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東都大学野球春季1部2部入替戦・中大2回戦
6月21日(火) 神宮球場
●東洋大7-13中大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
東洋大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 | 7 |
中大 | 3 | 0 | 5 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | × | 13 |
二塁打:小口(一回)、宮下(六回)、橋本吏(六回)、松本渉(八回)、石上泰(八回)
●松澤、渡邊、柿本、石上祐、一條、河北ー後藤聖、廣岡
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (指) | 松本渉(営4=龍谷大平安) | 5 | 3 | 1 |
2 | (右) | 水谷(営3=龍谷大平安) | 5 | 2 | 0 |
3 | (遊) | 石上泰(営3=徳島商業) | 5 | 1 | 2 |
4 | (一) | 小口(法4=智弁学園) | 5 | 3 | 2 |
5 | (左) | 矢吹(総4=聖光学院) | 3 | 1 | 0 |
左 | 大髙(営3=常総学院) | 1 | 0 | 0 | |
6 | (二) | 宮下(総1=北海) | 5 | 3 | 0 |
7 | (三) | 加藤響(総2=東海大相模) | 4 | 1 | 0 |
8 | (捕) | 後藤聖(法3=京都学園) | 1 | 0 | 0 |
捕 | 廣岡(総4=拓大紅陵) | 2 | 0 | 1 | |
打 | 馬込(法2=桐光学園) | 1 | 0 | 0 | |
9 | (中) | 橋本吏(総3=花咲徳栄) | 2 | 1 | 1 |
打中 | 秋元(済1=木更津総合) | 1 | 0 | 0 | |
計 | 40 | 15 | 7 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
松澤(営4=帝京0 | 2 1/3 | 47 | 5 | 2 | 0 | 6 | 6 |
渡邊(総4=報徳学園) | 14 | 2 | 1 | 0 | 2 | 2 | |
柿本(営2=東洋大姫路) | 1 2/3 | 38 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 |
石上祐(法3=東洋大牛久) | 2 | 35 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 |
一條(総2=常総学院) | 1 2/3 | 48 | 4 | 4 | 0 | 2 | 2 |
河北(営4=浦和学院) | 1/3 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
先発の松澤は初回から本塁打を浴びた
小口主将も執念の2点をもぎ取った
2失点の一條
今まで相手の攻撃を阻んでいた投手陣。1部昇格が決まるかもしれないこの日、ついに大崩壊を起こした。味方の必死の反撃も13失点の重みが響き、3戦目にもつれこむことに。そして明日、いよいよ運命の結末を迎える。
初回から小口(法4=智弁学園)の適時二塁打で先制に成功。しかしその後、矢吹(総4=聖光学院)の右安打の間に小口が本塁へ突入を試みるも憤死とされ、出鼻をくじかれる。
投げては先発の松澤は1死から二塁打を浴びると、続いてライトへ放たれた打球を水谷(営3=龍谷大平安)が捕球に失敗。同点とされると、続く中大の主将・北村から本塁打を浴び、初回3失点。スタンドを見つめ、顔を曇らせた。そして三回、この右腕が大荒れ。1点を追加され、マウンドを降りることとなった。
中大応援団の声援が神宮を支配し、東洋大の投手陣はこの苦境から一向に抜け出すことができない。続いてマウンドに上がった渡邊(総4=報徳学園)は「マウンドの感覚が合わなかった」と悪い流れを断ち切れず1点を与え、1アウトも奪えないまま柿本(営2=東洋大姫路)にバトンタッチ。柿本はこの回は抑えたものの、その後ストライクが入らず、2点を献上した。六回には石上祐(法3=東洋大牛久)が1失点。6回時点で四死球を7つ与え、四死球問題を再燃させた。
