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２年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は４勝２敗と春４連覇の兆しが見えたが後半失速し６位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず２部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。
（写真提供：東都ベースボールWeb）
第７日目は先発としてだけではなく、中継ぎとしてもマウンドに立ち続けた松澤海渡（営３＝帝京）投手。常に向上心を胸に秘めているエースが心境を今、明かす。（取材日・７月17日、聞き手＝浅野琴美）
ーー今季を振り返っていかがですか
前半はけっこういい形で入れた。中大戦まではいい形で、チームとしてもよかったんですけど。そこから６連敗して、入替戦にまわってしまい、２部降格してしまったのはすごく残念だなと思います。
ーー今季は８試合で登板しましたが
チームの状況と同じように、前半はいいピッチングができていたんですけど。後半になるにつれてどんどん打たれたり自滅もあり、失点を多く重ねてしまったなという印象が非常に強い。特に中継ぎに関しては、うまくいっている印象はなかったです。
ーー中継ぎがうまくいかなかったのは、やはり主に先発を任されていたからでしょうか
そうですね。先発慣れをしてしまいました。中継ぎは短いイニングなので、常に全力で投げるかなと思うんですけど。まぁ、それをちょっと忘れてしまったというか。自分は主に先発だったので、長いイニングを投げるために、力をセーブしながら投げていた感覚でいってしまった部分もある。そこが失点につながったと思います。
ーー今季は３勝をマークしましたが
自分の中では全然納得いってなくて。前半だけで３勝０敗だったんですけど、そこから自分に４敗がついてしまった。そこは正直全く納得いってないです。前も話したように、ネガティブな性格が影響したのもあると思うんですけど、シンプルに実力不足っていう部分もあったのかなと思います。
ーー２部から上がってきた青学大戦はいかがでしたか
青学大は前日にサヨナラ勝ちをしていて、勢いがあるんだなって思っていました。初回をまずしっかり抑えようという形で、初回は何とか０で切り抜けた。データをある程度出していたので、そこからはその通りに投げて打ち取れたのかなっていう感じです。
ーー杉本監督から「松澤はエースだから２戦目に出す」と言われたようですが
青学大戦の前に、監督さんからそう言われたんですけど。先発を目標にやってきた中で、悔しい思いもあったんです。２戦目にまわるっていうのは、まだ完璧にお前では１戦目を獲れるっていう自信がないから、そっち側にまわされたのかなっていうふうに自分の中で解釈した。完璧に任せてもらえていないんだなっていう感じがありましたね。
ーー監督からの信頼を得るために必要なことは何だと思いますか
一番は結果で示すことも大事なんですけど。やっぱり、練習に対する姿勢も見ていると思う。そこでアピールして、信頼を得ていくしかないのかなと思います。
ーー常にトレーニングルームにいるとの話もお聞きました
そうですね。ウエイトとか、体の動きであったり、そういう部分をやるためにいます。基本的に、羽田野（法３＝汎愛）と野手の石上泰（営２＝徳島商業）と一緒にやってることが多いですね。
ーーご自身が注目していた細野（総２＝東亜学園）投手のピッチングを見ていかがですか
ピッチャーとしての魅力はすごくある。あれだけのスピードボールを投げれて、けん制球も一級品です。ピッチャーとしての能力が非常に高いなと思ったんですけど、フォアボールとかそういう部分で、もったいない自滅をしてしまっていたなと自分には映って見えた。そういう部分が出てしまったのがちょっとよくなかったのかなと思います。そこが改善されれば、細野が自分自身に勝ちをつけられるのかなって思いました。
ーールーキーの岩崎（総１＝履正社）投手はどう見えますか
１年生なので、なかなか登板機会は無かったですよね。最初緊張してたのかなっていうのはあるんですけど、最初以外は平然としてたかなっていう感じです。けっこうケロッとしてる性格なので。あんまり、プレッシャーを感じなくて、ひょうひょうと投げるタイプのピッチャーです。しゃべる子なので、普段もコミュニケーションとります。
ーーリーグ戦最終戦の駒大戦を振り返っていかがですか
