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平成30年度東都大学野球1部春季リーグ戦・亜大3回戦
5月31日(木) 神宮球場
〇東洋大9-0亜大
リリーフとして十二分に役目を果たした甲斐野
「いいライバル関係」と甲斐野(営4=東洋大姫路)が語る、150㌔トリオの一角・上茶谷(法4=京都学園)の先発で試合が始まる。今までは五回の終了時にブルペンに向かっていた甲斐野が、この日は三回からブルペンへと向かう。「本当は3人でつなぐプランだったけど、上茶谷が良いから変わった」とプラン変更もなんのその。2回戦と同様、七回から神宮球場のマウンドに上がる。「シーズン通して同じ形で投げてきた。だいぶ落ち着いて試合に入れる」と優勝のかかる大一番でも動じることはない。立ち上がり一・二塁間への当たりを中川(法4=PL学園)が抑えると迷わず一塁ベースにカバーに入り、自らピンチの芽を摘んだ。その後はMAX152㌔のストレートを軸に2イニングを完璧に抑える。
「最終回は抑えれば優勝という雑念が入った」と語る九回は、先頭打者にいきなり死球を与えてしまう。続く打者に右安を浴び、無死一・二塁のピンチを迎える。「打者がたくさん点を取ってくれていて、焦りは無かった」と語るように1アウトを取ると投球は元に戻り、最後の2人を三振に打ち取った。「優勝の瞬間は正直覚えていない」と語る豪腕は歓喜の輪の中心で満面の笑みを見せていた。
“勝利に貢献する”という意思をこめて、シーズン前に「勝」の一字を綴った。「少しずつペースを上げて作っていった」とすっかりブルペンでの調整も板についた。この男が全国制覇のマウンドに上がる。
◼️コメント
・甲斐野(営4=東洋大姫路)
このチームは土壇場に強い。ベンチが初回か明るく、押せ押せモードをつくってくれた。楽に投げれたけど最終回はヒヤッとさせてしまった。(最終回は)先頭バッターをしっかり抑えようと思ったが、力んでしまって構えたところと全然違うところにいってしまった。去年の秋はランナーを挟んでアウトになって優勝が決まったので、自分が中心にいなかった感じになったので、今年は三振で締めれて自分が真ん中というかそれも違うと思った。最後は取れればいいなじゃなくて取りたいと思って投げた。これを抑えたら優勝と思って三者凡退で終わりたかったが勝つことができたので良かった。(東都を勝ち抜けた要因は)自分はピッチャーなので上茶谷がしっかり粘って投げてくれたことだと思う。バッターが点取ってくれたのもあるけど、やっぱり上茶谷の力だと思う。(上茶谷の活躍は)やりすぎ(笑)去年は僕がやりすぎた感出したので次は梅津がやりすぎた感出すと思う。梅津には全国で投げさせてやるからと三人で話していたので、全国では投げてくれると思うので期待してほしい。(競争心みたいなものは)ある。いい関係というか、私生活でも三人でいたりするので。(球速のこだわりは)出せる分には出したいけど、今回は逆に出来すぎた。でも抑えることが一番なので、自分は質を求めたい。バッターの特徴をつかんで研究したりとか、そういうことするのが自分は大事だと思ってる。球速は出たらいいかなという感じ。(全日本に向けて)チーム全体で去年の借りを返せるように、日本一になります。
TEXT=須之内海 PHOTO=齋藤洋、土橋岳