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春に悔しさを味わい、今季こそ1部昇格目指して秋を戦い抜いた東洋大の戦士たち。最終カードまで優勝の行方がもつれ込む緊迫した状況の中、頂点をつかめず2部2位と悔しい結果に終わった。この結果を各々どのように受け止め、何を思うのか。12日間にわたって彼らの思いをお届けする。
連続インタビュー11日目は河北将太(営4=浦和学院)投手。今季はけがの影響で登板機会が少ないながらも、いざ試合に出ると印象に残る活躍を見せつけた。最後は2部の頂点に辿り着けなかったものの、「東洋大で過ごせてよかった」と後悔はない。たくさんの思い出を胸にしまって、河北はさらなる世界へ飛び出す。(取材日・11月19日、聞き手=宮谷美涼)
ーー今季を振り返っていかがでしたか
夏にけがしてしまって、チームに出遅れてしまったことはよくなかったのかなとは思うんですけど、最終的に戻ってきて力になれたのは良かったのかなと。
ーー夏にはメンタルトレーニングを行ったと仰っていましたが
効果はかなり出たと思います。緊張しなくなったのもそうだし、入りだったり、入り方だったり、考え方とか。すごくシンプルになりました。以前は考えすぎていたし、自分以外の他人までコントロールしようとしてたので。自分の仕事も考えるけど、他のことも考えていたかな。
ーーけがの中でしたがラストシーズンだからこそ、早くリーグ戦の舞台で戦いたいという思いはありましたか
こんなにベンチから長く外れたのは初めてだったから、ちょっと違和感というか。いつもは試合してメンバーとしてやってるのにという違和感と、早く戻りたいなっていう思いもあって。ちょっと気分が落ちてたかもしれないです。
ーーベンチ外からのチームはどう見えてましたか
チームが立正大戦で2連敗したことは驚きました。それで、あとが無くなって、「勝たなきゃ」ってみんな言ってましたし、ある意味負けてまた結束したように見えていました。
ーーピッチャー陣はどう見ていましたか
下級生に申し訳ないなというのはありました。4年生が結局、みんな投げてはダメだったりで。他がみんな結果良くなかったんで、僕はそんなことしないように。4年生だから、ちゃんと抑えてやらないとチームに勢いは出ないと思いますし。「戻ったら抑えてやる」と。まあ細野(総3=東亜学園)には、大変な思いをさせてしまったのかなと。もしかしたら、僕が投げたかもしれない場面でも続投とかあっただろうし、そういう場面では、他の下級生に迷惑をかけたなと思います。
ーー国士大3回戦でついに復活しました
「投げるぞ」みたいな感じでは言われてたんですけど。あの場面(七回)で出るとは思わなくて、ど緊張していました。やっぱり2カ月ぶりの実戦で、緊張の方が勝ってました(笑)。最初は緊張したけど、ランナーが変な意味で二塁にいってから、ちょっと楽になって投げられました。
ーー来る大一番の専大戦に向けては
自信というよりは、実戦で投げさせてもらったっていうのがすごくプラスでしかなかったので。あそこで投げてなかったら、専大戦ではまた違った結果になっていたのかなあと。
ーーそんな専大1回戦ではピンチでの登板でした
ちょっとワイルドピッチはダメですけど、それ以外は今年で一番ぐらいのピッチングはできたんじゃないかなっていうのは。ワイルドピッチを除いたらすごく良かったのかなと思います。
ーー結局は九回まで投げました
九回はいくとは思わなかったですね。八回がちょっとよくなかったので、やっぱり連打で三塁にしてしまって最後は打ち取ったけど、「替え時だろうな」みたいな感じだったので。根性で投げました。
ーー登板を告げられた時は
全く緊張しないです。打たれても、結局打たれたってことも今起きてることで、過ぎ去ったことなんで。大事なのは今に集中することで、マウンドの時は打たれたことは考えないで、自分の呼吸のことに集中したり。結局自分しかコントロールできないんで、自分の内側に集中して、一番いい状態でバッターと勝負することができて良かったです。
ーー専大2回戦はいかがでしたか
八回だから満塁の時に、応援の声が聞こえてきて、うれしかったのが印象的でしたね。個人的には、専大1回戦より2回戦の九回のマウンドが印象に残ってますね。八回で点を取られて、九回もマウンドに上がって、結構自分の中で疲労とかもあったりしたけど、3人で抑えられて、すごいテンポよく投げられて。そこの方が印象というか、一番気持ちよく投げられたかなっていう感じです。
ーー4年間東洋大学で過ごしていかがでしたか
東洋大学で過ごせたのがよかった。色々な経験を人生において自分自身成長できたし、これから生きる経験にしかならないと思うので、よかったと振り返って思います。
ー一印象的な出来事はありますか
去年、1年間苦しい思いをして、それでも貫き通したっていうのがよかったと思うので。3年生の、色々変えたりしたっていう、1年間があったから今があるので、去年の1年間がすごい印象的ですね。
ーー小口(法4=智弁学園)世代はいかがでしたか
すごい小口中心に、よかったなっていうのはあるんですけど、やっぱり最後、4年のピッチャー陣が力になれなかったのが悔いが残る部分です。でも、小口がキャプテンとしてしっかりまとめてくれたから、1部に上がれなかった代ですけど、いい世代だったのかなと思います。
ーー今後期待のピッチャーは
なんだかんだみんなに期待してるんですけど、3年生だったら、細野が僕らが抜けたら助けられないので。メンタルが弱い部分があるので、今後どうなるか期待しています。あるいは柿本(営2=東洋大姫路)がどれだけ成長するのかなと。持ってるものはすごいものを持っていると思うので、今年は出番が少なかったから、来年は出番ももらえると思うので、今年の冬頑張れば、伸びて力を発揮するのではと期待してます。
ーー河北投手が4年間経験した「戦国東都」とは
本当にレベルが高いなと思います。2部とかでもドラフト1位とか出ますし。やっぱり1部と2部は大きいなっていうのがあるんで。でもその中でも相対的にみたら、レベルが高いのかなと。
ーーその差とはなんでしょう
ピッチャーも、2部だと各チーム1人が2人、3人いるかなっていいのいないけど、1部はそんなことないし、バッターも1番から下位まで2部と比べたら気が抜けないなと、そこの部分が違うなと。
ーーその中で戦っていかがでしたか
成長させてくれたと思いますし、最後の学生野球だった。これからは、社会人チームでやるので、1試合1試合の重みとか、その中でも東都で入替戦とかでしたり、すごい苦しい経験をしたというのは自分にとっては財産なのかなと思います。
ーーそれでは今後の意気込みをお願いします
先発投手として、いきたいですし。チームの絶対的存在になって、力をつけてプロに行きたいなと思っています。
◇プロフィール◇
河北将太(かわきた・しょうた)
生年月日/2000・6・14
身長・体重/177㌢・86㌔
マイブーム/アニメ
鶴ヶ島のおすすめスポット/「木村」という焼肉屋
最後にスポトウに一言/4年間ありがとうございました。専大の記事うれしかったです!
◇連続インタビュー一覧◇
12月28日 小口仁太郎主将