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2019.05.09
硬式野球

[硬式野球]河北一球に泣く 継投実らず立正大初戦落とす

東都大学野球春季1部リーグ戦・立正大1回戦

5月9日(木)神宮球場

東洋大2-3立正大(延長11回)



1011
立正大
東洋大



(東洋大)

村上、松澤、河北-佐藤都


本塁打:山田(八回)

二塁打:山崎基(二回)


・打撃成績

打順守備
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(左)小峰(営4=帝京)
(右)山田(総4=桐生第一)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山崎基(営3=愛工大名電)
(遊)小川(法3=霞ヶ浦)

 打東(営1=木更津総合)
(二)小林直(法3=八戸学院光星)

 一酒巻(営3=成田)
(一)諏訪(総3=浦和学院)

 打芦名(総2=木更津総合)

 走二牧(法2=帝京三)
(三)木村(総2=霞ヶ浦)


39


・投手成績

名前球数四死球三振
村上(総3=智弁学園)119
松澤(営1=帝京)3 2/355
河北(営1=浦和学院)1/312


一球に泣いた河北


松澤は過去最長イニングを記録

次戦の登板に期待したい村上


 村上(総3=智弁学園)、松澤(営1=帝京)とつなぎ迎えた延長11回。1死二塁とした場面でここまでルーキーらしからぬ奮投を見せてきた河北(営1=浦和学院)がマウンドに送られる。

先発のマウンドにはエース村上。ここまでのリーグ戦の疲れからか、苦しい投球が続くも7回を投げ抜き119球無四死球と圧巻の投球を披露した。5勝目をあげるかと期待がかかったマウンドだったが勝ち負けつかず。その後、白球を受けついだのは松澤。オープン戦を含め、過去最長の3回2/3を投げマウンドを降りた。

「高さが駄目でした」。試合後、若きクローザーは一球を悔いた。1死二塁でマウンドに上がると、最初の打者に四球を許すが、これには指揮官も「あそこは良かったです」と一言。首を傾げたのはその後の打者だった。ストライク2球ですんなりと追い込んだ後の3球目。「高さが…」。それ以降は言葉が続かない。そう振り返ったフォークボールに立松由(立正大)が気持ちで食らいつくと打球は左前へ落ち適時打に。逆転の機運が高まる中でまさかの一打だった。

この一打に熱い思いを持って取り組む男がいた。立松由だ。前節の中大戦でグランドスラムを放ち波にのる男が一振りで決めた。「初球がフォークで。傾向的に続けてくるかなって思ってた。変化球狙いでしたね」と晴れやかな表情で語る一打は値千金の適時打に。河北が高さのミスを語る一方でこの日のヒーローは「高さよりもコースかな。もうちょい外だったら届かなかった」と対照的な言葉を残した。オープン戦では「4番だったから大きいのを狙ってた」と語るも、8番に座る今は「チームのために。あの一打は糸川のためです」とご満悦だ。次戦、大きな壁となるのはこの男かもしれない。

   ピンチでの登板で初の救援失敗となった守護神。この試合こそ崩れたが、「明日同じことはしない。気持ちの作り方が駄目だったからしっかりやる」とすでに次戦を見据えている。立正大の逆転優勝を阻むのも、戦国東都の頂を奪還するのも我ら東洋大だ。


◼️コメント

・杉本監督

こういう試合もあります。村上はこういうフル稼働で疲れが出ているのはわかっている。今日も試合前とかに見ても、心配ないと思い送り出している。見ていて球が少し軽いのかなと。本塁打もその後の失点も力のある球であれば、スタンドに届かなかったりピンチにならなかったと思う。その後の松澤は最初から長い回を投げさせるつもりだった。得点圏で河北も予定通りでした。松澤は長いイニング行くことになって、終盤は少し球の勢いがなくなってましたね。攻撃はもっと打ってあげないと。序盤に山崎基が二塁打ででたのに送れない。ああいう展開だと後に響くんだなという試合展開でしたね。帰ってからしっかり徹底事項の確認をやって明日に臨みないと思います。


・河北(営1=浦和学院)

ストライクからボールを投げようと思ってた。高めに行ってしまった。あの場面で投げて、気持ちが作れてなかった。次、同じことをしないようにしっかりと準備していきたい。


・山﨑基(営3=愛工大名電)

打った球はチェンジアップ。頌樹(村上、総3=智弁学園)が頑張っていたから負けをつけたくなくて。第1打席、いい感じではいれたと思う。追い込まれてたがつなぐための一打が出てよかった。4番、5番が打てば流れが完全に変わる。今週は明日1試合しかないので気持ちを切り替えて集中していきたい。


・松澤(営1=帝京)

4イニングか3イニングくらいとは言われていた。うまく変化球を使って打たせていこうとしたのは良かったが、フォアボールが原因で点を取られてしまった。今大会でイニングの数くらいフォアボールをだしてしまっているのでやはりコントロールが課題。都志也さんからは腕を振って自信のある球を投げようと言われた。チームが勝てなかった。自分が流れを呼べるようなピッチングができれば良かったと思う。明日勝たないと次もないので、任されたイニングはしっかりと抑えたい。


・根本(立正大)

村上のホームランで打ったのはカット系の変化球。角度はいいなと思ったけど、手応えはそんなに。東都で勝ち点1を取るのがどれだけ難しいことか再確認して臨んだ。全勝すれば他力だけどまだ優勝の可能性がある。できることをやろうと思っている。去年も似た状態からの優勝だった。それを経験している分、僕たちは強いと思う。


・立松(立正大)

初球がフォークでちょっと焦った。でも、逆に追い込まれてから変化球かなと。狙いました。前の試合でホームランが打てて肩の荷が降りた。最後の打席が一番集中してましたね。チームのためにはもちろんなんですけど、それよりも糸川のために打ちたくて。ここまで調子出てなかったエースが頑張ってくれたので。打てて良かったです。


TEXT=須之内海   PHOTO=齋藤洋、谷口遥菜