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活動停止という異例の夏を乗り越え、1部昇格という目標を失いながらも臨んだ秋季リーグ戦。万全の態勢ではない中、全勝を目標に掲げた東洋ナインだったが2部3位と悔しさを味わうこととなった。彼らは地固めといえる今季をどう捉え、1部昇格を目指す来季に向けて何を得たのだろうか。13日間にわたって彼らの思いをお伝えする。
(写真提供:東都ベースボールWeb)
第6日目は今季正捕手としてチームを引っ張った後藤聖基(法2=京都学園)捕手。守備面だけではなく、公式戦初本塁打をマークするなど打撃面でも活躍が見られた。初の2部を振り返るとともに、早くも上級生として迎える来年を見据えた。(取材日・11月21日、聞き手=浅野琴美)
ーー今季を振り返っていかがですか
初めての2部での試合だったので、球場もいろいろなところでやったんですけど、神宮でやる時よりも雰囲気が全然違ったなと思います。入替戦がないっていうのもあって、緊張感もあんまり…。けっこう、楽にできたかなって感じです。
ーー今季9試合中、8試合でスタメンマスクを被りましたがいかがでしたか
正捕手として試合に出続けることが目標だったので、そこはよかったかなって思います。スタメンでたくさん出してもらったのはよかったです。
ーー正捕手になるというのは大変でしたよね
廣岡(総3=拓大紅陵)さんと比べて、バッティングで負けているなと思ったので、バッティングに力を入れて結果を出してきました。そうやって頑張ってきたのがキャッチャーにとっては余裕ができたかなっていう部分ですね。
ーー正捕手として試合に出続ける中で、感じたことはありますか
毎試合、「点を取られたらキャッチャーの責任だ」くらいの思いでやっているんですけど、入替戦もなくて、ぶっちゃけそこまで勝ちにこだわっていなかったっていうのもあります。一発勝負で、絶対に負けてはいけないっていうプレッシャーは特になかったです。でも、経験として全力で相手を抑えにいくっていう気持ちはありました。
ーー今季は入替戦がないと知らされてのリーグ戦でしたが
僕は入替戦あるとかないとか関係なく、試合自体の緊張感は変わらないですけど、負けられないっていう緊張感はなかったです。リーグ戦って自分の結果でその先の進路に関わってくるので、そういう部分ではしっかり結果を出して、個人の結果に重点を置くことがモチベーションになっていました。
ーー2部で戦ってみていかがでしたか
1部に負けないくらいレベルは高かったです。けど、やっぱりあんまり変わらなかったなって思います。
ーー対戦して一番強かった大学は
拓殖大学ですね。キャッチャーとして座らせてもらって、拓大のバッターは簡単に打ち取られないし、淡白なバッティングをしないって感じました。打ち取りづらいというところがあったので、そういうところがいいチームだなって思いました。
ーー今季は打撃面でも活躍しましたね
1年とか今年の春に比べたら、格段によくなって、それはいいことかなって思いましたね。
ーー国士大2回戦では本塁打を放ちましたが、打った瞬間入ったと分かりましたか
確定アーチですね(笑)。気持ちよかったです。自分でもすごいと思いました(笑)。
ーーバッティングがよくなった要因は何ですか
杉本泰彦監督が素晴らしいアドバイスを下さって、名将のおかげかなと(笑)。
ーーどんなアドバイスをしてもらったのですか
基本的な足の使い方を教えてもらって、そこからよくなりました。
ーー同期の山本翔太(営2=成田)選手も今季キャッチャーでしたが、何か会話しましたか
キャッチャー経験のない奴で、僕は頼ってもらっていたので、「ここはこうかな」とかいろいろ聞いてくれました。あんまり僕から喋ることはなかったです。初めてなので、知らないことだらけだと思うので、試合中も「あのバッターはこうかな」などたくさん話はしていました。
ーー以前、仲がいいと仰っていた阿萬田(営2=津田学園)選手もベンチに入っていましたね
阿萬田くんは常に僕のことを癒してくれるので(笑)。僕の緊張をほぐしてくれるようなことをしてくれます(笑)。
ーーリーグ戦を経て、見つかった課題はありますか
全部ですね。まだまだだなと思います。課題しかなかったかな。
ーー1年生の一條(総1=常総学院)投手、柿本(営1=東洋大姫路)投手、岩崎(総1=履正社)投手はそれぞれどんなピッチャーですか
一條はあんまり自分の感情を出さないので、柿本と一條はけっこう慎重なピッチャーです。岩崎はあいつなりに緊張とかプレッシャーがあると思うんですけど、物怖じしないタイプですね。
ーー普段から1年生の投手陣とコミュニケーションをとりますか
やっぱりバッテリーなので、練習の時に僕が受けて要望とかあったら、常に話してますね。
ーー4年生がいた頃のチームはどのようなチームでしたか
常に落ち着いてるなと思いました。試合中も気持ちが浮き沈みしなくて、いつも一定でクールでした。
ーー今のチームはいかがですか
全員で声を出して、泥臭くて、元気で活気のあるチームだなって思いますね。
ーーお世話になった先輩はいますか
芦名(総4=木更津総合)さんです。最後までキャッチャーとして一緒に練習していただいたり、面倒を見て下さったので、お世話になったかなと思います。
ーー冬に取り組みたいことはありますか
バッティングがよくなった分、いろいろよくしたいし、欲が出てきました。現状には全て満足していないので、まずはキャッチャーの面でしっかりレベルアップして、バッティングも落ちないようにここから継続して上がっていければいいかなと思います。全て計画立てて、練習していきたいです。
ーー来年は3年生となり、上級生の立場になりますが後輩にどんな姿を見せたいですか
キャッチャーは指示する立場なので、なめられないように威厳を保って、弱い部分は見せずにひたむきな姿勢を見せていけたらと思います。
ーー来年の目標をお願いします
春は必ず1部に昇格できるように頑張ることです。個人としては今シーズンは全試合出てなくて、試しの期間でもあったんですけど、来年も変わらず試合に出れたらいいなと思います。
◇プロフィール◇
後藤聖基(ごとう・まさき)
生年月日/2002・3・17
身長・体重/183㌢・90㌔(計ったら増えていた)
趣味/野球(やっぱり野球が好き。野球してる時がいろんなこと忘れられる)
オフの日の過ごし方/ゆっくりして、ご飯を食べに行く。(練習で疲れてるからゆっくり過ごすことが多い。阿萬田くんとご飯を食べに行きます。)
※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。
◇連続インタビュー一覧◇
12月14日:渡邊友哉投手
12月15日:松本渉外野手
12月16日:矢吹栄希外野手
12月17日:羽田野温生投手
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12月20日:佐々木俊輔外野手