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昨年末に北海道帯広市で開催された第94回日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)。2大会連続の優勝を決め、2021年3冠(秩父宮杯、リーグ戦、インカレでの優勝)に輝いたアイスホッケー部について、『スポーツ東洋』94号(2022年1月20日発行)の終面では、大きくお伝えした。ここでは、紙面にごく一部しか掲載できなかった選手のコメントを、完全版として2日間でお届けする。
優勝決定後、喜びを分かち合う選手たち
(写真提供:東洋大学体育会アイスホッケー部)
第2日目は、ラストイヤーとして有終の美を飾ったFW小堀雄太郎(社4=白樺学園)、FW久米聖斗(社4=駒大苫小牧)、DF福田充男(社4=日光明峰)、DF吉川城(社4=武相)の4年生4選手。ここまで「常勝東洋」の復活を導いてきた選手が、3冠の喜びと重みをかみしめると同時に、さまざまな思いを後輩へ託した。
◆FW 小堀 雄太郎(社4=白樺学園)主将
――決勝戦の4年生による先制点(G:久米、A:福田、小堀)はいかがでしたか
やっている時は本当に全力過ぎて何が何だか分かりませんでしたが、久米のナイスシュートだと思います。毎年そうだと思いますが、4年生の結束力というのは、今大会だけでは無く全大会で発揮できていたと思います。久米、福田には特に助かりました。本当によくサポートしてくれて、良い相談相手にもなってくれました。試合前やインターバルの時に最後3人で拳を交わして行くのが個人的に好きで、それがもう出来ないとなるととても寂しいです。
――2年前[2019年]のインカレ優勝との違いはありますか
2年前とは緊張感もそうですし、チームの置かれてる状況も全てが違いました。「3冠がかかっている」、「今までチームは無敗」という中で、U20組やけが人がおり、今大会は全て2年前と違う中での3冠へのプレッシャーなどで押しつぶされそうでした。その中で優勝できたのはすごく東洋大にとってこれからの財産になり、今後、チームの自信にもつながると思います。
――昨年[2020年]の中止をどう受け止めていましたか
コロナの影響で中止になったのはとても残念でした。去年の4年生にはお世話になった分、プレーなどで恩を返したい気持ちもあったので、不完全燃焼でした。
――3冠を達成したことについていかがですか
ものすごく嬉しいです。アイスホッケー部創立60周年であり、その代のキャプテンでもある中で、3冠を達成できたことは本当に自分の中でも大きな財産になると思いました。
――ベストFWを受賞したお気持ちをお聞かせください
僕より活躍していた選手はたくさんいましたし、勝利に貢献した選手はたくさんいました。今回ベストFWを頂きましたが、本当はみんなにあげたいと思うくらい感謝しています。
――主将としての1年を振り返っていかがでしたか
本当に大変な1年間でした。今思い返せば上手くいくこと、上手く行かないことがたくさんありましたが、副主将が支えてくれたおかげでこの一年やりきることができたと思います。本当についてきてくれた副主将やチームメイトには感謝しかないです。本当にありがとう。
――後輩への思いを教えてください
改めて本当にありがとう。本当にいい後輩に恵まれたおかけで、3冠達成し、無敗でシーズンを終わることが出来たのは本当に感謝しかないです。これからは王者東洋を築いて行けるように頑張ってほしいです。陰ながら応援してます。
――今後についてお話をお聞かせください
今後はアイスホッケーができるかどうか分かりませんが、とにかくまずは社会に出て、しっかり一人前の社会人になることです。あとは後輩達の応援に行くことです!
◆FW 久米 誠斗(社4=駒大苫小牧)副将
――決勝戦の4年生による先制点(G:久米、A:福田、小堀)はいかがでしたか
先制点は気持ちの表れと、やっぱ持ってるんで自分(笑)。
――2年前[2019年]のインカレ優勝との違いはありますか
東洋ホッケーの確立と常勝の気持ちです。
――昨年[2020年]の中止をどう受け止めていましたか
昨年は秋リーグ(戦)の一大会だけでしたが、インカレがあれば間違いなく東洋が日本一でした。
――3冠を達成したことについていかがですか
東洋の時代が始まる一歩だと思ってます。これから、後輩が引き継いでくれます。
――ベストFWを受賞したお気持ちをお聞かせください
最後に光栄でした。
――副主将としての1年を振り返っていかがでしたか
これと言って、仕事は何もしてないです。チーム一人一人が自立してました。
――後輩への思いを教えてください
可愛い後輩ばっかりで、まだもう少し一緒にいたかったです。
――今後についてお話をお聞かせください
今後は、少しでもいい大人になれるよう社会で揉まれたいと思います。
◆DF 福田 充男(社4=日光明峰)副将
――決勝戦の4年生による先制点(G:久米、A:福田、小堀)はいかがでしたか
最後の試合で、4年生で先制点を決められてとても嬉しかったです。
――2年前[2019年]のインカレ優勝との違いはありますか
最高学年で優勝した時の方が、喜びが大きかったです。
――昨年[2020年]の中止をどう受け止め、大会に臨みましたか
インカレが出来なかった去年[2020年度]の4年生の分も頑張りました。
――3冠を達成したことについていかがですか
全勝無敗で来れたことが今までなかったので、嬉しかったです。
――副主将としての1年を振り返っていかがでしたか
特に何もしてないですが、東洋大の副主将になれていい経験が出来ました。
――後輩への思いを教えてください
来年[2022年]も3冠目指してがんばれ!!
――今後についてお話をお聞かせください
卒業後は、栃木県日光市にあるH.C.栃木日光アイスバックスというプロアイスホッケーチームに入団します。
◆DF 吉川 城(社4=武相)選手
――昨年[2020年]の中止をどう受け止めていましたか
昨年、インカレが中止になった時は、インカレ優勝という明確な目標がなくなってしまいましたが、今年[2021年]は必ず開催されると信じて1年間全員でメンタルと体の準備をしてきました。その結果、最高の形で終えることができたのではないかと思います。
――3冠を達成したことについていかがですか
1つの試合に勝利するのも簡単ではないし、1つの大会に優勝するのも簡単なことではありません。その中で、秩父宮(杯)、リーグ戦、インカレと3つの大会を無敗で優勝できたことは、このチームの誰一人でも欠けたら成し遂げられなかったことだと感じています。
――後輩への思いを教えてください
今年[2021年度]のチームは、いい意味で縦の関係があまりなく、キャプテン小堀を筆頭に3、4年生が、1、2年生の下級生がプレーしやすいような環境を普段の生活から作り上げていたと思います。なので、来年[2022年]もキャプテンを中心にチームの雰囲気を良くして、2年連続3冠とインカレ3連覇を目指して頑張って欲しいと思います。
――今後についてお話をお聞かせください
3歳から続けてきた学生アイスホッケー生活は終わりです。普通の一般企業に就職して、趣味で少しやるくらいです。ただ、この競技生活で培ってきたことは、必ず今後の社会人生活でも役に立つと信じています。お世話になった全ての方に感謝しています。
※ 新型コロナウイルス感染症への対策により、選手の方々に質問を送らせていただき、コメントを寄せてもらいました。
※ インカレは2021年末に開催されたため、質問とコメントでの「昨年」は2020年(度)、「今年」は2021年(度)、「来年」は2022年(度)となっております。
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◇『スポーツ東洋』第94号について◇