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2022.10.25
硬式野球

[硬式野球] 小口主将の三振で2部優勝の夢消え去る

東都大学野球秋季2部リーグ戦・専大2回戦

10月23日(日) UDトラックス上尾スタジアム

●東洋大0-2専大


専大
東洋大


●細野(2敗)、河北ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(左)秋元(済1=木更津総合)
(右)水谷(営3=龍谷大平安)
(遊)石上泰(営3=徳島商業)
(一)小口(法4=智弁学園)
(二)宮下(総1=北海)
(指)馬込(法1=桐光学園)
(中)左向(営4=智弁学園)
(捕)後藤聖(法3=京都学園)

松本渉(営4=龍谷大平安)

廣岡(総4=拓大紅陵)
(三)加藤響(総2=東海大相模)


27


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総3=東亜学園)114
河北(営4=浦和学院)23


最終打席で三振となった小口主将

九回2死からヒットを放った石上泰

専大の優勝を眺める選手たち



前日の死闘から一夜。優勝に向けて、杉本監督は打順を変え、エースの細野(総3=東亜学園)を2日連続で投入した。なんとか優勝決定戦に持ち込むため、粘り強く勝利を狙った。


 前日も先発だった細野は、初めは疲れを感じさせない投球を続けていく。しかし四回、二塁打を浴び、犠飛で先制を許す。それでも最小失点で抑え、安堵の表情を浮かべていた。


 一方で攻撃は六回、選球眼を駆使し、2四球をもぎ取りチャンスを作り出す。しかし、2死から石上泰(3=徳島商業)が7球粘ったものの、快音は響かず。どうにかしてこちらに流れを引き寄せたいが、西舘(専大)を前に、打線はつながりを欠き、踏ん張る細野を援護できない。


 細野は八回に四球を与えたところで、河北(営4=浦和学院)にマウンドを譲った。しかし、河北も次の打者に中前打と盗塁を決められ、走者一、三塁に。1死の状態で、南保(専大)が放った打球は、右翼水谷のもとへ。これが犠飛となり、痛い場面で追加点を与えてしまう。


 そのまま続投した河北が三者凡退に抑え、迎えた最終回。上位打線を迎え、秋元(済1=木更津総合)が右飛、続く水谷も一球で投ゴロとされ、即座に相手に追い詰められてしまう。


 それでも、最後に石上泰(営3=徳島商業)が中前に打球を落とし、主将の小口(法4=智弁学園)に最後の望みを託した。一発が出れば逆転。一塁側全員が背番号1に期待を寄せる。あっさり2ストライクと追い込まれ、必死に食らいつこうとするも、最後に振り抜いたバットは虚しくも空を切った。入替戦への希望の灯火はここで消えた。小口はバットを持ちながら、打席上で座り込み、しばらく立ち上がれなかった。


 1部への夢は絶たれた。最終カードを前に、3敗していても、意地の連勝で優勝の可能性を残し、最後まで専大を安心させなかった。専大の優勝を見届け、春とは逆の立場に立った東洋大の戦士たちは、専大の姿を見て何を思うか。チャンスを逃したら、2部のどつぼにはまってしまうのが戦国東都。これから訪れる厳しい冬に、チャンスで打ち勝つ力を蓄え、次の春、最後に笑顔を見せるんだ。



■コメント

・杉本監督

もちろん今日も勝つ気で細野には話をしました。先発での連投は初めてでした。ここでは自分のベストを超えなきゃならないので。ベストを尽くすんじゃなくて。いつも皆んな尽くしてくれてるんですよ、それぞれ。でもやっぱりそれを超えていかないと大きくはなれないので。もっともっと今の現状に満足することなく、より大きな選手になってもらわないといけないので。そういった意味で今日はいけるところまでいくという感じでした。最後のところも「もう1回いけます」って言ったので。あそこまでよく踏ん張ったなって思います。(相手の西舘投手は)ボールに力があるので打球が飛ばないのは分かっていて。それに加えて、あれだけ守備のシフトを引かれていて。なおかつ「コンパクトにいこう」って言っても振ってしまう選手がいて、こちらの教育の徹底さの加減が甘かったのかなと。信じてあげたい気持ちはあるんですけど、最終的に信じ過ぎたってところがあると思いますね。もっとやっぱり徹底的にいかないと良いピッチャーはなかなか、全体として崩せないです。


・小口主将(法4=智弁学園)

相手チームが強いのは分かっていたので、なんとか1勝ずつってつもりでやってたんですけど、やっぱりミスした方が負けるんだと思いました。(西館投手の印象は)良いピッチャーだったんですけど、指示通りコンパクトに振っていれば打てないピッチャーではないと僕は思いました。「徹底」が僕から言うのも甘かったのかなと思います。


TEXT=宮谷美涼 PHOTO=一ノ瀬志織、青木智哉