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東洋大陸上競技部は各部門で新体制となり、それぞれが掲げる目標に向かって動き出している。そこで今回は、新主将を中心にインタビューを行い、この1年のビジョンと意気込みを聞いた。その模様を3日連続でお届けする。
第2日目は女子長距離部門。白川(食4=常総学院)は1年生の頃から期待のルーキーとして注目を集め、近年はチームのエースとして成長を遂げた。最上級生となりチームを引っ張る白川に、その心境を語ってもらった。(取材日・3月20日、聞き手=小島敦希)
※白川選手は幹部になっていませんが、誤って副主将であると紹介してしまいました。大変失礼致しました。申し訳ございません。
ーー昨シーズンを振り返って
初戦の兵庫リレーカーニバルでは、自分の中ではすごく上出来でした。関東インカレに向けていいスタートが切れたと思いましたが、関東インカレから始まって狙っていた試合でうまく結果が出せなくてトラックシーズンは悔しいものとなりました。駅伝シーズンでは長い距離を任せてもらえるようになって、全日本は夏合宿の成果を発揮しようと思い、自分の走りをすることができました。富士山駅伝では、練習であまり調子が上がっていなくて自信のない状態のままレースに入ってしまったので、気持ちが付いてこなかった分悔しい結果となってしまいました。1年間を通して振り返ってみると、悔しくて苦しんだ1年だったと思います。
ーー短い区間から長い区間にシフトしたきっかけは
松江のハーフマラソンでユニバーシアードを目指していたので、監督に長い距離をやらせてほしいと自分から言ってチャレンジさせてもらいました。直前の合宿でけがをしてしまい、ハーフマラソンは欠場してしまいました。
ーー東洋大に入って3年経ちますが、自分が1番成長したと思う点はどこですか?
東洋大は監督は指示をある程度してくれますが、自分で考えることが多いので自分自身を見極める力は付いたと思います。
ーー最高学年になりましたが
自分が1年生のとき当時の4年生に憧れて過ごしてきたというのがあって、今年入ってきた1年生や下級生の手本となるようにしっかり走りでみんなのことを引っ張っていけたらと思います。
ーー今年のチームスローガンを教えてください
全日本大学女子駅伝5位。自分が1年生のときに8位になってすごくうれしかったんですが2年、3年では9位となり悔しかったです。やはりシード権目標ではいけないし、5位というのは叶わない目標であると自分たちでは思っているのでしっかりその目標に向かって全員が気持ちを1つにしていければと思います。
ーー以前に筋力アップに取り組んでいると仰っていましたが
今も続けています。けがをしてさらに筋力アップのためにトレーニングは今まで以上にしています。今は自分でやっていますが、4月からはトレーナーさんのところに通って本格的に見てもらうようにするんです。ラスト1年、悔いなく終われるようにしたいです。
ーー白川選手のストロングポイントは
負けず嫌いなので、自分でこれと決めたことは曲げないようにしています。誰かに言われてもアドバイスとして聞くことはありますが、周りに流されないというのは自分の中で意識しています。
ーー今シーズンの目標は
4年生ですので、全てのレースがラストレースになってきます。関東インカレでも自分の過去最高順位は4位ですが、しっかり最後は表彰台に上りたいです。自分が1年生のときに4年生だった佐藤早也伽先輩(H28年度食卒=清水化学)が表彰台に立っているので、自分も4年生で早也伽先輩と同じ景色が見れるように頑張りたいです。駅伝でも、チームの5位という目標のためには一人一人が区間賞とか5位以上の順位で持ってこないと、5位という順位は取れないと思うので、一人一人選手になれなかった人もしっかり自分の目標を達成できるようにして、どの区間になっても区間賞をとるつもりで臨みたいと思います。
ーー今シーズンの意気込みをお願いします
4年生になって、自分はこの先も競技を続けますが全部の試合が最後になってくるので一つ一つの試合にベストを尽くして悔いのないようなレースをしたいと思います。
ーー白川選手、ありがとうございました!
