[硬式野球] 〜実力を知った秋、１部目指して正念場の冬へ〜 13日間連続インタビュー第11日目・小口仁太郎内野手

2021.12.18

活動停止という異例の夏を乗り越え、１部昇格という目標を失いながらも臨んだ秋季リーグ戦。万全の態勢ではない中、全勝を目標に掲げた東洋ナインだったが２部３位と悔しさを味わうこととなった。彼らは地固めといえる今季をどう捉え、１部昇格を目指す来季に向けて何を得たのだろうか。13日間にわたって彼らの思いをお伝えする。

（写真提供：東都ベースボールWeb)

第11日目は小口仁太郎（法３＝智弁学園）内野手。今季自信をつけた次期主将が、来年に向けてリーグ戦を通して得た今のチームの課題や仲間への想いを明かした。（取材日・11月27日、聞き手＝宮谷美涼）

ーー今季を振り返っていかがですか

２部で初めて戦ってみて、あんまり１部とレベル変わんないなと思ったのと、やはり入替戦がない分、緊張感が薄かったのですごいやりにくい部分がありました。点数をつけるなら、最後らへんは良かったので、70点ぐらいです。今まで一番良かったかもしれないです。

ーー理由を教えてください

最初は全然ダメで、打ち方とか色々な人にアドバイスもらって、すごいめっちゃ変えたり、国士大２回戦の前夜に動画を見たんですよ。プロ野球選手の動画を見て、「これええやん」と思って「明日やろう」みたいな感じでやったらそこからハマりだして打ちだしましたね。今もずっと打っているので結構手ごたえはあります。

ーー打てないことで焦りはありましたか

焦りはなかったかな。「なんで打てへんねやろ」みたいな。「ホンマ自分ショボイな」ってめっちゃ思ってましたよ。

ーー「今季の目標は打率より打点」と仰っていましたが達成できましたか

チャンス自体が春と比べて少なかったんです。チャンスで打てなかったのが確か満塁で三振したときだけだと思うんですよ。それ以外はランナーが三塁いるときは大体還せたのでそこは良かったかなと思います。

ーー実際に２部で戦ってみていかがでしたか

１部も２部も変わんないです。ピッチャーも２部の方がいいんじゃないかなと思うこともありましたね。

ーー今回の２部３位という結果はどう捉えていますか

まあ結局僕ら勝てないんで、どれだけ実力があっても勝てないチームは弱いということを、みんなに言っています。だから（３位という結果は）技術だけではなくて気持ちの面でも考え方とか色々あるのかなと思っています。

ーー様々な球場で試合をしましたが、神宮球場との違いはありますか

全然違います。打席に立つときの雰囲気が全然違います。緊張感も全然違います。試合になったら自分を奮い立たせようと思うんですけど、自分のことばっかり考えてしまってあんまり良くないなあという感じなんですよ。普通の球場は。でも神宮っていうのはすごく特別な感じがしました。

ーー印象に残っている試合はなんでしょう

専大１回戦です。前までだったら点を取れなかったと思うんですよ。最後の１点とか。あそこで勝ちにつなげられたことは今までと違うのかなという感じがしました。

ーー同学年の矢吹（総３＝聖光学院）選手が大活躍していましたね

「うわすごいな」と思っていたんですけど、「お前には負けへんぞ」って練習中もずっと言っていたので。悔しいですけど頼もしいです。矢吹が５番にいるかいないかでは全然違います。（後ろにいる）安心感がめっちゃあります。僕がヒットで出て、あいつがスリーベース打って還ってくるっていうことが多かったので。

ーー小口選手の代わりに船曳（総１＝大阪桐蔭）選手が入ることがありましたがどのようなアドバイスをしていましたか

アドバイスないです（笑）。だってもう出来ますもんあいつ。守備もバッティングも上手いです。僕がそんな何も言うことないです。だから「思い切っていけ」ぐらいです。技術的なことは何も言えないです。

ーー今季エラー数が２と昨季と比べて激減しましたが要因はなんでしょう

やっぱりノックとか本数も増えましたし、一つ一つのミスを見逃しなくなりましたね。

ーー自身が守備についてるときと、ベンチから守備見ているときの違いはありますか

ベンチから見ているのは楽です（笑）。だって僕ファースト守っているとき、「うわーこっち来んなーこっち来んなー」って思ってますもん（笑）。ベンチにいる時はピッチャーの声かけくらいです。

ーーベンチで声がけするとき意識していることはありますか

少しでも人のアドバイスになるように声をかけてます。相手にプレッシャーかけたり、やっぱり大きい声出されたら相手チームは嫌じゃないですか。少しでも乱せるように。大事ですよ。

