思っている。(東洋大を背負っての出場でしたが)昨日からずっと緊張していて、試合直前にさりさんに色々な言葉をかけてもらった。元気付けられたし勇気付けられて四年生はやっぱりすごいなって思いました。(演技前のチームメイトからのハイタッチは)今までにないことだったのでうれしかった。元気になりました。声援とかも大きくて拍手も「がんば」の声とかも聞こえて力になった。(滑る上で意識していたことは)まずは一回転というミスをしないこと。ジャンプでしめるということを意識した。(これからの目標)インカレが大事なので自分のミスで周りに影響が出ないように、今日出た課題をつぶして頑張って行きたいなと思います。
・鶴田(社1=開志学園)
(今日は)かなり悪いコンディション中だったし、もっと言うと去年の怪我明けからなかなかスイッチが入らなくて、ここまできてしまったので難しいことは考えないでいこうと思っていた。(演技の内容は)練習がここ1、2ヶ月行けてなかったので、試合自体は苦しい試合だったかもしれないが、1つ上の順位との差は3点差だったので、何か1個出来ればっていうぐらいの点数だったのし、春カンってこともあったので仕方がないかなとは思っている。(この大会までに)練習で結構やったというのはあまりなくて、本来この練習でこの順位で悔しいとかは思ってはいけないと思うので、これからやっていくしかない。(この曲を選んだ理由)新潟にいたときに、ルッツのうまい先輩がやっていた曲でその時初めて見たときにすごいやりたいなと思って。僕はあまり曲にそこまでこだわりは持ってないが、その時だけはすごいやりたいって思った。去年から一度もルッツを降りることができていないので、ルッツをこの曲で降りれるようにしたい。
TEXT=越塚日南 PHOTO=望月優希、森美香子、廣瀬璃子