続いて、今季主将に就任した原子(食4=錦城学園)にも今の思いを伺った。原子は自ら立候補して主将に就くという積極性を見せている。(取材日・3月20日、聞き手=両角あずさ)
ーー昨シーズンを振り返って
自分的には昨シーズンは思うような結果が残すことができなかったのですが、それを糧に最後のシーズンに向けてやっていければいいかなって思っています。
ーー昨シーズンでの収穫や課題を教えてください
前半が課題になっていて、レースの流れに乗ることができていなかった部分が多かったので、そのところを修正して動きやドリルを入れて春先は前半が動くようになってきたので、そのあたりをこれからも継続していければいいかなって思っています。
ーー新4年生で話し合っていることはありますか
昨年までと変えられるところはあると思うっていう話になっていて、昨年までもいいところは結構あったのでそこはしっかり継続できるようにっていうのと変えられるところ、例えば目標設定であったりチームの雰囲気であったりっていうのを変えていければいいかなっていう話はしました。
ーー原子選手から見てチームの現状はいかがですか
新1年生も加わって人数も増えたので、身体の状態とか体調とかっていうのがバラバラな部分もあるんですけど、そのあたりはまとまるように目標を定めているので、その目標に向かって全員が1つになれるようにしていきたいなって思っています。
ーー各学年の印象を教えてください
新2年生は人数が少ない分色々見えていると思うんですけど、元気っていうんですか(笑)。結構練習とかでも積極的な部分が出てきてると思うので、その辺は新2年生が昨シーズンも駅伝とかで勢いを付けてくれていたので、その部分ではチームの流れはよくなっているのかなって思います。新3年生は人数も増えてきていて今7人いるんですけど、その中でも競歩をやっていたりとか駅伝に出ていたりっていうメンバーもいる中で、人数も多いけどその中でも最近はコミュニケーションをとってくれているので、そのあたりで3年生がまとまってきている部分は大きいのかなって思います。
ーー新入生の印象は
まだ入って1週間くらいしか経っていないのでわからないんですけど、でも今年はチームに馴染んでくれるのが早くて結構みんなと話せていると思うし、自分以外のメンバーとも食事とかで全員話せていると思うので雰囲気としてはすごくいいし、人見知りもあんまりなく早い段階でチーム全体としていい雰囲気になっているのかなって思います。
ーー主将になった経緯は
昨年の全日本が終わった時にまだ富士山はあるっていう形だったんですけど、大きい目標として全日本っていうのを掲げていたので、その面で次に移行するってなったときに富士山になってからだと遅いのかなっていう部分があって、全日本が終わった悔しさっていうのとそこで早めに動くというか。自分の思ったときに言ってみるタイミングなのかなって思って、何人かに相談したりして最終的に監督とコーチに主将をやりたいっていう気持ちを伝えて、主将をやることになりました。
ーー主将になった心境はいかがですか
自分としては走りでまだ引っ張っていけてないっていう部分があるので、そこはこの1年間で走りで引っ張っていけるような選手になりたいって思うし、みんな話を聞いてくれるのでそういうところで頼られる存在になりたいって思っているので、自分の軸もぶらさずにチームのこともしっかり見ながら、チームを1つにできるようにしたいって思ってます。
ーー主将としてどのようなチームにしたいですか
全日本5位っていう目標があるので、そこに全員で本気で向かって今は駅伝メンバーとメンバーに入れなかった選手で差ができてしまっているのがここ何年か続いているので、その差を詰めて駅伝でメンバー争いが熾烈(しれつ)になったり、どの選手を使ってもいいようなチームにしていきたなって思います。
ーー注目している選手は
4年生がしっかり引っ張っていければ、その年のチームは結構いい流れができると思うので、4年生一人一人が競技面でも生活面でもしっかりみんなのお手本になれるように、この先輩たちなら付いていきたいなって思われるような選手になれるようにしたいし、自分達の学年でそういう雰囲気をつくれれば目標に近づくと思うので、4年生に注目してほしいなって思います(笑)。
ーーチームの目標と個人の目標をそれぞれ教えてください
チームの目標は全日本5位で、個人の目標は5000mで16分30秒、駅伝で走るっていうのが目標です。
ーー原子選手、ありがとうございました!
