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2018.09.04
水泳

[水泳]インカレ特集⑤悔しさ乗り越え、成長見せる〜中村海渡〜

水泳部 インカレ直前連続特集5 中村海渡

 9月7日~9日に、学生日本一を決める第94回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が横浜国際プールで行われます。それに際し、インカレ開幕前日まで注目選手のコラムをカウントダウンでお届け!本日は目標に向かい努力し続ける中村海渡選手です!
 東洋大では「REVERSE(リーバス)」のスローガンの下、男子は総合3位、女子は総合優勝で王座奪還を目標に掲げてインカレに挑む!年に1度チーム対抗で挑むインカレは、熱戦が繰り広げられること間違いなし!


今年に入り、100m自由形、200m自由形ともに自己ベストを更新した中村。成長を続ける裏には惜しみない努力と悔しさを乗り越えた経験がある。

  1年時から男子4×200m(以下、8継)フリーリレーのメンバー入りを果たし、決勝でアンカーを任せられた。しかし、ゴール目前に明大にわずかに抜かれてしまい、悔し涙を流していた。「泣きすぎてあんまり記憶が無いんです。でも、公介(H28年度文卒=ブリヂストン)さんと翼(H28年度文卒=ミキハウス)さんを2位にさせてしまったという思いが強くて」。練習前には当時の動画を見返して「もう2度とこんな思いをしないように」と悔しさをバネに努力を重ねてきた。

 1年越しで迎えた昨年の8継では強豪校がそろう中、見事に2位でゴール。中村個人としても昨年から大幅にタイムアップを果たした。「15年間の水泳人生の中でダントツに一番にうれしかった」と中村にとって忘れられない経験になった。

   1年生時にリレーを共に泳いだ萩野も「練習も頑張り屋で泳ぎも良い。これからさらに伸びると思います」と語るほど練習にも積極的。その中村は今年のインカレの目標に「出場種目すべてで表彰台に上ること」を掲げる。上級生として迎えるインカレで、毎日の努力の成果を存分に発揮する。


――2018年、これまでの大会を振り返ってみていかがですか

1番思い出に残っているというか、1番印象が強いのが日本選手権です。日本選手権では決勝に残るって決めていて、準決勝で終わったんですけど100mと200m10番と11番で両方ベストが出て自信にもなった試合です。

 

――今年に入ってから100m、200mともにベストを更新していて、調子の良さはどうですか

その頃はちょっと長い練習というのがいつもより早くてそれがやっぱりレースの後半につながってきたりしていて、最近は逆にスピードの方が出ているのであとは今から少し追い込む期間があるので追い込んで仕上げていきたいです。

 

――追い込む中で心掛けていきたいのは

自分はプルよりキックの方が得意なので、キックを打ち続けて体を浮かせてスピードを維持するというのを心がけています。

 

――日本選手権のレース後には目標を高く持つことが結果につながっていると言っていましたが、その効果は実感していますか

それは昔からしていて、ジュニアオリンピックの時も決勝に残れる選手ではなかったんですけど絶対残るって決めて残れなくて、悔しさが誰よりもあって。でも何度か決勝に残った時に表彰台にのぼるっていう目標を持って決勝に残っているので、やっぱり目標を高くしないと最低ラインに届かないんだなという実感は常にあります。

 

――では、今年のインカレ出場種目の目標タイムは

100m自由形は4940で、200m自由形が14750です。なので両方100mにつき1秒くらい速いんですけど、それがインターナショナルという標準記録なので。12月にも合宿があるのでそれに参加するためにもそのタイムを突破して、来年の選手権ではユニバーシアードの選考会があるので一歩でも近づけるようにしていきたいです。

 

――インカレは個人戦でもありチーム戦でもあると思いますが、他の大会とは気持ちとかは違いますか

自分は多ければ3日で10レース泳ぐことになるんですが、他の試合ではそういうことは滅多になくて。インカレは得点を争う試合なので、今までは個人種目ではほんのわずかしか得点を稼げなかったですけど、やっぱり3年にもなってランキングでも得点に絡んでいるので他の試合よりもこの試合は外せないなと思います。

 

――3年生という上級生になって気持ちは今までと変わりましたか  

僕は昔から、ちっちゃいときから先輩を追いかけるのが好きだったというか、速い人に食らいつくのが好きだったというか。最初入ってきたときは先輩に食らいつくという感じだったんですが最近は自分のベストが速くなってきて、自分は練習はあんまり速くないんですけど周りを引っ張っていかないといけないなという思いには変わってきています。まだまだ弱いので、逆に後輩に引っ張ってもらうこともあるんですけどね。

 

――4年生で特に目標としている人は

キャプテンの山本悠暉(法4=智弁学園)さん。高校のころ同じ種目で泳いでいて僕は短い距離になって。その時は一緒くらいだったんですけど去年のインカレで2番になられて、同じ大学でやってるのでそこまで成長されたことをすごいなと思います。あと自分が1年生の時から一緒に800のリレーも出てるので今回は自分が引っ張って最後笑顔で終わりたいです。

 

――1年生のときの8継で経験した悔しさはどうやって力に変えましたか

最初はもう泣きすぎて記憶が無いんです。でも、そのシーズンオフがあけて公介さんと翼さんを2番にしてしまったという思いが強くて。でもそこでへばったらダメなので、2度とこんな思いはしないっていう思いを持って、その時の動画があるんですけど、常に何回も見て練習に励んでました。途中はからかわれたりしたんですけど「このままじゃ負けるぞ」とか同期からも言ってもらえてそれも自分の励みになりました。

