記事
昇格後ワーストの5位に終わった秋季リーグ戦。偉大な先輩から受け継いだ王者のバトンをつなぐべく挑む来年度、チームをけん引する4人の幹部陣を紹介する。
第3週は強豪・智弁学園から鳴り物入りで入学した村上頌樹(総3=智弁学園)。高校時代には1年夏から甲子園で登板、同年秋からエースになると2年秋には県大会優勝。3年春のセンバツでは47イニング669球を一人で投げ抜き、わずか3失点で同校を初の優勝に導いた。大舞台を経験した右腕が副将として、チームの投手リーダーとしてラストイヤーに臨む。
センバツ優勝投手が輝きを放つまで時間はかからなかった。1年春の専大戦で被安打5の先発初勝利を挙げると先発、リリーフを含む5試合に登板し、新人賞を受賞。華々しい大学野球デビューを飾った。順風満帆に見られた大学野球人生だったが谷間の時期が訪れる。2年生になると上茶谷大河(H30年度法卒=横浜DeNA)、甲斐野央(H30年度営卒=福岡ソフトバンク)、梅津晃大(H30年度営卒=中日ドラゴンズ)ら豪華投手陣の台頭で登板機会が激減。3投手の卒業後はエースとなり、春は9試合に登板。4試合を完投して6勝無敗と圧倒的な実力を見せつけた。また、亜大戦では完全試合まであと1死の投球を見せるなど、防御率0.77の活躍で完全優勝に貢献し、最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの三冠に輝き、他大学の大きな壁となり立ちはだかった。
春同様の活躍が期待された秋は登板数が多いなか、必死にマウンドに立ち続けるも打線の援護に恵まれず。8登板で3勝2敗、防御率1.26とシーズン前に目標とした「年間10勝」にわずかに及ばずも粘り強さを見せた。最優秀防御率のタイトルも目指していたが最終カードの中大戦で打線が後藤(中大)を捉えられず。0.01と僅かな差であと一歩届かなかった。
新チームでは副将に抜擢(ばってき)された。「あいつやりたいんすよ。自分から言うのが恥ずかしいのは知ってたから『やれ!』って」。そう話したのは出会って7年目となる納。お互いをよく知る仲間が後押ししてくれた。自分が投手陣の先頭に立ってチームを引っ張っていかなければいけないと自覚している。「自分は言うタイプじゃないのでプレーで見せられたらいいかな」と、今まで通り結果で示し、ピッチングでチームを鼓舞することを誓った。
実力は誰もが認めるところ。チームメイトは「点を取って村上を楽にしてあげたい」と口をそろえる。エースも「次の春は春4連覇がかかっているし、それを達成するのと、大学に入って日本一になれていないのでそこは目指していきたい」と大学ではまだ達成できていない日本一を目標に挙げ、さらなる栄冠を目指す。実績はすでに十分。大学野球最後の1年は副将としてリーダーシップが試される。
~掲載予定~
第2週:チーム随一のユーティリティー チーム作りに生かす 諏訪賢吉副将
12月24日:山本拳輝副将
12月26日~12月31日(6日間連続掲載):”神宮に立つのは俺たちだ” スポトウ的来年度の注目選手紹介
◇秋季リーグ戦終了連続インタビュー◇
[硬式野球]~課題を見つけた実りの秋。再挑戦へ~15日間連続インタビュー
リンク先に掲載全選手分のURLが添付されています。ぜひ、併せてご覧ください
TEXT=小林夏実、PHOTO=谷口遥菜