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2018.05.30
硬式野球

[硬式野球]亜大1回戦は無念の完封負け リーグ3連覇へ黄色信号

平成30年度東都大学野球1部春季リーグ戦・亜大1回戦

5月29日(火)神宮球場

●東洋大0-3亜大


(イニングスコア)

1回戦

東洋大

亜大

×


(東洋大)

●上茶谷(4勝2敗)、中田ー佐藤


・打撃成績

打順守備名前
(右)末包(営4=高松商業)
(左)小峰(営3=帝京)
(中)竹原(法4=二松学舎大付)
(二)中川(法4=PL学園)
(捕)佐藤(法3=聖光学院)
(指)酒巻(営2=成田)
(一)堀北(営3=龍谷大平安)

山崎基(営2=愛工大明電)
(三)津田(総3=浦和学院)
(遊)齋藤元(法2=東洋大牛久)

瀬川(総1=聖光学院)

小川(法2=霞ヶ浦)


34


・投球成績

名前球数四死球三振
●上茶谷(法4=京都学園)7 29101
中田(営4=大宮東)13




7回3失点の先発・上茶谷


竹原はマルチ安打を記録した



 4月9日に開幕した春季リーグ戦もついに最終節を迎えた。亜大との1回戦、優勝への絶対条件である勝ち点奪取のために先勝しておきたい東洋大だが、自慢の打線が影を潜め6安打完封負け。3連覇へ向けて、暗雲が立ち込める結果となった。

 

 今季6度目の先発を任された上茶谷(法4=京都学園)は立ち上がり、140キロ半ばの直球と切れ味鋭い変化球で相手打線を封じ込める。両校共に先発投手が完璧な立ち上がりを見せ、打者を流れ良く打ち取っていく。三回裏を40分足らずで終え、互いにスコアボードに0を重ねていった。

 

 試合を動かしたのは1つの与四球であった。三回裏、先頭打者にフルカウントから外角低めに147キロの力のこもった直球を投げ込むも、わずかに逸れ四球を許してしまう。続く打者の捕ゴロの間に走者が二塁へ進むと、1番・高橋(亜大)に三遊間を破る痛烈なあたりを放たれ、走者は一気に本塁へ。滑り込まれセーフとされ、先制点を亜大へ献上してしまった。五回、七回にも1点を重ねられ、7回を投げ3失点。今季5勝目とはならず、悔しい降板となった。

 

 一方の東洋大打線は、亜大の先発・中村稔に対し6安打0得点。「変化球で上手くかわされた」(中川)と、チームの三振数は今季最多の11。九回まで攻略の糸口を見出すことは出来ず、手玉に取られる結果となった。

 

また、8安打で3点を得た亜大との差は、安打を放った状況にもあった。東洋大は6安打中5安打が二死からのもの。八回には、中川(法4 =PL学園)、佐藤(法3=聖光学院)が連打を放つも、続く打者が三邪飛に倒れ、チャンスを活かせずに終わった。いかに回の先頭打者が出塁できるかが今後の勝敗のかぎを握る。

 

 「追い込まれてからの勝負強さが東洋大にはある」と中川主将。優勝まで後がない亜大2回戦。一球一球に全身全霊で向き合い、まずは一勝をチーム全員で取りに行く。


■コメント

・杉本監督 

点が入らないシチュエーションが続き、打撃陣が力んでしまった。亜大のいいピッチャーを攻略するには打線のつながりが必要。試合前半はピッチャー中心にいい流れができているが追い込まれてからが課題。上茶谷の投球は悪くなかった。亜大は上茶谷のボールの力を利用して打ってきている。ただ、力を抜くのが1番難しいところ。(明日から)総力戦になる。まずは明日からですね。


・中川主将(法4=PL学園)

チャンスは作れたがあと一本が出なかった。(亜大の中村投手には)変化球でうまくかわされてしまった。(次戦に向けて)なんとしても勝つしかないので、どういうヒットでもいいから、1点をがむしゃらに取っていきたい。追い込まれてからの勝負強さが東洋大にはあるので、全員で力を合わせて頑張ります。


