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2023.02.17
準硬式野球

[準硬式野球] 「いちばん青春していた」佐久間柚マネージャーが見たグラウンドの景色

『スポーツ東洋』第97号(2022年12月20日発行)「主務&マネージャー特集」でご紹介した、準硬式野球部のマネージャー・佐久間柚さん。マネージャーもグラウンドの出て活動する準硬式野球の魅力に惹かれ、その道を選んだ。学生主体の競技だからこそ、やりがいに、楽しさにあふれていた3年間。「いちばん青春していた」。この言葉に彼女の思いが詰まっている。


マネージャーを務めた佐久間柚さん

(写真提供:東洋大学準硬式野球部)


ーーマネージャーを始めたきっかけは何ですか

大学で始めたわけではなく、高校生のときに硬式野球部のマネージャーをやったのが始まりで。きっかけといったところでは、野球にこだわりを持っていたわけではなく、自分自身、運動に関われる機会をほしいなと思って。高校の野球部にたまたま入ったという感じだったので。ただただ自分は運動せず、スポーツには関わりたいなと思ったのがきっかけでした。


ーー大学でも続けた理由は何ですか

やっぱり高校の同期のマネージャーは3年の夏の大会で燃え尽きて、もうマネージャーはいいかなっていうのが大半なんですよ。他の部活の話とかを聞いても、大学ではやらないかなっていうのが結構ベースのところで。でも、私は受験すると同時に続けたいという気持ちが大きくなったので。高校のときに入っていたチームってすごい弱小だったんですよ。本当に弱くて。なんなら人数も少なくて、3年の春の大会は出られなかったんですよ。公式戦も1勝もできなくて。もちろん勝ち負けがすべてではなく、やってきた過程で楽しいこともあったし、チームとして一つ作り上げていく意味では、高校の野球はまとまりがあったんですけど。スポーツをやっている以上は勝ちたいという気持ちがどこかにずっとあって。毎回の公式戦でも「勝ちたい」とずっと思っていたので。それで言うと、勝つまでは辞められないっていうところで、勝てるチームに入りたいと、高校の野球部の監督さんの紹介もあって、縁があって準硬に入ることができました。


ーーもともと「準硬式野球」をご存じでしたか

知らなくて、なんなら硬式野球も考えていたんですよ。でも、硬式のマネージャーのお仕事って裏方がメインだと。私は高校のとき選手にティーも上げていたので、グラウンドに出て活動したくて。それで準硬の話を聞いて、グラウンドに出てやっているって聞けたので。なら、自分がやりたいサポートができるのかなと思って決めました。あと、高校の先輩が準硬にいたことも大きかったかなと思います。3つ上なので、代はかぶっていないのですが。


試合ではマネージャーもベンチに入る


ーーちょうど入学時にコロナの影響を受け始めましたが

私自身、ここまで長引くって全く想像できてなかったので。(2020年)3月の時点ではそんなに活動できていないという話は聞いていて、結局、8月まで活動できなかったのですが。もう期待して待つしかなかったんで。そこで辞めるという考えにはならなかったですね。


ーーマネージャーをやる上での目標はありましたか

マネージャーを続けたいと思った理由が、とにかく勝ちたいだけだったので。勝てるチームになる。勝てるチームになるために貢献するぐらい。高校までは勝ち負け関係ないという気持ちでやってきましたが、大学では勝ち負けだぞっていう感じでした。


ーーどのような仕事をしていますか

練習のときはジャグを作ったり、選手のためのお茶を作ったり。ボール渡し、ボール出し、タイム計測など、練習の補助がメインになってくるんですけど。なので、練習中は何も無いときは何も無いし、忙しいときは忙しい。そこに関しては、高校のときと変わらない活動ができて、とてもうれしかったですね。試合のときは、準備とか片付けがメインなんですけど、あとスコアづけとか。2部にいたときは(場内)アナウンスとかもありましたし、ピッチャーやキャッチャーのアイシングとかも活動内容ですね。あとは、ホームページの管理とかSNSの運営とか、あとは業者さんとのやりとりとか。そういう部分では高校のときとは違う活動もできたので、一歩成長したなと感じていました。