１戦目を中継ぎで投げて、２戦目先発をやらせてもらいました。中継ぎの時は、すごく守備に助けてもらったにも関わらず、最後ああいうふうに打たれてしまったのは申し訳ないです。先発をした２戦目も、初回の１アウトで降板してしまった。一番大事な試合で、チームに迷惑をかけてしまったなっていう印象が非常に強いです。２戦目は勝つしかなかったので、勝つことだけ考えて、マウンドに上がりました。まぁ、空回りというか、うまくいかなかったです。
ーー最終戦前に、チームで話し合っていたことはありますか
１戦目で勝って（入替戦を）回避しようという話をみんなでしていました。向こう（駒大）に最初を取られてしまったら、同じ立ち位置になってしまうので。こっち（東洋）が優位であっても、余裕をもたずに１戦目で決めようという話をしていた。そこで、決めきれなかったのが敗戦につながってしまったのかなっていう感じですね。
ーー１回戦はタイブレークでした。ピッチャーならではの難しさはありますか
ランナーを２人背負った状態でスタートします。点差が離れていない限りはバントでくるので、１人目は確実にアウトを取れる。そこからランナーが二、三塁にいるので、下手したら１ヒットで２点入る状況。自分が出したランナーじゃないけど、非常に苦しいピッチングをしなきゃいけないのかな。自分はあんまり好きではなかったです。
ーー丸刈りにされて、覚悟を感じましたが
中大戦以降、迷惑をかけてて自分の中でイライラしたり、気に食わない部分があった。髪を刈ったから何になるわけでもないけど、気持ちを改めるために、丸刈りにしました。それで、チームの雰囲気もよくなればいいかなって。自分からやりました。
ーー２部降格が決まった時は、どのような気持ちでしたか
その時は残念としか思えなかったです。リーグ戦終わって、入替戦はしっかり勝とうとやっていたんですけど。それでも、叶わなかったっていうことは、自分たちの実力不足だったんだなとすごく痛感している。あのままの野球じゃ、１部では勝てないし、２部でも全く勝てないんじゃないかって…。チームとして、大きく変わることが大事なんじゃないかなって今はすごく思っています。
ーー大きく変わるために必要なことは何でしょうか
練習をもっと活気あるものにしていきたい。そんなにうちって元気がない気がする。勝ってる時は声出てるけど、リードされている時に思いっきり沈んでしまって。全くヒットが出なかったり、ピッチャーは点をいっぱい取られたり。悪い流れになってしまった時に、それを断ち切る雰囲気がうちには全くない気がする。雰囲気は大事だと思うので、そういう雰囲気を練習からつくっていかないと、試合だけでつくるのは絶対に無理だと思う。そういう意味で、練習をもっと活気あるものにしていけたらいいんじゃないかなと思います。
ーー見つかった課題を教えてください
ピッチャーはフォアボールを無くすことが課題なのかなと思います。一人一人の能力は他大学に比べて高いと思っているので。今回は自滅が多かったなと思って、駒大戦も15四死球。自分たちでランナーを溜めて、打たれてエラーして失点していた。ピッチャーはフォアボールとか細かい部分を無くすことが早く１部に復帰するために必要。野手は先制点を挙げた後に、なかなか追加点を取れなかった。先制後の中押し、ダメ押しっていうような追加点が取れる、つながりのある打線にしていけたらいいと思います。
ーー夏に取り組みたいことはありますか
柔軟性を上げていこうかなと。シンプルに柔軟をやる。トレーナーの北上さんに可動域を広げるトレーニングを教えてもらう。関節を動かせる範囲が広がるほど、力が出しやすいと思うので。そこをもう１回見直して、やっていけたらなって思っています。あと、後半崩れてしまったのはスタミナ不足なのかなと思って、投げ込みをしっかりやっていこうと思っています。中継ぎも全然あると思うので、中継ぎで登板しても、抑えられるような練習をブルペンでもやります。
ーー秋に向けての意気込みをお願いします
１部復帰しかないです！
◇プロフィール◇
松澤海渡（まつざわ・かいと）
生年月日／2000・７・25
身長・体重／183㌢・87㌔
行ってみたい場所／アメリカ（メジャーリーグの試合を観たい。メジャーはたまに観ている。大谷選手とかいろんなメジャーリーグの選手を観てみたい。）
好きな曲／Official髭男dismの「Cry Baby」
※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。
※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
◇連続インタビュー一覧◇
８月８日羽田野温生投手
８月９日松本渉外野手
８月10日小口仁太郎内野手
８月11日大宮隆寛投手
８月12日瀬川航騎内野手
８月13日木村翔大内野手
８月14日佐々木俊輔外野手
