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第71回関東大学ボクシングリーグ戦
7月14日(土)後楽園ホール
東洋大 3-6 日大
【LF】●川谷(判定)松本◯
【F】●福井(判定)飯村◯
【B1】◯堤(判定)村田●
【B2】●田村(判定)金子◯
【L1】○木村蓮(判定)神足●
【L2】◯今永(RSC)根岸●
【LW】●中川(判定)鈴木◯
【W】●原田直(判定)荒本◯
【M】●田中(判定)石灘◯
主将としてチームを引っ張った原田直
最終戦は黒星となったが今季5戦4勝を挙げた福井
毎試合チームを活気づけた中川
最優秀選手賞を受賞した堤
今試合で唯一のRSC勝利をした今永L級の階級賞を受賞した木村蓮
最終戦の相手は前年度の王者日大だ。勝てば2位、負ければ4位という苦しい状況の中、ベストメンバーで試合に臨む。
LF、F級を判定により落としてしまった東洋大。この流れを断ち切ったのはB級の堤(営1=習志野)だ。ゴングとともに激しい打ち合いが繰り広げられる。2、3Rも相手の動きを読みながら着々とパンチを決めていき5-0で判定勝ちをもぎ取った。文句なしの勝利を決めるも堤自身は「スタミナ不足や体の強さがまだ弱いとはっきりした試合だった」と内容に納得はしていない。来季リーグ戦でさらに成長をした堤の活躍に期待が掛かる。
B級を終えた時点で勝敗は1―3とまだまだ苦しい状態が続く。しかし続くL級、木村蓮(営3=飛龍)と今永(営1=王子工)の二人が鮮やかに勝ち星をさらった。木村蓮の相手は苦手としていたリーチの長い選手だったが、自分の距離をとり確実にパンチを叩き込んでいく。相手の攻撃はしっかりと避け最終的に5-0で判定勝ちとなった。今永は「チャンスがあれば攻める」との言葉通り果敢に攻めていった。ボディを中心に攻めていき、開始2分44秒でカウントを取った。勢いそのままに2R目も相手のタイミングをしっかり読み取り相手の動きを封じ込めていく。そして3R目の開始23秒で日大側からタオルが投げ込まれRSCでの勝利を決めた。
これで白星数は並んだ。会場も一気に盛り上がる。ここで登場したのは中川(ラ4=高知)だ。相手のガードが固く苦戦しつつパンチを打つ。激しい打ち合いとなったが審判により手を挙げられたのは日大の選手だった。もう後がない状態でリングに上がったのは主将、原田直(営4=崇徳)だ。応援にも一層力が入りみんなが声を枯らしながら背を押す。開始のゴングが鳴り、原田直はボディを中心に攻めていく。パンチの応酬が続き、最後のゴングが鳴った時に東洋サイドでは誰からともなく拍手が起こった。しかし、審判があげたのは日大側の手だった。どよめきが挙がるが無情にも試合は進んでいく。 最後にリングに立ったのは田中(文2=享栄)だ。顔を中心に攻めていき素早いパンチを繰り出すも相手に一歩及ばず。判定により黒星となった。
「要所要所で勝ちきれなかった」と三浦監督は振り返る。しかし各選手はよくやったと労いの言葉も添えられた。今年は涙を飲む結果となったが来年こそはと闘志に燃える。木村蓮、堤、今永が来季の中心になることは間違いない。そこに加えて他の選手がどれだけ伸びてくるかがリーグ戦勝利へのカギとなってくる。主将の原田直も後輩たちへ「来年に向けてチームとして力をつけてほしい」と言葉を残した。来年度、進化を遂げた東洋大ボクシング部がリングに戻ってくる。
■コメント
・三浦監督
優勝チーム日大に土をつけてやろうと思いベストメンバーをそろえ
この3週間で調整してやってきたことは出せたかなと思う。
・堤(営1=習志野)
自分の良いところ、悪いところが出た試合だったかなと思う。
・木村蓮(営3=飛龍)
リーチの長い相手が自分は苦手なので、少しは苦手意識はあって、
・今永(営1=王子工)
(今日の調子は)前回や、毎週の試合と変わらず、いつも通りだった。相手の情報がなく不安なところもあったが、まず1R目では相手の出方を見てチャンスがあれば攻めようと思っていた。内容として雑になったところも結構あったから、これから練習してもっと完璧に近い試合運びができるように頑張りたい。カウントを取ったときは良いタイミングでパンチが当たったのでダウンが取れたが、まだまだ取った後のチャンスで決めきれなかったところがあるからそれは反省点。(初のリーグ戦の総括は)初めの方の試合では自分の油断もあり、実力がそんなものだったという感じだから、次のリーグ戦からは初めから勝てるように練習していきたい。
TEXT=中村緋那子/PHOTO=梅山織愛、松井美乃、岡村珠里、長枝萌華