ーー試合中他の選手とどのような話をしていますか

「ヤバい打てへん、どうなってます？」みたいなことを僕聞くんですよ。年下にも聞くし、同級生にも先輩にも聞くし。試合中一打席終わった後とか「ちょっとどうなってる？」とか、みんな「こうなってるよ」って教えてくれます。「ああーじゃあ次こうしようかな」みたいな。アドバイスもらってますね。

ーー初戦の雰囲気が暗いように見えましたが、実際はいかがでしたか

「俺らホンマ弱いな」みたいな感じになったんですよね。めっちゃ悔しくて、もう負けたくないってなって、このままじゃヤバいってなって、余裕ぶっこいてたことがなくなったと思います。

ーー最終戦はどのような思いで挑みましたか

やっぱり４年生にお世話になってたんで、絶対勝ってやろうという熱い気持ちはありましたね（笑）。

ーー４年生に向けて一言お願いします

一つ言うと優しすぎかなあ！優しすぎて僕たちが調子に乗ってしまうんです。それでもなお優しくしてくれました。まじみんな優しいです。僕怒られたことないです。ありがとうございました。みんないいパパになれますよ（笑）。特に仲良かった先輩は木村（総４＝霞ヶ浦）さん、瀬川（総４＝聖光学院）さん、牧（法４＝帝京第三）さん、石川（法４＝上尾）コーチです。よくご飯連れて行ってもらってました。

ーー今季見つかったチームの課題はなんでしょう

僕やっぱり、気持ちの部分やと思っています。やっぱりピッチャーだとしたら、点取られてへんのに焦る。点取られてから焦ればいいじゃないですか。点取られる前に焦っちゃうんで、それで焦らないのは細野（総２＝東亜学園）ぐらいかなと思っています。それはすごいと思っていますね。打者も一緒で、アウトになってへんのに焦ってしまう。１球ストライク取られた、２球ストライク取られたってどんどん追い詰められているんです。１球ストライク取られても「まだ二球あるやん」ぐらいの気持ちでいけたら楽に打てるんじゃないかなと思います。気持ちの面かな。

ーー逆に良くなったところはありますか

簡単に打線が終わらなくなりましたね。三者凡退とか減ったかなって。一人一人の自覚が芽生えたと思います。２部のチームに負けてられないとか、２部に落ちたという危機感が出てきたのだと思います。

ーー今やらないといけないことはなんでしょう

技術は本当にすごいものを持っているので、やっぱり練習の詰めっていうか、甘さを出さないようにやったら強くなるんじゃないかなと思っていて強く言うようにしてます。

ーー前回のインタビュー時に注目選手に挙げていた石上泰（営２＝徳島商業）選手の活躍をどう見ていましたか

いやまだまだ全然です。あいつめっちゃパワーあるので、「遠く飛ばそう遠く飛ばそう」ってめっちゃ欲出すんですよ。バット当てただけで飛ぶ力持っているのに、「遠く飛ばしたろ」とかしょうもない考え持っているので、ダメです（笑）。僕が評価していないのは石上だけです。あいつもっと出来るんですよ。あえて厳しくしてます。

ーー石上泰選手はどこを変えるべきでしょうか

痩せることです。あと、あいつあんまり人前で発言しないので、それをさせるために内野手副リーダーにしました。僕が勝手に任命しました（笑）。あいつに引っ張らせないといけないので。石上にはめっちゃ期待しています。

ーー小口選手が内野手リーダーとして心掛けていることを教えてください

少しのミスも許さないと。ちょっとそれたら「ここ居れ」とか。ノック前に言います。「今日はこうしていくぞ」って言って出来ていないとこは全員が指摘していく。そういう雰囲気を作ったらみんな言いやすいので。

ーー今後の注目選手を教えてください

三田智也（営１＝智弁学園）です。めちゃうまいですよ。センスの塊です。

ーー新主将になった意気込みを聞かせてください

自分に厳しく、チームメイトに厳しく、妥協せず、１部昇格です。僕がやらないとみんなやらないので、僕がまずやります。

ーー以前のインタビューで「後輩と友達のような感覚」とおっしゃっていましたが、接し方は変えますか

別に変えないです。でもやることはやらないといけないですね。野球してる時と普段は全然変えますね。言うことは言います。ダメなことはダメ。いいことはいいと言います。

ーー冬に取り組みたいことは

冬はやっぱり実戦が少なくなってくるので、もう一回体の強化ですかね。僕も太れるように頑張ります。