野手陣は9点差に広げられても、決して諦めることはなかった。六回、矢吹と宮下(総1=北海)が出塁。そして後藤聖のゴロ間でようやく追加点とすると、橋本吏(総3=花咲徳栄)の適時二塁打で3点目とする。さらに勢いづけたい打線だったが、松本渉が見逃し三振を喫(きっ)し、打席上でうなだれた。
八回には加藤響(総2=東海大相模)が左前打で出塁すると、2死から松本渉の適時二塁打をきっかけに、東洋大ナインのバットが火を噴き始める。石上泰(営3=徳島商業)と小口の2連打でさらに3点を返すも、そこまでだった。続く大髙(営3=常総学院)の打球がレフトを襲ったが、スタンドまでには届かず。それでも4点差に迫り、九回での逆転への弾みをつけた。
いちるの望みも一瞬で消えた。一條(総2=常総学院)が3安打を浴び、2点を与える。細野(総3=東亜学園)が「大丈夫だよ」とベンチから声を掛けるも、コントロールが全く効かず、同じ相手に2度目の死球を与え降板。落ち込む一條に細野が駆け寄り、優しく労わった。この日、東洋大自慢のピッチャー陣は16安打、11四死球を与え、徐々に剥き出していた投手陣の綻びがこの日、露呈することとなった。
昨春「あと1勝」が遠く、2部に転げ落ちた。この春で1部に戻るため、チームは小口主将を中心に、一致団結し、神宮の舞台へ舞い戻ってきた。それでも最後は、また「あと1勝」に泣かされる運命となってしまうのか。同じ思いはもうしたくない。「今日のことは割り切って、切り替えます」(小口主将)。笑っても泣いても次が最後。「あと1勝」の戦いを制し、今季最後に笑顔を見せるのは絶対に東洋大だ。
■コメント
・杉本監督
(松澤投手の投球に関して) ブルペンでは調子は悪くなかったのですが、マウンドに上がったところで守りに入ったというか、ライトのミスで1点取られた後の入り方ですかね。打った方がすごい。完璧に捉えられた。その後も、投げるピッチャー投げるピッチャーが11四死球っていう。本当に何回もぶつけてしまって申し訳ない。あれはわざとぶつけてるわけではなくて、技術がない、逆にそのような投手に投げさせてしまったのがだめだった。せっかくの入替戦がしらけてしまって申し訳ない。(細野選手以外は入替戦での成績があまり良くないが、2部ではどうだったか)それは正直分からない。(投手陣に)どこか調子が悪いのか、と聞くとそういうわけではないと言うので、本人たちのメンタル、技術の問題だとは思う。だけどメンタルのせいにするとそれだけで終わってしまうので、メンタルとは言いたくない。やっぱり技術の問題だと思う。(中央大の選手の丸刈りについては)それは全然関係ない(笑)。ここまで1年間の悔しさが坊主にして済むんだったら坊主にしてくれ。ただ、そこの気持ちっていうところで何か行動しようとする姿勢は素晴らしいと思う。
・小口主将(法4=智弁学園)
(キャプテンの今日のバッティングは素晴らしかったと思うが、チーム全体の戦い方としてはどう思うか)試合前から先制しようと言っていたので先制できたところは良かったと思うのですが、松澤が投げている時に1つのミスで3失点ていうのが出てしまって、後の投手陣も投げづらかったかなと思います。(キャプテンは昨年から失策続きで入替戦でも失策があってどうやってここまで来たのか)去年入替戦で試合に出させてもらって、散々な結果だったのでそれを1年間思い出しながらずっと練習をして、なんとかここまで来れたかなと思います。(個人的な思いとは別にチームとして、入替戦に向けてどのように過ごしてきたか)1部に昇格できる権利は自分達にしかないので、普段から厳しく練習してきたつもりでいます。この場だけは楽しんでやりたいなと思っています。(東洋は春からピッチャー陣がすごいと言われていますが)そういう話になったことはないですけど、ピッチャー陣がすごいとは自分もみんなも確かに思っているのですが、バッターだってすごいぞということを周りの人に分かってほしい気持ちもありました。そのおかげでみんなで振り込みもしてきたので、その結果が今出せているとおもいます。(あと1勝に向けて)今日のことは割り切って、切り替えてあと1勝やるしかないので。また明日朝から声を出して、全員で勝てるようにやっていきたいです。
TEXT=宮谷美涼 PHOTO=宮谷美涼・ペリッジ琴マーガレット