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2022.04.07
硬式野球

[硬式野球] ~いざ覚悟の春、再び聖地神宮へ〜12日間連続インタビュー第6日目・松澤海渡投手

昨季リーグ戦では多くの課題を見つけ、この冬レベルアップを図った東洋大ナイン。オープン戦を戦い多くの勝ち星をあげ、確実に自信をつけてきた。今季1部昇格に向けて、磨きをかけた彼らの覚悟の春が始まる。2部の開幕日まで硬式野球部の特集をお届けする


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


第6日目はピッチャーリーダーとして投手陣の先頭に立つ松澤海渡(営4=帝京)投手。課題と向き合い、投手陣として強化を図った冬を振り返り、チームへの強い思いを語った。(取材日・3月13日、聞き手=宮谷美涼)


ーー秋終わりのインタビューで「全部やらないといけない」とおっしゃっていましたが

フォームがまとまっていなかったので、そこを投げ込みでしっかりフォームを固めようという形でいこうと思いました。


ーー実際、練習の成果は現れていますか

ある程度、今は状態も上がってきて自分の理想、理想というか描いている通りのピッチングになってきているのかなというのはあります。


ーーこの冬、特に強化したところを教えてください

下半身を徹底的にやっていこうという感じで、ウエイトとかは下半身、あとバネと言う部分を意識して、ジャンプ系のトレーニングを取り入れました。ジャンプトレーニングはピッチングの中で出力を上げるというか、瞬発的な部分を上げるためのもので、身体のバネを作ることによって、一瞬で出す力を上げることをイメージしてやっていました。


ーー投手陣としてはどのようなことに取り組みましたか

全体的にはフォアボールを減らすというところを全員で取り組もうということで。ピッチングの中でも、100球投げ込んだ後にストライクの際どいところに投げ込む練習をしたりとか。去年はピッチャーのフォアボールがダントツで多くて、それが原因で2部に降格してしまったことが確実にあるので、ピッチャーでフォアボールを減らそうということでやりました。


ーー野手陣の失策が少なくなったことも四球の減少に関係していますか

昨年は、割と自分の時にエラーの数が多かったなとすごい感じてたんですけど(笑)。今年は、オープン戦をやっている中でもエラーは少ないですし、しっかりさばいてくれると、打たせて取る投球で野手に任せようという投球が出来るので、そういうことも含めてフォアボールが減っているのかなと思います。


ーー最上級生として意識していることは

自分はピッチャーリーダーを務めていて。練習の中でのトレーニングで、少しだらけてる部分があったら指摘してあげたりとか。そういう部分でお互いに厳しくやって、ピッチャー陣全体を見ることを意識しています。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーー松澤選手自身、オープン戦を戦ってみていかがでしょう

ちょっと前までは正直言ってあまり良くなかったんですけど、試合期に入ってから、だんだん上がってきているかなというのはあって。まだまだ伸びる部分はあると思うので。そこを追求してやっていけたらなと思います。また、相手が大学生だと甘い球を打ち損じているという部分が全然あると思うので。そういう部分を減らしていけたらなと思います。


ーー社会人と大学生相手ではどういった部分が異なりますか

社会人は甘く入ったら、一発で仕留めてくるという怖さがあるので。そういう部分では、大学生は多少甘く入ってもファールになってくれたりするんですけど、これから上のレベルでやるにあたってそういう部分を突き詰めていかないと、上のレベルで活躍できないと感じています。


ーー今の状態は

5、6割は出来ているかなと。まだまだ上がってくると思っているので。ここから上げていけたらなと思います。


ーー実際、オープン戦でも四球の数が減りましたよね

自分は打たせて取るピッチャーなので、ファールボールになってしまったら、バッターはバットを振りやすくなってしまうので、やはりストライク先行で、バッターは打っても3割だと思うので、どんどんストライクで攻めて、打たせて取ることを意識してやっています。


ーー実戦で意識しているところは

周りに声を掛けていこうかなと思っています。今はアウトを取るたびに、内野手全員とアウトカウントの確認をしたりとか、バッターの雰囲気を見てバントがあったら、サードとかファーストに声を掛けたりとか。やはり周りを見ることによって自分も落ち着きますし。今はファースト以外は、自分より年下が守っているんで。声を掛けることによってリラックスも出来ますしね。そういうところで気配り、目配りをやっていけたらいいなと思っています。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーー先発での理想は

