スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

文部科学大臣杯第70回全日本大学準硬式野球選手権大会・１回戦

８月2０日（月） 菊川球場　

◯東洋大 10ー２広大

（イニングスコア）

（東洋大）

瀬下（営３＝藤代）、割石（社４＝越谷南）、岡澤（済１＝長野吉田）－多田龍（ラ４=高松西）

若原はリードオフマンとして存在感を発揮する

圧巻の投球を見せた瀬下

試合後はみんな笑顔でカメラに収まった

関東選手権を勝ち抜き手にした全国の舞台。投打共に躍動し、中国地方のリーグ戦で３季連続優勝を誇る広大相手に快勝し、見事初戦を突破した。

 初回、相手先頭打者に二塁打を許すと失策も絡み２点を失う。その裏すぐに不穏な流れを変えたのは若原（社３=九州学院）であった。初球を左前に運び相手が処理にもたついた隙に二塁まで進む。続く２番冨田（営３=藤代）、３番伊藤（ラ２=成立学園）と打線がつながり逆転に成功する。
二回も若原の二塁打を皮切りに三者連続安打で２点を追加。三回、五回、七回にも得点を追加し投手陣を援護する。若原は５打数４安打の活躍で先頭打者としての役割をしっかり果たす。今季は守りから勝つ試合の多かった東洋大だが、打撃陣の活躍も光り攻めの野球を見せた。

 東洋大の継投を考えるのは瀬下（営３=藤代）と学生コーチの遠藤（営３=文京）の役割だ。瀬下は自ら決めた先発のマウンドは初回こそ安打を許し失点するも、そのあとは完璧であった。二回、三回を三者凡退で打ち取ると回を重ねるごとにギアが上がり無四死球で５回２失点でマウンドを降りる。六回からは割石（社４=越谷南）がしっかり抑えると、九回はルーキーとして期待を寄せられる岡澤（済１=長野吉田）が３人で締め、初回以降は無失点と継投もピタリとはまった。

 投打が共に噛み合い、振り返ってみると二桁安打二桁得点で10－２と大勝。危なげなく２回戦へと駒を進めた。印南主将（文３=浦和学院）は「昨年は１勝もできなかったので、まずはその壁を越えられてよかった」と喜びを口にした。次戦の相手は昨年度初戦で対戦し敗れた苦い記憶のある中京大。「全日本の借りは全日本で返さないと」と小田辺監督が語るようにリベンジの気持ちで燃えている。優勝という目標に向かい、ひとつひとつ勝利を積み重ね準硬式野球部の新たな歴史を刻む。

■コメント

・小田辺監督

初回にいきなり点を取られてしまっておやという感じではあったが、慌てるという感じはなくすぐにうちのペースに戻すことができたので良かった。試合としては及第点をあげられる結果かなと。（勝因は）初回にすぐに若原が出塁してくれたところですかね。そのあとも繋いでくれて特に１，２，３番が今回の試合の流れを繋いでくれた。みんなで流れを戻せたところが勝因かなと。関東王者にはなっもののそのあとのリーグ戦で失速してしまったので、チャンピョンがといえるほどの力もないですし試験休みがあったのでブランクがあり合宿で作り直してきたところなのでこれから徐々にという感じ。関東選手権も試合ごとに強くなっていったのであの感じをもう一度という感じでやっている。（初出場の井上結選手は）体は小さいが非常にセンスがありスピードもある選手で守備もできる。１年生ではあるがベンチに入ってもらって完全にうちの選手の一員となってくれている。今回の試合も三浦にアクシデントがあったが井上結がいたから迷わずに変えることができた。頼もしい存在。（中京大戦に向けて）中京大に借りを返すためにきている。全日本の借りは全日本で返さないといけないと思っている。昨年の分まで倒しててっぺん狙いたい。

・印南主将（文３＝浦和学院）

去年が１試合も勝てなかったので、その分まず１戦目の壁を越えられてよかった。相手のデータも少なかったので自分たちらしくやろうという風に話していた。（次戦は去年破れた中京大だが）ここがまず一つの大きな目標にしてきていたので、去年の借りを返したい。（全国の意気込み）関東選手権では初優勝できたので、全国では１勝でも多くして新しい歴史を作りたい。

・遠藤学生コーチ（営３＝文京）

去年１回戦で負けているのでなんとか初戦をチームで取ろうっていう話をしていて、その中で今日はバッター陣が本当に頑張ってくれた。初回先制されて少し嫌な流れでしたが、その後すぐ逆転してくれたので今日はバッター陣が機能してくれたなと思う。その中でも冨田は普段は下位打線を打っていますが最近調子が上がっていて、今日は冨田がいい動きをしてくれたなと思う。その後みんなもコツコツつないで、みんなで点を取ろうという気持ちでやっていたのでそこは良かった。（冨田くんの調子について）テスト期間練習ができなくて、テスト明け８月から練習を始めて、調子が上がってきたのは合宿あたり。バットを振れているなと思ったし、前日練習でもいいあたりがあって、本人なりに色々考えながらやっていると思う。そういう選手がもう少し増えてくれれば全国大会でも優勝も見えると思うので、今日１回勝ちましたが東洋大が目指しているのは優勝なのでここで満足しないでまずは明日の中京戦、リベンジということで２回戦も頑張りたいなと思う。

・瀬下（営３＝藤代）

立ち上がりわちゃわちゃしてしまって申し訳ないなという感じだったが、中盤から制球を心がけて大量失点だけしないように心がけていたらうまく噛み合った。（１回裏で味方が点を取り返して）入らないかなと思ってたがラッキーもつながってだいぶ楽になった。（先発は）自分で決めているのでずっと全日が始まる前から自分が投げようと思っていた。元々５回まで自分が投げて６回から割石さんと思っていたのでそれが上手くはまって割石さんもしっかり抑えてくれたのですごく良かった。岡澤はすごくいいストレートを持っているのでできれば今日のうちに投げさせたいなと思ってて点差開いたので投げてもらった。（明日の中京大戦に向けて）１つ勝てたので、明日はリベンジということで楽しみたいなと思う。ワクワクします。

・冨田（営３=藤代）

序盤に先制されてしまったのでなんとかして初回に追い付きたいなと思って頑張った。自分の持ち味は足だと思っているのでバントでも全力で走っている。（上位打線での起用は）最初は冗談かなと思って驚いた。遠藤君が自分のことを見てくれていた。（自身のプレーは）最初の２打席は良かったがあとの２打席はあまりよくなかった。２番らしく粘って相手投手を嫌がらせるようなバッティングをしたい。今回はエラーをしないことたくさん塁に出ることを意識した。（中京大戦に向けて）昨年負けたのでリベンジ出来るように頑張りたいと思う。

・若原（社３＝九州学院）

先制を２点もされて、流れが悪い中だったが、相手も初戦で固くなっているし、グラウンドの状態も良くなかったので、シートノックからゴロとか強い打球を意識したことが先頭の出塁につながった。いい流れができたかなという感じ。４安打という結果だが、内容を見るとあたりがいい訳では無いので、結果だけ前向きに捉えて、チームとしても個人としてもしっかり修正して次戦に臨みたい。（次戦中京大戦に向けて）自分自身としては昨年ホームランも打てているので悪いイメージはない。去年のリベンジということでしっかり勝ちきりたい。昨年はエラーから負けているので、気を引き締めたプレーを心掛ければ結果はついてくると思う。

TXET=鶴田華穂　PHOTO=大谷達也、永田育美、望月優希