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昇格後ワーストの5位に終わった秋季リーグ戦。偉大な先輩から受け継いだ王者のバトンをつなぐべく挑む来年度、チームをけん引する4人の幹部陣を紹介する。
第2週は諏訪賢吉副将(総3=浦和学院)だ。ありとあらゆるポジションを守り抜くいわゆるユーティリティプレイヤー。の多くはチーム事情から首脳陣の打診を受けた選手であることは少なくない。だが、今季東洋大の軸になる器が自らその道を選び活路を見出した。
山田(総4=桐生第一)が好調をキープしていた今春はファーストとして出場。夏のオープン戦では、セカンド・ファースト・外野とポジションが増えていった。「たくさんのポジションをやれる人って出場機会に恵まれるだけじゃないんですよ」と話したのはナイターが終わった5月の夜のことだった。国学大戦には途中出場で外野に入る。「こういう風に生きていきたい」とにこやかに語った男の生きざまそのもののユーティリティ起用に、本職の内野ではない守備でも関係ない安定感を発揮した。そんな諏訪だが最初から複数ポジションを守ることに抵抗がなかったわけではなく、柔軟な対応がとれるようになったのには訳があった。
『Have fun!』帽子のつばに書いたこの言葉は川崎選手(味全ドラゴンズ)の言葉。その一言と出会い、「絶対いろんなポジションを守れる人のほうが楽しいですよ。それぞれの野球が全部味わえるんだから」とにこやかに語った。また、故・木村拓哉選手(巨人)の著書を読んだ際にも複数ポジションを守れることの魅力を感じたのだという。
「高校時代の失敗もある」。名門・浦和学院高校でも主将を務め、その失敗も少なくなかったという。「良い意味で肩の力を抜いてやりたい」。そうこれからの1年のことを話す男の目には明るい光がさしていた。随所にユーティリティな一面を見せるチームの便利屋が支える来季はどんな姿を描くのか。ぜひその目で見届けていただきたい。
~掲載予定~
12月17日:村上頌樹副将
12月24日:山本拳輝副将
12月26日~12月31日(6日間連続掲載):”神宮に立つのは俺たちだ” スポトウ的来年度の注目選手紹介
◇秋季リーグ戦終了連続インタビュー◇
[硬式野球]~課題を見つけた実りの秋。再挑戦へ~15日間連続インタビュー
リンク先に掲載全選手分のURLが添付されています。ぜひ、併せてご覧ください
TEXT=須之内海 PHOTO=谷口遥菜