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秋季リーグ戦前特集・最終日は、投打のリーダーである松澤海渡(営4=帝京)投手と、小口仁太郎(法4=智弁学園)主将に話を伺った。強い責任感を持つ2人が語る今の東洋大の姿とは。
・松澤海渡投手
まずは、“投”のリーダーである松澤海渡投手。投手から見た他大の雰囲気や、現時点でのチーム状況を明かしてくれた。「東洋大学が1部で戦える実力があるというのを、証明したい」。後輩に「1部昇格」という置き土産を残すために、松澤は最後まで戦い抜く。(取材日・8月26日、聞き手=宮谷美涼)
ーー初めに、オープン戦を振り返っていかがですか
そこそこって感じ。チームとしても、まだまだ突き詰めないと行けないところはあるんですけど。段々と上がってきているのかなと思います。走塁ミスだったり、サインプレーのミスだったり、調子はそれぞれあると思うし、個人でやっていかないといけないところなんですけど、チームとして突き詰めていくところをやっていければなと思います。
ーー以前は自身については「全てが課題」と仰っていましたが
変化球の種類を増やすというか、そういうことをやったりしてます。他には投球術というか、ピッチャーがボールを持って、自分が主導で投げられるので、アドバンテージを生かした投球ができるように意識しています。
ーーピッチャー陣を見ていかがですか
最初は四球だったり、大量失点してしまうことが多くあって。それは授業に出てて、練習に出ていないことで、投げ込みができていないんで。苦しかったっていうのはあると思いますけど、最近は抑えられてますし、自滅することも無くなったんですけど、そういう形で出てしまうことが多い投手陣なので、(四球が)少なくなっているのはいいことなのではないかと思います。
ーーピッチャーとして期待してる選手は
島田(総1=木更津総合)は出てきているのかなと。あれだけ速い球を持っていますし、割と熱い男だと思うので、試合になったら抑えたら吠えてますし。そういう投手剥き出しの部分の一面があると思います。計算できるピッチャー、通用するピッチャーになれるので、見ておいてください(笑)。活躍しますから!
ーー今のチームの雰囲気は
悪くはないとは思いますね。オープン戦でも、段々と強い相手でも勝てるようになってきているので。オープン戦の最初の方を見ていたら、「秋はやばいな」って感じていたんですけど、徐々にチームとして、まとまってしっかりやっていけてるのかなと思います。
ーー変化を感じた部分はありますか
小口(法4=智弁学園)は自分に対して「打たせていいから、守っているから」って感じで声を掛けてくれます。去年には無かった声掛けですね。小口がキャプテンやったことで自覚が芽生えたかも分からないですけど。そう言ってくれたら、ピッチャーも「どんどんストライク投げて、守ってもらおう」って気になりますし。小口が気配り、目配りができているので、チーム全体が良くなっているのかなと。
ーー初週は神宮での戦いとなります
別に変えることはない。マウンドが固いということだけ対応していけば、後は他は変わらないと思うので。入替戦も神宮でやるんで、それの練習というか、イメージしてやっていけたらなと思います。なるべく多くの人が投げれば、そいつらが感覚掴めると思うので。ピッチャーが0に抑えて、野手がたくさん出てくれれば、いろいろな投手が試せる機会になると思うので。そういう風にやれたらベストなのかなとは思います。
ーー意識する対戦校は
個人的には拓大は意識してやらないといけないのかなと思いますね。2部に行って拓大は、上手く抑えている印象がないかなと。前回も拓大に負けてますし、その前の3年の秋も拓大戦で先発して、点を取られているので。
ーー拓大の印象を教えてください
拓大は、すごいデータ取ってるというか、絞ってきているなっていう感じ。チーム全体でなんか自分の情報が共有されているというか、明確に絞ってきているなと。今のいいコースはいい感じに決まっているのに、タイミングがばっちりあっているなって感じもしましたし、「ああちょっと張られてんのかな。読まれてんのかな」と、。スイングを見てれば分かります。迷わず振りに来てるんで。逆に狙っていない球を投げたときは、スイングが弱いんで。そこで自分とキャッチャーが察知して、変えていけたらなと。配球は自在に変えていけるので。偏りすぎないようにやっていきたいですね。
ーー春は決闘を繰り広げた専大戦が最後となりますが
そこが山場になると思うんですけど、そこまで4つ全部を落とさないように取るというのが大事だと思うんで。結局がそこが大事大事ってなっていても、途中で落としてしまったら意味がないと思うので。それまでの4つを大事にやっていきたいなと思います。
ーー秋の個人的な目標は
失点しないことです。勝ち星をつけるのも大事なんですけど。失点しない限りは、負けることはないので。点を取られないように頑張ります。
ーー秋に向けて意気込みをお願いします
