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2018.07.31
硬式野球

[硬式野球]9日間連続インタビュー 〜3連覇への軌跡〜 最終日 杉本泰彦監督

先輩たちの志を受け継ぎ、昨年春からリーグ戦3連覇を果たした硬式野球部。一戦一戦に全力で挑み、戦国東都の舞台で栄光に輝いた選手たちの思いをお届けする。


最終日は杉本泰彦監督。新監督として初めて挑んだリーグ戦で、見事チームを19度目の優勝に導いた指揮官にお話を伺った。(取材日・7月22日、聞き手=松本菜光花)

――3連覇おめでとうございます。優勝した時はどのような気持ちでしたか。
 

ありがとうございます。優勝した時はほっとしました。リーグ戦は初めてということもあり、分からないことも多かったので、選手に任せている部分は大きかったと思います。
 
――リーグ戦を通じて意識していたことはありますか。
 
選手たちには、自分たちで考えながら野球をしていくということを意識させています。自分のため、将来のためにみんな野球をしているので、自分で判断しなければ上手くならないし、楽しくないと思います。ただ学生野球である以上選手たちが分からないところもたくさんあると思うので、そういう部分は責任を持ってしっかり指導していく必要はあると思います。
 
――上茶谷投手(法4=京都学園)を中心に投手陣の活躍についてはいかがですか。

 
ピッチャーとして完成はしていませんが、ここから伸び代がある選手だと思います。勝てるピッチャーというのは、社会人野球などでもたくさん見てきましたが、ここからどのくらい成長していくのだろうという思いがありますし、すごく楽しみです。
 
――リーグ戦通じて一番印象に残っている試合はありますか。
 
亜大との2戦目ですかね。リーグ戦はトーナメントとは違って、1発勝負ではないので負けても次があると考えてしまって、緊張せず間延びしてしまうところがあると思います。私は緊張しないと力が出せないと思っています。亜大2戦目は、負けたら優勝を逃すという追い込まれた状況になっていたので、集中して力を出しきることができた試合だったと思います。
 
――この夏に選手に意識してほしいことや、取り組んでほしいことはありますか。
 
2月に監督として来て初めて選手一人一人と面談をして、また改めて7月に面談をしました。そこでは、この夏の過ごし方、私の考え方、チームの方向性などをみんなと話して理解してもらっているつもりです。あとは、体作りをもう一度しっかりしてパワーアップをしていく必要があると思います。パワーは力かけるスピード。体を大きくするだけで、スピードが落ちてしまっても意味がないので、体を大きくしながらもスピードも上げていくという練習をしていくことを目標にしています。
 
――東洋大としてのチームの強みはどんなところでしょうか。
 
高橋前監督が今まで作り上げてきた、迷うことなく一生懸命野球に取り組む姿は東洋大の伝統であり、宝だと思うので、無くしたくないと思います。自分たちが自分たちのために野球をやるという意識をしっかり持つこと、そして大学で野球をやれるということは野球人にとってはエリートであるということを認識して、それなりの言動や所作を心がけてほしいです。常に客観的に見られているということを考えながら日々野球に取り組んでほしいですね。東洋大と言ったら、スマートでかっこいい野球をするチームと言われるようになりたいですし、東洋大で野球をやりたいという高校生などが増えるようなチームになりたいと思います。
 
――杉本監督が掲げている「プレイベースボール」という言葉について教えて下さい。
 
野球を遊べるようなチームになることを目標にずっと野球をしています。野球を遊ぶということは究極の目標だと思います。野球を遊ぶためには、野球に対して高度なインテリジェンスとテクニックがないといけない。完成形はなくて、レベルが上がったらまたさらにおもしろい遊び方ができるように変えていかなければいけないと思います。野球を遊べるような監督でありたいし、チームであってほしいと思いながら取り組んでいます。
 
――最後に、秋季リーグ戦の目標や意気込みを教えてください。
 
他のチームもレベルが高い中で、互いに切磋琢磨して戦っていくことになると思いますが、それが東都のいいところであると思います。4連覇を目指して、万全の準備をした上でリーグ戦に挑むというところは大切にしていきたいです。初戦は必ず勝ちにいけるようにしたいので、それに合わせて調子をしっかりあげることを意識して練習していきたいです。今年はグランドスラムという目標を達成することはできませんでしたが、リーグ戦優勝したことは価値があることだと思うので、目標に向かって選手たちがまた奮起してくれればと思います。