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2019.06.26
硬式野球

[硬式野球]9日間連続インタビュー〜悲願のV20達成とその先へ〜第5日目山崎基輝

 全チームから勝ち点を獲得し、完全優勝を遂げチームスローガンの「奪還」を達成。戦国と称される東都大学野球リーグの令和初の覇者となった選手たちは何を感じていたのか。スポーツ東洋が9日間連続インタビューでお届けする。



  第5日目は勝利へ導く一打など魅力的な打撃センスが開花した山崎基輝(営3=愛工大名電)捕手。チーム内打率1位の打力を誇り、大学初アーチを含む2本塁打を放った今春。指名打者としてのレギュラーを奪取し、目標であるベストナインを初受賞した今季を振り返ってもらった。(取材日・6月2日、聞き手=谷口遥菜)


--春季リーグ優勝ですね。チーム全体を振り返ってみていかがですか

「奪還」っていう目標の中で、昨年の秋の悔しさをもって優勝できたのはよかったと思う。それだけではなくて日本一にむけて挑戦する権利を得ることができたりもしたし。とにかくチームとしては優勝しか目指していないなかで優勝できたのはよかった。


--個人としては

  個人的にはタイトルを目標にしてたなかで、ベストナインを獲れたのは自信になった。満足をしていない部分は、得点圏打率が特に高いわけではなくてもっとあげられたのかなというところ。もっと投手を援護できたと思う。


--それをふまえて点数をつけるなら

  80点。多少はチームに貢献できたと思うし、自分が思ってるより少し上の数字を残せた。マイナスの20点分はさっきも言ったように得点圏打率が低いから。チャンスで一本っていう自分の目標が完全には達成できてなかったかな。


--特に印象に残ってる試合はありますか

  亜大最終戦。個人的には高校の監督が見にきてる前で打ててよかった。優勝決まってるなかの試合だったが、最終的にサヨナラ勝ちっていう形で完全勝利できたっていうのが印象強い。「チーム力」が今年のスローガンでこの時もピッチャーが点取られたけど、打線がカバーして粘り強く戦えたっていうところがよかったかなと。


--「チーム力」というスローガンのなかで改めて今年のチームの特徴は

  去年だったらピッチャーに頼りがちだったけど今年はピッチャーだけでもなく、野手だけでもなくチームで戦っている。チーム力で勝っていけているというところ。


--山崎基選手が選ぶ春季リーグ投打のMVPを教えてください

  投手はもちろん頌樹(村上、総3=智弁学園)。 投げたら絶対チームを勝利を導いてくれるし。打者は1人じゃなくていいなら…松本(営1=龍谷大平安)山田(総4=桐生第一)さん。松本は初回の出塁率がいいし、ピッチャーに球数投げさせることができる。チームに貢献する働きをしてたから。山田さんはチームを助けて欲しいところで打ってくれたし、チームを勇気づける一打で打線を引っ張ってくれてたので。


--指名打者として出場していますが試合に入る時の難しさなどはありますか

  守備につかないで打席に入ることは経験したことがなかったから、最初は考える時間が長くて試合の流れがつかみにくいっていう難しさはあった。でもオープン戦でやっていくなかで自分の中で対応できていったところもあるし、切り替えの早さが自分の中で成長した部分。


--では、考え方という部分ももう慣れましたか

  その部分は今じゃもう慣れたかな。一打席目、二打席目とかじゃなくて、全体的に中途半端な打席を少なく強い打球を打つっていうシンプルなことだけどそれをテーマに。最近は自分の中で余裕が出てきて、配球とかも考えられるようになったり。精神的な部分で変われたのがよかった。


--今後の課題となる部分を教えてください

  得点圏打率をもっとあげたいかな。投手を長いイニング投げさせないで、援護できるように次はそこをこだわってやっていきたい。後はいつも言ってるようにチームを勝利に導けるような一打を打つ。


--練習でもその辺りを意識して取り組んでいるんですか

  常に試合に近い状態を設定して練習してる。ランナーがいない時にたくさん打つより、ランナーがいるときに一本打てる方が絶対いいから。そこは得点圏打率を意識してランナーがいることを想定していつも取り組んでる。



◇山崎基輝(やまざき・もとき)

学部・学年・出身校/経営学部・3年・愛工大名電

身長・体重/178㌢・82㌔

生年月日/1999・1・18

好きな食べ物/ハンバーグ

オフの過ごし方/買い物、おいしいものを食べに行く

長期オフに行きたいところ/沖縄、北海道、箱根

今年の目標/タイトル


◆今後の掲載予定◆

第1日目:佐藤都志也~「全部責任を取るぐらいの気持ちで」。チームのために主将が背負うもの~

第2日目:山田知輝~「もう重圧はない」ミスター東洋2年目を終えて~

第3日目:村上頌樹 ~「自分がやらなきゃ」芽生えたエースとしての自覚~

第4日目:松本渉~チームを率いた新天地とこれまで~

6月27日:諏訪賢吉外野手

6月28日:小川翔平内野手

6月29日:河北将太投手

6月30日:杉本泰彦監督