スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成30年度第４回大学野球サマーリーグ

８月10日（金）

新潟県三条パール金属スタジアム

○東洋大６ー２立教大（時間制限により８回まで）

（イニングスコア）

持ち味を存分に発揮した山下宏

猛打賞と大暴れの岡崎

    前の試合で見事勝利を収めたチームは同日の第３試合にも登場。立大との試合に臨んだ。二回に１点を先制されるも、すぐさま１年生クリーンアップの連打で勝ち越しに成功。投げては山下宏（総２＝関西）が３回１失点と試合をつくると中継ぎ陣もその流れに乗り、２連勝を遂げた。

　「１年生が半分以上いる。クリーンアップが全員１年生だから新鮮」と木村（総１＝霞ヶ浦）が語るように、この日は２試合とも中軸には１年生が３人座った。この中軸打線が先制点をとられた直後に火を噴く。片平（営３＝桐蔭学園）の出塁を皮切りに木村の適時打が飛び出す。続くチャンスを生かしたい場面で、打席にはリーグ戦から活躍を続けてきた岡崎（営１＝帝京）。「みんなのいい流れに乗れました」と少し謙遜しながらも、４番の役割を果たした。チームは１試合目とは打って変わり効果的に適時打を重ねると６点を挙げ快勝。「今年の１年生はポテンシャルが高いからね」と指揮をとる井上コーチも１年生クリーンアップに手応えありの様子だ。

　この試合は公式戦で神宮球場での登板が未だない投手の奮闘が光った。「直球で押していくのが自分の持ち味」と語る山下宏が先発のマウンドに。チーム内唯一のアンダースロー投手だ。お手本にしているのは牧田（サンディエゴ・パドレス）というサブマリン。三回には１死二・三塁のピンチを切り抜け相手に流れを渡さなかった。その後は１人１イニングずつの登板で有馬（法２＝東洋大牛久）の三者凡退で抑える好投や高身長を生かし高い位置から力強い直球を投げ下ろす小並（法３＝高鍋）らがつなぎ試合を締めた。

　初戦とは変わり新戦力の台頭が目立ったこの試合。残りの２日間もフレッシュな顔ぶれの思い切りのいい活躍に期待したい。優勝商品の新潟県特産コシヒカリを鶴ヶ島に持ち帰り、神宮球場で気迫溢れるプレーをする選手がこの中から現れる。

■コメント

・井上コーチ
１年生の中軸がよく打ってくれた。彼らはポテンシャルがとても高い。夏に厳しい練習を積み、その成果を出す初めての実戦でいいスタートが切れていると思う。ただ、厳しい言い方をすれば、もっとできると思っている。投手陣は全体的に良かった。細かい修正点はあるが、自分のボールでストライクゾーン内の勝負ができていた。
今日、選手たちは朝が早かった。そんな中で上手く調整してヒットもよく出ていた。自分がどうアピールすればいいか、選手個人が考えてプレーできていたように見える。明日からも選手自身が存分にアピールしてくれるのを期待している。

・岡崎（営１＝帝京）

連打で得点できた第２打席はみんなのいい流れに乗って打てたと思う。前の打席でスライダーを打ってて、直球で決めにくると思って狙っていた。１試合挟んで変えていったことは力の入れ方。このサマーリーグでの目標を長打率にしていて、力みがあったので力を抜いて打席に入ることを意識した。打席の中では、打つ前ではなくて打った後に力を込めるくらいのイメージで振り抜いていったら今日の３安打という結果につながったので良かった。明日以降も試合があって、１日２試合で体力的には厳しい戦いにはなるけどチームとしては優勝を目指している。個人としては首位打者を目標にしているのでここからしっかり打って狙える位置にいたい。

・山下宏（総２＝関西）

今日の内容は良かったと思う。高めを意識的に攻めて詰まらせることもできたし、直球が指にかかっていたと思う。変化球の精度はまだまだ。緩急をもっと使えるようにしたい。
アンダースローを始めたのは高校入学時。参考にしているのは牧田和久（サンディエゴ・パドレス）。強いストレートを投げたい。珍しいフォームなので打者が詰まってくれたりするのがメリット。デメリットとしては、やはり左打者に打たれやすいこと。直球で押すことで対応したい。

・芦名（総１＝木更津総合）
外野の守備を練習し始めたのは２週間くらい前から。今はまだ本職の人たちのような動きは出来ないので、取れるアウトを確実に取ろうというのを心がけてやっている。捕手に戻った時には、普段見れない角度から客観的に学べる機会をもらってるので、その経験を活かせればと思う。具体的には配球だけでなくて、他の捕手がどんなタイミングでタイムをとるのかを気にして見ている。
適時打になった第２打席は監督から「力み過ぎてるから逆方向を意識してみろ」という風に言われて入ってた。その中で直球を逆方向に持って行けたので良かったと思う。中軸がみんな１年生なので、結果どうこうではなくて１年生らしくアグレッシブなプレイができれば良い結果につながるのかなと思って試合に臨んでいる。
サマーリーグを通しての目標はチームとしては全勝優勝。個人としては４割４HR４盗塁を目指していたけど、初日から離れてしまったから新しく設定する予定です。

TEXT＝須之内海、PHOTO＝須之内海、齋藤洋