・上茶谷(法4=京都学園)

今日の調子は普通に良かった。これで終わったわけじゃないので頑張ります。


・末包(営4=高松商)

足の幅を変えたのは監督の指示。先週の練習試合で一番に入って、その翌日は六番だった。出るとしたら六番なのかなと思ってたけど、朝のスタメン発表の時に一番を言い渡された。意識していたのは初球を振ること、試合の最初の一球なのでそこで思い切り行けるのは大切だと思う。今日負けたけど、去年の秋も先に負けてから連勝で優勝したし、先輩方が一部に上がった時もそうだった。そういう魂を引き継いで2連勝で優勝できるように頑張りたい。


・竹原(法4=二松学舎大付)

相手投手の決め球がフォークなのは分かっていた。その中でみんな振ってしまっていた。自分に関してはフォークを見切る自信があったけど、最後の2打席はおざなりだった。もっと丁寧にやってかないといけない。今日の2安打で打率は上がってきたけど、チームが勝たなければ意味がない。明日しっかり勝って優勝につなげていきたい。


・佐藤(法3=聖光学院)

チャンスで一本が出なかった。相手はミスがあり焦っていたのにもかかわらず、もうワンヒットがでなかったのが敗因かなと思う。ミスにつけ込むじゃないですけど、爆発的なエネルギーをベンチ全員で出していきたい。(上茶谷さんは)悪くなかった。亜細亜のバッター陣は少ないチャンスで打てていた。東洋と亜細亜の差はそこ。ヒット2本で1点とられていたので。(亜大の中村稔投手の印象は)大学日本代表の合宿でも一緒になっていいピッチャーだというのは分かっていた。甘いストレートを見逃すことが多かった。いかにその甘い球を一発で仕留められるかという技術が必要になってくる。(次戦に向け)追い込まれた状況。一球一球大切にやっていきたい。


・津田(総3=浦和学院)

(右方向へ良い打球が飛んでいるが)亜細亜大の中村投手がレベルの高い変化球を持っているので、引っ張った打球を打とうとすると引っかけた打球が増えて相手の術中にはまると良くないので、右方向へ打つイメージを持って打席に入った。(2回の右前安打について)自分が打てたのは良かったと思っているが、チームの勝利に貢献する安打を打てなかったのが悔しい。(打線全体としての相手投手の対策について)低めの変化球に手を出さないように、と決めていたが、思ったよりキレが良くて手が出てしまっていた。(邪飛を好捕したことについて)試合前から距離を測っていて、捕球できると意識していたので、躊躇わずフェンス側まで行くことができた。(今日の敗因は)攻撃でリズムを作れなかったことだと思う。守備のリズムは攻撃から、攻撃のリズムは守備から作らないといけない。(3連覇に向けて、連勝が必要になったが)今日悔しい思いをしたので、倍返しするぐらいの気持ちで相手に向かっていく。


・堀北(営3=龍谷大平安)

(相手投手の対策について)打席の中でベース寄りに立ち、外角のボールを叩くイメージだった。低めの変化球に手を出さないと決めていたが、想定よりいい球だったので対応が難しかった。チームとしては、後続につないでいこうとしたがうまくいかず点が取れなかった。明日以降はしっかり打ってチームの勝利に必ず貢献する。


・小川(法2=霞ヶ浦)

(前カードで負った怪我は)大したことはない。少し強く打ったけど、動けている。去年から出してもらって、ベンチからチームを見る機会は多くなかったのでベンチにいることでサポートしてもらっていたありがたさが分かった。今日は途中出場で負けていたので何とかして塁に出たいと思っていた。気持ちの入れ方とかそういう難しさは感じなかった。(代わってスタメン入りしている齋藤は)いつも頑張ってるし、同じポジションとして負けられない。明日、出れるかは分からないけどしっかりと準備をしていって、2連勝で優勝できるように全力を尽くしたい。


TEXT=永田育美 PHOTO=望月優希、川口朋珠