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相撲部取材班チーフが相撲部について書きたいことを書く「どすこい取材記」のコーナー。今回はWeb特別版!全国選抜大学・実業団相撲刈谷大会(以下、選抜刈谷大会)に出場した中嶋選手の(法4=愛工大名電)コラム記事をお届けします!
家族、そして恩師が試合を見守る中、中嶋が刈谷の地で花を咲かせた。9月9日に地元である愛知県で開催された選抜刈谷大会に出場し、団体戦では先鋒として6戦5勝とチームを勢いづけ15年ぶりの優勝に貢献、個人戦でも持ち前の押し相撲が光り第3位と大活躍。これまでお世話になった人へ大学4年間での成長をみせ、結果で恩返しをした。
大学1年時から出場していた選抜刈谷大会も、今年で最後の出場。最終学年として迎える今大会は「1年生の時に比べたら緊張はしなくなったが、今年は結果を残さないといけない」とプレッシャーも感じていた。辛いことがあっても支えてくれた家族、そして今までお世話になった恩師へ、感謝の気持ちを結果でみせる絶好の機会。出場選手の誰よりもこの大会へかける思いは強かったに違いない。
◇中嶋の選抜刈谷大会の結果◇
個人戦 | 団体戦 | |
1年生 | ベスト16※ | 出場なし |
2年生 | 3回戦敗退 | 第3位 |
3年生 | 2回戦敗退 | 第3位 |
4年生 | 第3位 | 優勝 |
※愛知県高校出身選手として地元枠で出場
【団体戦】
3人制で行われる団体戦、中嶋は先鋒でオーダー登録された。「自分の相撲を取ればいい」。試合前に濱野監督から伝えられた言葉を胸に戦った。予選1回戦では内山(日通)に黒星を献上してしまうも、気持ちを切り替えその後の予選では2戦2勝。団体決勝トーナメント準々決勝と準々決勝では、中嶋はともに寄り倒しで勝負を決めた。先鋒の勝利により勢いにのった東洋大は決勝戦へ駒を進める。
迎えた決勝戦。中嶋の相手は東洋大卒で3学年先輩である岡田(アイシン精機)。立ち合いから左に変化されるも冷静に対応。一気に前へ攻め、突き出しで勝負あった。その後、中堅の白石(法4=専大松戸)が惜しくも敗れるも、大将の城山(法3=金沢市工)が勝利したことにより15年ぶりの団体優勝。選手たちが歓喜に沸く中、中嶋だけは安堵の表情を見せていた。
◇中嶋の団体戦の結果◇
予選1回戦 | ●叩き込み | 内山(日通) |
予選2回戦 | ○突き出し | 吉岡(トヨタ) |
予選3回戦 | ○押し出し | 西浦(間口) |
準々決勝 | ○寄り倒し | 中村(アイシン軽) |
準決勝 | ○寄り倒し | 元林(近大) |
決勝 | ○突き出し | 岡田(アイシン) |
先鋒として6戦5勝し、チームに勢いをつけた
【個人戦】
団体優勝の熱も冷め止まぬうちに行われた個人戦では、中嶋の得意とする押し相撲で圧倒した。準々決勝の相手は愛工大名電高校の先輩であるアイシン精機の吉田。「合宿にも来てもらったりしていて、手の内を知っていてやりづらかった」と振り返ったが、鋭い出足で圧倒し押し出しで勝負を決めた。
準決勝は前々大会優勝・黒川(アイシン軽金属)との対戦。「自分の調子がいいと思ってくれたのですかね」と中嶋が振り返ったよう、普段は正面からぶつかり合うことが多い黒川が、立ち合いから変化を見せた。そのまま後ろを取られ、最後は上手投げを決められ敗戦するも、「地元で表彰台に上がれたのはうれしい」と第3位入賞を喜んだ。そして「みんなにおめでとうって言ってもらえてうれしかった」と笑顔で話した。
◇中嶋の個人戦の結果◇
2回戦 | ○突き出し | 吉岡(トヨタ) |
3回戦 | ○押し倒し | 吉池(朝日大) |
4回戦 | ○押し出し | 西(日体大) |
準々決勝 | ○押し出し | 吉田(アイシン) |
準決勝 | ●上手投げ | 黒川(アイシン軽) |
4回戦の西選手(日体大)との取り組み
相撲を始めたきっかけは「両親に勝手に市内大会に応募されて、優勝してしまったから」と中嶋。小学1年から相撲を始めて早くも16年が経った。高校3年時には第12回世界ジュニア相撲選手権大会・重量級に日本代表として出場し、見事世界チャンピオン輝いた経歴もある。東洋大に進学した理由は、高校生の時に合宿へ参加し「東洋大でなら、自分が更に成長できる」と確信したから。
学生として相撲をできるのも今年で最後。大学2年時からチームの主力選手として東洋大相撲部の黄金時代を支えてきた。そして、4年間の集大成として臨む全国学生相撲選手権大会(以下、インカレ)まで残りわずか2か月。中嶋の押し相撲が、念願のインカレ団体3連覇への道を切り開く。
◇中嶋亮介(なかじま・りょうすけ)
法学部企業法学科4年、180㌢、150㌔
相撲歴:16年
得意技:押し出し
好きな食べ物:寿司、焼肉
これだけは負けない:相撲なら前に出る圧力
将来の夢:幸せな家庭を築く
今季の意気込み:インカレまで時間は少ないですが、4年間の集大成なので全力で勝ちにいきます!
◇編集後記
9月号紙面の当初のレイアウトでは「中嶋、地元で花咲かす」で大きく取り上げる予定でしたが、急遽レイアウト変更をすることにより、スペース上の関係で紙面にQR掲載によるWEBコラムとなりました。今年1年間、選手の皆さんに意気込みを聞く機会がたくさんありましたが、中嶋選手の選抜刈谷大会へかける思いは誰よりも強かったです。そして大会後にご家族や親戚の方々と会話されているのを見て、改めて応援の力は大きいなと感じました。今年度残す大会はすべて東京で開催されます。ぜひ、たくさんの応援をお待ちしております。以下、今後の試合日程です。
10/7(日) 東日本学生相撲リーグ戦(靖国神社相撲場)
11/3(土) 全国学生相撲選手権大会・個人戦(国技館)
11/4(日) 全国学生相撲選手権大会・団体戦(国技館)
12/2(日) 全日本相撲選手権大会(国技館)