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平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦
9月30日(日) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ
東洋大1ー4早大
[ゴール(アシスト)]
57:20 古川誠(出口、阿部)
ゴールを決めたFW古川誠主将
GK古川駿は体を張った守備を見せた
ゴールを演出したFW出口
関東大学アイスホッケーリーグ戦(以下、リーグ戦)1巡目最後の相手は、ここまで全勝で首位を走る早大。1ピリで先制点を許すと2ピリ、3ピリでも得点を奪われてしまう。試合終了間際に土壇場で1点を返したものの、最後の最後にダメ押しの1点を許し最終スコアは1―4。リーグ前半戦を勝利で締めくくることはできなかった。
0―4で負けを喫した明大戦から連日開催となったこの試合、チームは気持ちを切り替えて試合に臨んだ。しかし開始5分にSH(ショートハンド)の隙を突かれ失点。開始早々1点を追いかける展開となる。いち早く追い付きたい東洋大は、PP(パワープレー)や6人攻撃でゴールをこじ開けようと試みるも1点が遠い。その後攻め込まれる場面もあったが、GK古川駿(社4=八戸工大一)を中心にゴールを守り追加点を許さず。1点ビハインドで1ピリを終える。
2ピリはどちらもパックを譲らないまま時間が経過した。その中で2ピリ開始10分、ゴール前の混戦の中で2点目を奪われてしまう。あとのない状況となった東洋大は点差を詰めるべく、積極的にシュートを放つ。しかしどれも得点につなげることができない。
2点差で迎えた3ピリ、開始7分でまたも追加点を献上してしまう。その後は思うように攻撃の起点をつくれず耐える時間が続いた。実を結んだのは試合終了3分前、FW出口(社4=駒大苫小牧)のパスにFW阿部(社4=白樺学園)が合わせシュートを放つ。最後はゴール前にいたFW古川誠主将(社4=白樺学園)がコースを変えてゴールネットを揺らし、1点を取り返した。しかしその2分後に6人攻撃の隙を突かれ失点。1―4と最後まで早大の勢いを止めることはできず、苦いリーグ戦の折り返しとなった。
試合後、鈴木監督は「全ての面で負けていた」と話した。リーグ戦を通して課題であった守備面は克服することができず、GK古川駿は「最初から最後まで相手のペースから自分たちのペースに持ってくることができなかった」と話した。また、攻撃面ではシュート数は早大が42本であるのに対し東洋大は19本。前試合でスコアリングを課題に挙げたFW古川誠主将は「積極的にゴールに狙いにいこうという気持ちはあったが、なかなかシュートを打てる場面が少なかった」と悔しそうな表情を見せた。
選手たちも「自分たちのホッケーができていなかった」と口をそろえた1次リーグは4勝3敗と悔しさの残る結果に。しかし「2次リーグでは1次リーグの借りを全チームに返したい」とFW古川誠主将が意気込む通り、チームは前を向いている。次戦の相手は一巡目でまさかの敗戦を喫した法大。FW出口は「まず法大だけに、という気持ちで臨んでいきたい」とリベンジに燃える。この気持ちをバネに、2次リーグでは東洋大らしさを取り戻せるかがカギとなる。
◼︎コメント
・鈴木監督
内容がそのまま結果に出た試合。早大は走っていたしフィジカルなプレーをしていた。全ての面で負けていた。(早大の印象は)みんなハードにプレーする、全員が同じ意識を持ってプレーしている印象。(シュート数が少なかったが)ゴールに向かう前にブレイクアウトもできていなかった。スケートの部分で完全に相手に負けすていた。もちろん選手たちはゴールに向かう気持ちを持っていたと思うが、その前の段階の問題だった。(試合展開については)「今日は新たなゲームだ」という話をしてスタートした。最初の失点で昨日の雰囲気を引きずってしまったと感じている。(1次リーグを振り返って)今日で1次リーグが終わったが、得点力の部分では最後2試合以外はオフェンスがすごくチャレンジしていた。逆に失点が多いという点でもう一度守りの部分を見直した。その分攻めのエネルギーが減ったので攻めと守りのバランスをもう一度作り上げていきたい。最終的に守りのもろさが多く出た1次リーグだった。やるべきことがしっかりできていなかったように感じている。(次戦に向けて)2週間開くので、もう一度自分たちのやるべきことを見つめ直してまたゼロからスタートしたい。
