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2025.12.22
硬式野球

[硬式野球]2025年秋季リーグ戦振り返りインタビュー/佐藤裕一郎主務

 

 連続インタビュー投稿12人目は、佐藤裕一郎(総4=山村学園)主務。野手として入学後、2年冬に自ら志願してマネージャーに転身した。怪我や実力の壁に直面しながらも、自分がチームのためにできる役割を考えた決断だった。そして秋季リーグ戦ではチームが連敗に苦しむ中、データ分析で支え、ベンチでは監督と選手をつなぐ役割を担ってきた。そんな彼に4年間を振り返ってもらった。(取材日・11月19日、聞き手・山本華子)


ーー1部復帰を決めた秋シーズン、チームとして振り返って(良かった点など)

最初は出だしが悪かったのですが、そこから自分たちに何が足りないのかを見つめ直せました。負けて学ぶことって多いじゃないですか。5連敗したことで、逆にチームがより一つになれた感はあります。


ーーリーグ前半は連敗が続いていた中で、声かけなどどのようなことを意識していましたか

僕はあまり声を出すポジションではないのですが、データの面で今までやっていなかったことをやり始めました。そこからみんなが打ち出したので、少しは僕のおかげかな、なんて思っています(笑)。


ーーデータ分析について詳しく教えてください

相手のピッチャーの球種ごとの動画を作って共有したり、トラックマンというデータがあるのですが、その分析をしてみんなに見てもらいました。それでみんなが打ってくれたので、よかったです。


――4年間でいちばん印象に残っている試合

一番残っているのは交流戦ですね。4年生だけでやった試合がすごく思い出に残っていますし、4年間頑張ってよかったなと思えた試合でした。

 

交流戦での打席

出塁しポーズをとる佐藤


――「戦国東都」で過ごした4年間を改めて振り返って感じることは

やはりすごい選手が集まっていてレベルが高い、日本最高峰のレベルだったと感じます。東洋からもプロが3人出ましたし、他のチームにもいっぱいプロがいます。そういう中で野球をより深く学べたという感覚はあります。


ーー野手入学からマネージャーになられて、時期や心境は

最初は選手として入って、2年の冬にマネージャーになりました。自分自身、怪我もあってなかなか思うようにいかず、納得できるプレーができませんでした。同期に神里や池田といったすごい選手がいて、自分の天井が見えてしまったんです。Bチームでだらだら続けるよりは、自分がどうすれば輝いて力になれるかを考えた時に、マネージャーという道を選びました。


ーー自分から志願された?

そうです。僕らの代にマネージャーがいなかったので、監督に「僕がやります」と伝えました。


ーーご家族への相談などは

もちろんです。いろんな人に相談しました。主務という仕事はそれなりに重大な仕事ですし、一般就職をする上でも選手であることより主務であったことの方がプラスになると皆さんに言っていただき、それがすごく腑に落ちて頑張ろうと思えました。

 

――マネージャーとしてベンチ入りするようになってから意識していたことや感じたこと

井上監督の隣にいることが多かったので、監督がどんなことを考えているのかを常に意識していました。また、選手の声を聴きながら、監督にうまく繋げるということも意識して動いていました。

 


――マネージャー業で大変だったこと

後輩のマネージャーたちが、言ったらすぐに動いてくれて本当に頑張ってくれていたので、僕自身はそれほど大変ではなかったんです。逆に、後輩たちが頑張ってくれるための組織作り、マネジメントという面はこの1年すごく頑張りました。

 

――主務として過ごしたこの1年を振り返って

やりがいしかなかったですね。選手を続けていたら、他大学の人や社会人、プロの方と繋がることはなかなか難しかったと思います。大人の方々と、ほぼ仕事をしているような感覚で関われたことは、大きなやりがいでした。大人の世界にいるな、という感じがしましたね。

 

――東洋大学に入ってよかったと思うこと

出会いですね。この学年は本当に仲が良くて、みんな良い子で。本当にこの学年でよかったなと思いますし、この素晴らしい環境で4年間できたことは最高でした。


ーー佐藤さんが思う今年のチームの良いところ

チームとしてのまとまりは一番あったんじゃないかと思います。4年生が多く試合に出ていたこともありますが、みんなが向いている方向が一緒だったと感じます。

 


――井上監督へ一言

途中でマネージャーになることを受け入れてくださって感謝しています。根はとても優しい方なので、本当に感謝しかないです。

 

――4年間を共に過ごした同期へ一言

もう「ありがとう」の一言です。幸せな4年間を過ごせました。これからもよろしく、という感じです。


ーー4年生との一番の思い出のエピソードはありますか?

3年の秋に(1部に)上がった時、初めて学年会をやったのですが、そこでみんなが一つになれた気がして、めちゃくちゃ楽しかった思い出があります。

 

――頼もしい後輩たちへのメッセージ

キャプテンの大坪君がしっかりしていますし、4年生もみんな大坪を信頼しています。なんだかんだ戦えるチームだと思うので、優勝を目指して頑張ってほしいです。

 

――応援してくださった方々へのメッセージ

OBの方々や親御さんからたくさんの支援をいただきました。なかなか優勝はできませんでしたが、ここから4年生は社会人や一般就職でそれぞれ頑張ると思うので、そこでもまた応援していただけたら嬉しいです。


ーー最後に今後の目標をお願いします。

僕は世界を旅する旅人になります。頑張ります。



◇プロフィール◇

佐藤裕一郎(さとう・ゆういちろう)

ーーテンションが上がる曲

NewJeansが好きで、『Supernatural』が流れたらスイッチが入ります。

ーー色紙に書かれた「勝利の女神はは細部に宿る」の意味は

何事も細かな部分に神様が宿っているという考え方が好きで、一秒一秒を大切にしようという思いです。


PHOTO=スポトウ硬式野球野球班


◆連続インタビュー一覧◆

1日目 高山亮太捕手、山内教輔外野手

2日目 山田隼外野手、谷公希投手

3日目 秋元俊太外野手、向髙滉人投手

4日目 吉田元内野手、政所蒼太捕手

5日目 花田旭外野手、島田舜也投手

6日目 池田彪我内野手

7日目 佐藤裕一郎主務

8日目 中村瑠斗内野手、金丸健司外野手

9日目 大坪廉投手