最低でも6、7回はしっかり投げ切ることはしたいかなと思います。やはり早い回で降りてしまうと、中継ぎを投入しないといけない。中継ぎをしないといけないことによってリスクが高いということもありますし、中継ぎをたくさん投げさせてしまうと、後半戦にかけて投手陣の疲労も考えられますし、そういった部分ではやはり先発が長いイニングを投げることによって、中継ぎの負担を減らしていきたいなと思います。


ーー先発の駒が揃ってきましたね

ピッチャー陣全体として、すごくレベルが上がったと思います。今回からまた勝ち点制に戻って、多くて3試合戦うことになるので、先発は何人いてもいいと思うので。先発をやっている中でもゼロで抑えることによって、全体的に士気が高まって「自分もゼロで抑えなきゃ」とピッチャー陣の中でも競い合いがすごく出てきているのかなと思います。


ーー勝ち点制に戻りましたが

2勝先取制で正直、1つ落としてもまだ次があるという安心感はあるのですが、今年のスローガンは全勝ということなので、負けられないです。全部勝って入替戦も勝つということなので、「勝ち点制だからといって負けてもいいや」じゃなくて、全部取るつもりでいこうという感じです。


ーー今のチームの雰囲気はいかがでしょう

今、試合実戦をやっていて「負けない」ことをチームの中で重点に置いていて、それが出来ているのかなと思います。ピッチャーも踏ん張っていますし、野手も守備のエラーが少ないですし、終盤にも点を取ってくれたり、チーム的に強くなってきているかなと思っているので。そこで気を抜かずに練習を進めていきたいと思います。


ーーこちらからは雰囲気が変わったように見えましたが

自分が最上級生になって、自分なりにやりやすくなったという部分はあるんですけど(笑)。全体的に昨年よりは声が出ているのかなと。チームの中で情報を共有していることが多いのかなと感じますね。自分はピッチャーなので、ベンチに戻ったら、キャッチャーと「打線はこっちに張っているから、次はこういう風に配球していこう」といった事前の準備の声を増やした感じです。昨年はやっていない訳ではなかったですが、昨年と比べてチームの中でいい雰囲気で臨めてるというか。その中でいつも通り情報を共有しあったりとか出来ているのかなと思います。


ーー松澤選手から見た小口(法4=智弁学園)主将はいかがでしょう

全体が見えているかなと思います。野球のプレー以外の部分でもそうですし、全体的にも気配り、目配りできて、いろいろな指示を出せるキャプテンなのかなと思います。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーーこの春の目標を教えてください

チームとしては優勝して1部昇格。個人としては先発やるにしろ、中継ぎやるにしろ、失点しないことを目標に。失点しないことで、負けることは確実にないので、そういう部分にこだわってやっていきたいです。


ーー最後にラストイヤーにかける思いをお願いします

大学最後の1年間になるんですけど、1~3年の春までは神宮でやらしてもらっていたので、やっぱり最後は神宮でやりたいなという気持ちは強いですし、チームとしても東洋は2部にいてはいけないという思いがすごく強いので。今年に懸ける思いはみんなすごいと思いますし、絶対1部昇格は出来ると思っています。必ず神宮に戻りたいです。



◇プロフィール◇

松澤海渡(まつざわ・かいと)

生年月日/2000・7・25

身長・体重/183㌢・91㌔  

よく作る料理/麻婆豆腐 (簡単に作れるのでよく作っています)

休日の過ごし方/寝だめ (普段は夜10時くらいまでトレーニングをしているので、寝る時間も日付変わるか変わらないかで寝て、朝は6時くらいに起きているので、寝ている時に寝ておこうみたいな(笑)。)

小さいころの夢/ウルトラマン (フィギュアがたくさん家にあって。姉の子供が来た時にそのフィギュアでよく遊んでいます)


※オンラインでの取材をもとに作成しています。



◇連続インタビュー一覧◇

第1日目 杉本泰彦監督  「したたかなチームに」

第2日目 加藤響内野手  「チームを勝たせられるように」

第3日目 松本憲信内野手 「野球部代表の自覚を持って」

第4日目 一條力真投手  「同期・後輩に負けないように」

第5日目 細野晴希投手  「絶対に点を取られない」

4月8日 後藤聖基捕手

4月9日 石上泰輝内野手

4月10日 矢吹栄希外野手

4月11日 羽田野温生投手

4月12日 松本渉外野手

4月13日 小口仁太郎主将


◇2部開幕前特別企画◇

4月14日 3年外野手対談〜橋本吏功外野手・水谷祥平外野手・宮本涼太外野手〜

4月15日 ラストイヤーに向けて〜河北将太投手・渡邊友哉投手〜