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2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。
(写真提供:東都ベースボールWeb)
第8日目は今シーズン抑えとしての好投が目立った羽田野温生投手(法3=汎愛)。目標としていた球速150㌔をマークし、監督からの期待も大きい右腕が、今季を振り返るとともに、さらなる進化を見据える。(取材日・7月20日、聞き手=青木智哉)
ーー春季リーグ戦はいかがでしたか
前半戦は打撃陣も調子が良くて、いい感じかなと思ったんですけど、後半につれて、みんなの調子が落ちていってしまいました。そこが秋に向けての課題ということで、しっかり秋につながるように。最後の方は、その課題を克服できるようにと思ってやっていました。
ーー今シーズンは全て終盤での登板でした
リードしていてもされていても自分の任された場面は絶対に抑えるっていう気持ちをもって投げていました。特にリードされている場面では、気持ちを出して、絶対に塁に出さないくらいの気持ちで投げていました。
ーー特に立正大2回戦での抑えは見事でした
あのときは1点差の緊迫した場面だったんで、とりあえずブルペンから自分の今までの最高のピッチングしようと思って、気持ちをつくって待っていました。
ーー目標であった球速150㌔を達成しましたね
球速150㌔以上を出すというのは一つの目標だったんですけど、駒澤大戦以前に練習では出ていたんで、神宮でとりあえず150㌔っていうのはよかったです。ただ、自分的にはもっといけるなと思っているので、もっと上を目指して頑張っていきたいです。
ーーマウンドに上がる中で成長はありましたか
場数を踏むことによって、いろんなシチュエーションで投げることができて、経験値はもちろん勝負強さというか、そういう面では強くなったかなと思います。
ーー細野(総2=東亜学園)投手を意識されたりしますか
そうですね。けっこう細野とは競ってるというか、お互いに言い合ってるんで。投げてるときは意識しないですけど、試合終わった後に「150㌔出したぞ」みたいには言っていますね。
ーー有観客と無観客での違いはありましたか
無観客は静かすぎて嫌だったんで、やっぱ観客がおったら、そのぶんアドレナリンというか、力も出るので。やっぱ観客はあった方がいいかなと思います。
ーー特に印象に残っている試合を教えてください
リードして投げるのがいちばん楽しいので、立正大戦はいちばん気持ちが入ったというか、いちばん自分の中でも自信もって投げられた試合ですね。
ーーリードしている場面は楽しさが勝るのですか
そうですね。緊迫したらするほど、その場面で任されたら嬉しいし、やっぱ投げられたら楽しいですね。
ーーシーズンを通しての収穫、課題は何ですか
球速はとりあえず150㌔っていう壁を突破したことで、それは収穫になると思いますね。ただ、國學院戦とかでは連打浴びたりしたので。短いイニングを投げるときに連打を浴びるのはいけないと思うので、そこの課題は残りましたね。
ーー今シーズンに点数つけるとしたら何点くらいでしょう
まあ50点くらいですかね。
ーー投手陣の雰囲気、まとまりはいかがでしたか
投手陣に関しては、みんなそれぞれ課題をもって取り組んでいて、特に悪い雰囲気ではなかったと思います。ただ、もう一つここぞの場面を抑えるには、一人一人の意識が薄かったんじゃないかなと思います。
ーーどこに課題があると考えていますか
序盤でリードされてズルズルいくパターンが多かったので、そういうときに中継ぎ陣が踏ん張らないといけないんですけど。ピッチャーが代わってそのままズルズルいってしまうところがピッチャー陣としての課題じゃないかなと思います。
ーー入替戦までの期間はどう過ごされていましたか
とりあえず期間が1か月あったということでもう一度、自分の身体とか体力面とかを見直して、ピッチャー陣みんななんですけど、トレーニングに励んでいました。
ーーシーズンの間とはまた違う時間ですか
そうですね。調整することがいちばんだったんで、がっつりトレーニングはしないんですけど、自分の調子を入替戦でベストに持っていけるようにと考えてやっていました。
ーー入替戦はベンチからどのように見守っていましたか
最初リードして、逆転されて、まだまだいけると思ったんですけど、打線が沈黙してしまいましたね。ベンチの雰囲気も悪かったんで、そのままズルズルと、リーグ戦と同じ展開になってしまったという印象を受けました。
ーー今後の目指すところはどこでしょう
秋のリーグ戦での投げる位置はまだ決まっていないですけど、数字的な面でいったら、目標として155㌔は投げたいと思っていて。あとは、防御率とかはできるだけ低くというか、できるだけ0点台、そういうのを目指してやっていきたいと思っています。
ーーこれから夏の期間、どのような取り組みをしていきたいですか
自分の中の課題はやっぱり変化球の精度というのもあるので、そういった精度を求めて、よりレベルの高いピッチングができたらいいなと思ってます。
ーー秋季リーグ戦では2部での戦いになりますが、チームとしての課題や必要な点、また、ご自身の役割というのは、どういうところにあると思いますか
とりあえず、秋は絶対に優勝して1部に上がらないといけないと思うので、チームとしてはスローガンでもある「一心」というのを掲げ、みんなの心を一つにしてやっていきたいと思います。投手陣に関しては、粘り強さを出してやっていきたいなと。個人的には、さっき言ったように、数字というところはもちろんなんですけど、任されたところは絶対に押さえるというところは変わらずにやっていきたいと思っています。
◇プロフィール◇
羽田野温生(はたの・はるき)
生年月日/2000・4・24
身長・体重/188㌢・90㌔
血液型/A型
好きな食べ物/もつ鍋
最近のマイブーム/いろいろなスポーツを観ること(イチオシはサッカーとバスケ。東京オリンピックでも注目)
大切にしている言葉/「負けん気」(高校の先輩から「気持ちを強くもって投げろ」と声を掛けられたことから)
※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。
※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
◇連続インタビュー一覧◇
8月9日松本渉外野手
8月10日小口仁太郎内野手
8月11日大宮隆寛投手
8月12日瀬川航騎内野手
8月13日木村翔大内野手
8月14日佐々木俊輔外野手