最後に3年生で副主将を務めることになった佐々木(食3=幕張総合)に、意気込みを語ってもらった。途中編入で東洋大に来た選手ではあるものの、チームを支える気持ちを人一倍大きい。(取材日・3月20日、聞き手=稲村真織)
ーー昨シーズンを振り返って
最初は練習とかも結構付いていくのが精一杯というか、とりあえず練習にきちんと付いていけるようになろうという気持ちが大きかったんですが、だんだん記録会とかに出ていくうちに少しずつタイムが上がってきて、付いていこうという気持ちから私も勝負していきたいなという気持ちになったし、全体を振り返ってみてタイム的にはちょっとずつは伸びていったので、今年はもう少しタイムとかを伸ばせたらなと思います。
ーー昨シーズン中の収穫や課題は
ずっとトラックで出させていただいたのは3000mで最後の1回だけ5000mで出させていただいたときに、3000mでは力がまだ及ばないなと思っていましたが5000mを記録会で走ったときに、3000mよりも自分は勝負できるかなということに気づいて距離が長くなれば自分も可能性はあるかもしれないと思ったので、これから3000mとかでスピードを付けていくことも必要だと思いますが、付けながらも長い距離で今後勝負できたらなと思います。課題としてはスピードがあまり得意ではないので、そういう部分はまだまだ課題だなと思います。常に調子の波とかをつくらないで常に本番で力を出していくという強さが、私にはまだ足りないかなと思いました。
ーー昨年は全日本駅伝、富士山駅伝共にあと1歩でしたが今年の目標を教えてください
全日本は5位ですね。昨年は9位で過去最高順位が8位なので8位よりは上を目指そうということで、去年のいろいろなタイムとか他のチームの状況を見て5位が妥当なんじゃないかと。
ーー副主将に就任して心境はいかがですか
最初はびっくりしたというか私自身ここに入ってきたのが1年前で途中から入ってきたので、1年経ってまさか自分が副キャプテンになるとは正直思っていなくて、でも指名していただいたことはすごいうれしかったしさらに自分がチームを見る存在だと自分でも自覚することで、また競技者としても副キャプテンとしてもしっかり頑張っていきたいなと思いました。
ーー原子主将の印象を教えてください
先輩はまず自分からキャプテンを立候補したというところに相当な覚悟を持って立候補したんだなという気持ちがすごいなと思ったし、(原子)真由美先輩になってからチームの雰囲気が見てわかるくらいいい方向に変わって、目標の紙とかも今年からやり始めたり食事の時間とかもチームの雰囲気とかもすごく良くなったので、先輩がキャプテンできっと駅伝もいい方向に向かうんじゃないかなとすごく思いました。
ーー今季の意気込みは
まず春のシーズンのトラックで5000mをとりあえず16分台を出して、夏合宿に入ってけがをしないでしっかり走って駅伝シーズンでしっかりメンバーに入って勝負していけるようになりたいです。
ーー佐々木選手、ありがとうございました!
こちらは女子長距離部門の寮の食堂に貼られている、チームの目標とそれぞれの目標を書き出したものだ。全日本駅伝で目の前でシードを逃した逃した悔しさを胸に、鉄紺女子は走り出している。
明日は男子長距離部門のインタビューを公開します、お楽しみに!
◆春の3部門連続インタビュー・一覧
第1日目:短距離部門
第2日目:女子長距離部門
第3日目:男子長距離部門