 

――そういうことも言ってくれるくらい仲が良いんですね

仲良いですね。寮生活もあまりホームシックにはならなくて、逆にこっちが楽しい。実家がやなわけじゃないですけど、こっちでみんなといるのがなんというか、レベルの高いみんなが普段どんな生活してるかとかも知ることができて楽しいです(笑)

 

――悔しい思いをしてから力を入れてきたことは何ですか

高校の時は多分みんなが想像できないくらい練習が弱くて、思うように練習できない時があって。一時期は本当に泳ぎなくないみたいなこともありました。そこから引きずって練習が良くなくて試合ではベストパフォーマンス出すために備えていくという感じだったんですが、大学に入って試合だけじゃなくて練習もすごく速くて自分今のままじゃダメだって思って、練習でどれだけいいタイム出して自信をつけるかというのを一番努力するようになりました。強い選手に囲まれて、その中で自分が一番になりたいって思うようになって、長い距離は苦手なんですけどそこを克服して後輩も引っ張っていきたいです。

 

――2年生のときのインカレでは8継で喜んでいる姿が見れました

もう水泳人生の中でダントツに一番にうれしくて。それこそ山本悠暉さんと2人でその前の年にとても悔しい思いをしてたので、まさか2番になれるとも思っていなくて。誰も過信していなかったんですけど、最初に決めたみんなが個人で1分50秒で泳げば狙えるって話をしていていざ決勝のレースではみんなで予選から5秒あげて、レースも最後のレースだったので体もきつかったんですが、普段朝練で出し切った後に夕練でも頑張ってきたので、そこで身体が動いたのかなと思います。

 

――2位が決まった瞬間どうでしたか

信じられなかったですね。その動画もいつも見るんですが、それを見て頑張ろうって思えます。15年間やって来た中でダントツでうれしかったです。

 

――インカレは応援もすごいですがリレーの時は

そのレースに行く前にレース数が多すぎてもう気持ち悪かったんですけど、みんなから「行ってこいよ」って言われて覚悟決めて行ったんで、応援の力は本当にすごいと思いました。僕はレース数が多くて応援することがあまりないんですけど、レース前にみんなの方見ると応援してくれているので、他の試合はみんなもレース多いのであんまりそういうのないんですけどインカレならではの応援なのですごい力にもなります。

 

――リレーに憧れたきっかけは

なんでですかね、、、その時のことは覚えてないですが、専門が最初200m、400mだったんですが、リレーは100mもあるので中途半端はいやだと思って100m、200mに絞ろうと思ったのは覚えています。特にメドレーリレーは1種目の速い人が1人ずつ出るので大学の強みっていうのが出るので、自分が引っ張って勝てるようにしたいです。

 

――後輩たちを引っ張る立場になって

今までは先輩の姿を見て自分もこうしないとと思ってたんですが、逆に3年生になってこのようなことをしないと後輩からよく思われないなと普段の行動から少しずつ正そうと思ってます。挨拶の1つだったり、道具出した後の片付けだったりも任せっきりにするんじゃなくて自分からやって後輩が持って行ってくれるみたいな、後輩も先輩がやってるから自分もやらないとなと思ってもらえるようにはしていますね。

 

――逆に中村選手が下級生だった頃に先輩がやってくれたことは

僕が1年生の時にインカレがどういうものか分からなくてすごく不安だったんですが、公介さんだったり翼さんだったりがインカレの動画を見せてくれたり話してくれたりして、気持ちが楽になりました。なので、今の1年生にもインカレの話を少しはして、でもそんなに気負わずに1年目は楽しんだらいいんだよと言って、今までの経験を生かして後輩にはそう伝えています。

 

――3年生としてどんな思いのかかるインカレですか?

去年は男子総合5位だったんですけどそれもほとんど個人が3、4年生の得点で、1、2年はベストが少なかったので、3年になった自分が点数に大きく絡んでチームを引っ張りたいなという思いはあります。

 

――萩野選手にお話を聞いたときに期待の選手に中村選手を挙げていました

ほんとですか!それはやばいですね!公介さんと一緒に練習も何度かやらせていただいたので世界のトップの隣で泳ぐことが今までは考えられなかったですけどそれでも短い距離だけでもくらいついていこうと頑張っていました。一緒に練習している小堀(ミズノ)さんからも「もっとタイム出るよ」と言われてとても自信になっているのでここでいいタイム出したいです。うれしいですね本当に。

 

――最後にインカレへの個人の目標とチームの目標をお願いします

個人の目標は大きく、全部表彰台という目標を掲げていて、今ランキングでは4番と10番なんですけど去年よりはだいぶ成長したんですけど、インカレで個人では今まで決勝にも残ったことないので表彰台にのっていいところを見せたいです。チームとしては男子総合3位以上を掲げているんですが、リレーの点数が大きく絡んでくるので個人だけじゃなくてリレーでは特にチーム全員の思いを背負って表彰台に上りたいです。


■中村・海渡(なかむら・かいと)

学部・学科・学年/文学部部・英語コミュニケーション学科・3年

生年月日/H9.9.14

血液型/A型

身長・体重/184㎝・79㎏

出身地/滋賀県

出身高校/比叡山

エントリー種目/100m自由形、200m自由形


TEXT=望月優希

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