・FW古川誠主将(社4=白樺学園)
試合が始まる前にゲームキーとして「スケート」と「バトル」を挙げられていた。そのどちらも早大に劣っていたゲーム展開だったように感じる。それがこういった敗戦につながったと思う。(課題のスコアリングに関しては)積極的にゴールに狙いにいこうという気持ちはあったが、なかなかシュートを打てる場面が少なかった。早大のしっかりとしたインサイドキープの守りにハマってしまった形になって、得点までいけなかったというのが1点しか取れなかった原因かなと思う。(早大に対するやりにくさなどは)そういったことは特になかった。今試合、自分たちは絶対に勝たないといけないゲームで、そういったプレッシャーは多少あったかもしれない。(1次リーグの総括)法大戦など落としてはいけない試合を落としてしまって、そこからけが人も出て。自分たち自身で勝てる試合を勝てない試合にしてしまった。気持ちの面が大きく左右した1次リーグだったと思う。(次戦、2次リーグの展望)僕たちは4位でもう1位とも差が開いている。優勝とか語らずにとにかく目の前の試合1戦1戦しっかり勝って、どんな試合でもインカレにつながるゲームをしていく。練習から試合を意識してチーム内でもっと高めあって、2次リーグでは1次リーグの借りを全チームに返したい。
・GK古川駿(社4=八戸工大一)
完敗です。相手のプレッシャーも速いし、最初から最後まで相手のペースから自分たちのペースに持ってくることができなかった。本当に強かった。(春は早大に勝利したがそこから変化は)1対1絶対負けないぞ、という気持ちを相手が持っていたと思うし、チーム内で話し合いとか対策とかがよくとれていたなという感想。早大にできるということは、僕らにもできないことはないと思う。2次リーグまで期間あるので、その間に話し合っていいスタートが切れるように頑張りたい。(課題の守備面)イージーに相手のチャンスを作ってしまったりとか。僕個人としても法大戦など、大量失点してしまうときもあった。そこはチーム全員でちゃんと話し合わないといけない課題だと思うし、ここ2試合は点数も全然入れられていないので、そこを含めてミーティングが必要なのかなと思う。(1次リーグ総括)自分たちのホッケーが全然できていなくて、でもそれを言っているだけじゃ全然変わらないと思うのでどうすれば自分たちのホッケーができるか、自分たちのペースで試合を進められるかというのをチーム内で話し合わなければいけないなと思います。
・FW出口(社4=駒大苫小牧)
昨日の負けから今日は切り替えて、僕たちのホッケーである「スケート」と「1対1のバトル」というのが課題で臨んだが、それが全然できていなかった。それを早大に逆にやられてしまって負けたという感じ。(東洋に足りない部分は)パックが流れたあとのルーズパックだったり、ルーズパックをとってからのもう一人のロールだったり、1対1のバトルだったりそういうところが課題だと思う。(1次リーグを振り返って)良かった試合もあったが、悪かった試合は僕たちのホッケーができていなかった。次の試合まで2週間空くのでそこをしっかり練習で修正していければ、2次リーグで負けることは無いと思っている。(2次リーグに向けて)まず初戦の法政戦が大事なので、あとの試合はいったん忘れて、まず法大だけにという気持ちで臨んでいきたいと思う。
TEXT=金澤瑞季 PHOTO=外狩春佳、川口朋珠、越塚日南、伊藤なぎさ