試合中もグラウンドに出て選手のサポート


ーー取り組みで意識していたことは何ですか

選手がいてこそマネージャーがいられるというのは、絶対に忘れちゃいけないなと思っていたところで。いまどき大学の部活において、SNS、インスタグラムとかの活用が一般的になってきて。そのときにやっぱりマネージャーが表に出てきてしまうことが多くて。「マネージャーの仕事内容を3日間にわたってお届けします」とか、「今日の練習中、マネージャーこんなことしました」とか。マネージャーに焦点が当たることがすごく多くなっていて。うれしいことではあるんですけど、心のどこかで何か違うよなって気持ちもあって。選手がいて、マネージャーがいられる。マネージャーは選手が活動してくれなかったら活動にならないので。だから、そういう気持ちは絶対に忘れてはいけないなと思って、ずっと意識していました。


ーー大変だったことや苦労したことを教えてください

たぶん活動しているときって、これが大変とか、こんなことに不満を持っているとか、いっぱいあったと思うんですよ。でも、引退して考えてみると、その大変だった仕事でも必ず選手が支えてくれていたので。例えば、本当に小さな話ですが、スパイクとかユニフォームを業者さんに搬入していただくときってすごく重いんですよ。段ボールがすごい大きくて。それを学校の門からグラウンドまで運ばないといけないっていったときに、やっぱり選手は練習中なので、マネージャーでやらないとっていう気持ちがあって。なので、一人のときは一人で運ぶしかないって感じだったんですけど、選手ってけっこう視野広いので、そういうのを見ててくれるんですね。練習中でも遠くから、「これ終わったら、運ぶの手伝うからそこで待ってなよ」とか声をかけてくれて。支えてくれる、手伝ってくれるっていうのを、一個の出来事とかではなくて、基本的にいつも助けてくれていたので。私がサポートする側なのに、そのサポートをサポートしてくれているみたいな。それで言うと、大変なことをサポートしてくれていたなって。大変なことが大変なことじゃなくなった。大変なことを大変じゃないようにしてくれた。だから、大変なことは無かったです。


ーー逆に、楽しかった瞬間や思い出は何でしょう

私たちの代は合宿とかもできなくて。それで言うと、日々の練習がいちばん大きな思い出にはなっていますね。すごく明るいんですよね。練習中も試合の明るさで来てくれて。どんなに朝が早くても、どんなに寒くても、どんなに暑くても、あの明るさのままなので。それを見ていて、すごく楽しいし、元気もらっていたし、振り返ってみて、日々の練習がいちばんの思い出です。


ーーマネージャーのやりがいはどこにありますか

練習とか試合とか、準硬は学生主体なので。学生主体でやっている以上は、何かアクシデントがつきものなんですね。試合のときに試合球を持ってくる大学が決まってなくて、試合球が見つからないとか。そういうのって、せっかく選手が気持ちを高めて試合をやっていくぞって雰囲気をつくっているのに、その10秒、20秒のアクシデントで止まっちゃったりするので。そういうのが無いように、自分たちが先回り先回りして行動して。それに対して、選手が滞りなく練習とか、試合とかを進められてるというのを客観的に見たとき、そこにやりがいを感じます。


2部昇格の瞬間を見つめる(2022年秋季入替戦3回戦)


ーー3年間を振り返っていかがですか

いろいろあったので、すごく長くも感じて。2年の秋なんて、まだ1年もあるのかって思っていたので。でも、終わってみたら、やっぱりあっという間だったなって思います。コロナ禍で活動の休止もあって、いろんな壁があったんですけど、それもみんなで乗り越えることができたなっていうので、いちばん青春してたなって思います。後悔は無いです。


ーー選手や後輩へメッセージをお願いします

同期に対してはありきたりなんですけど、支えてもらってばっかりだったので。小さなことにもすぐ気がついてくれる。みんながいたからこそ一人でもやってこれたというか、一人に感じなかったので。いろんな感情があるけど、全てまとめると感謝しかないです。後輩に対しては、せっかくやっているのだから、最後まで楽しく頑張ってほしいと思っています。



2022年度の準硬式野球の記事は以上となります。1年間、ありがとうございました。引き続き、準硬式野球部のご活躍を応援しております。


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『スポーツ東洋』第97号発行のお知らせ


■主務&マネージャー&スタッフ特集 2022年

硬式野球部:芳賀優太 主務

ラグビー部:鳥越千嵩 学生スタッフ(2月18日掲載予定)

ラグビー部:星野光咲 マネージャー(2月19日掲載予定)

アイスホッケー部:山勢結香 マネージャー(2月20日掲載予定)