1部昇格しかないです。自分たちが1部で戦えることはないんですけど、しっかり東洋大学が1部で戦える実力があるというのを、証明出来たらなと思います。
◇プロフィール◇
松澤海渡(まつざわ・かいと)
生年月日/2000・7・25
身長・体重/183㌢、90㌔
高校時代の思い出/毎日が濃かった。
・小口仁太郎主将
続いては、“打”のリーダーでもあり、チームリーダーでもある小口仁太郎主将。昨秋から「チームのために」という言葉を多く口にしてきた。「絶対に上げたる」と宣言した小口のラストシーズンがいよいよ始まる。(取材日・8月28日、聞き手=宮谷美涼)
ーー初めに、オープン戦を振り返っていかがですか
悪いところは、フォアボールとエラー。その2つが絡んでくると負けるなと分かっているんで。やはりそうなってしまったときに、切り替えないといけないんですけど、そこでの気持ちの作り方が下手くそやなと思います。僕が良くても、周りにこう言っていかないといけないので。そこは全然まだまだかなと思います。
ーーバッティングではいかがでしょう
バッティングも点が入らないとかはあるんですけど、絞り球に応じて、自分で考えて、「これ狙った方がいいな」とか、「ここに打った方がいいな」とかは持って考えてやらないといけないと思います。
ーー秋の注目選手を教えてください
やっぱり宮下(総1=北海)ですね。ピッチャーでは、島田(総1=木更津総合)。バケモンですね。今年の1年はすごいですね。
ーー石上泰(営3=徳島商業)選手も昨年から気にかけてますよね
僕が抜けたら、石上泰が引っ張っていかないといけないんで。みんなの前で、「俺がおらんかったら、お前が引っ張らなあかんからな」って言って。引っ張らせるようにはしてます。来年のことも考えてやっています。(石上泰は)今年の春で、自信がついたんじゃないですか。堂々としてきましたから。めっちゃ頼もしいです。
ーーチームの結束力は
いいと思いますよ。
ーー夏を経て得た収穫はありますか
状況に応じて考えることじゃないですか。前は、言われたことをやってたので。自分で考えた方が出来るじゃないですか。そうやって冷静にならないと、その場面で考えられないんで。
ーー春は「打つこと」を意識していたということでしょうか
まあ、僕は(状況に応じて)考えていたつもりなんですけど、どうしても結果を残さないといけない世界なんで。自分の事を考えてしまいがちなんですけど、やっぱり入替戦で負けて、1部に上がらないとということを考えたら、やっぱりチームのことを考えないといけないなと。
ーー主将としてどのような行動を心掛けていますか
4年生に対しても、厳しく言っています。僕自身、下の学年が出来ていなかったら、4年が悪いっていうタイプなんで。「みんな見てるよ。ちゃんとやれやって」と言っていますね。それで仲が悪くなることはないですしね。「4年生なら許される」みたいな空気が嫌なので。4年生がちゃんとやったら、下もちゃんとやるようになると思うので。
ーー同学年にも厳しく接する時があるのですね
気になることがあったら「は?」ってなるんで。その人のためっていうか、「これ見逃したらあかんな」って感じで、言ってますね。でも、ただそいつにいっぱい怒っているって見られる時もあるんで。それは別にチームとして嫌いだから怒っているんじゃなくって、ただダメなことをしたから。みんな素直だから、言いやすいです。
ーー「チームのために」って思ったのはいつからですか
キャプテンになってからです。去年は、「チームのために」とは思ってたんですけど、今年は、「チームのために俺がやらないと」みたいな。チームのために出来ることをする。去年は、チームのためにだけだったんで、どうするかとは考えていなかったですね。
ーーそれでは、主将として最後に1部に上げて卒業ということですね
その思いはめちゃめちゃ強いです。春は悔しさしかなかったので。下級生にはやっぱり、1部でやってほしい。まじでやってほしい。そこが一番目立てる場所だし、人生も変わるし。絶対上げたります。
ーー今季の目標を教えてください
ベストナイン。また。だって負けたくないですもん。(数字的には)今回は打点15で3割ですね。ホームランは2本!チャンスで打てれば。
ーー最後に意気込みをお願いします
『1部昇格』です。
◇プロフィール◇
小口仁太郎(こぐち・じんたろう)
生年月日/2001・3・26
身長/184㌢・81㌔
高校時代の1番の思い出/監督に怒られたこと (あの時があったから、今こうやってキャプテン出来ているなと思います)
最近困ってること/橋本吏(総3=花咲徳栄)がめっちゃ抱きついてくる。気持ち悪いっす(笑)。すぐ触ってきますよ(笑)。
◇秋季リーグ戦直前特集一覧◇
第1日目 島田舜也投手・加藤響内野手〜次世代を担う2人が目指す勝負の秋~
第2日目 水谷祥平外野手・大髙優成外野手〜ブレイクを狙う2人が目論むこの先〜
第3日目 後藤聖基捕手・細野晴希投手~同期バッテリーの考える現在地点~
PHOTO=宮谷美涼