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2018.02.08
コラム

第593回 好きこそ物の上手なれ 執筆者・藤井圭


 先週2月1日に2017年度の全ての会議が終了し、私たち3年生は完全引退となりました。自分はこのスポーツ東洋で編集長を務め、3つの部活動を担当していました。取材でお世話になった男子サッカー部、女子サッカー部、バスケットボール部、アーチェリー部の皆様、そして新聞作成にあたって協力していただいた報知新聞社の皆様、スポーツ東洋をいつも気にかけて声かけていただいた甫水会、校友会の皆様、その他にもスポトウを読んでいただいている全ての皆様、本当にありがとうございました。


 最後の会議では引退という実感は全くなかったものの、帰ってから一人で後輩のみんなからいただいたメッセージを読んで、「編集長お疲れ様でした」と書かれている文面を見ると本当にスポトウ引退したんだなと気付かされます。編集長になってから私の頭の中からスポトウを離した日はありません。そんなものが無くなってしまった。何だか自分の中に大きな穴が開いてしまった気分です。いまだにSHAMROCKと777とPERFECT HUMANを聴くと先週を思い出してしまう(身内ネタ)スポトウロス進行形ですが、それにも負けずに引退コラムを書きたいと思います。



 そんな先週の会議で私は、1年生へある宿題を出しました。

「スポトウの良さを考えてみてください」

 これは来年から先輩になる1年生へ向けて、新入生を誘うためにスポトウにはどんなところに良さがあるか考えてみてほしいと思ったからです。


 これを言ったあとに自分でも改めてスポトウってどんなところが良さだったのかなと考えてみました。選手に取材ができて生の声を聞けるところ?記事を書くことでレポートとかが辛くなくなるところ?選手のプレーしているかっこいい写真をたくさんとれるところ?全て正解だと思います。来年の新入生にスポトウの活動をアピールするには十分ではないでしょうか。


 でも私が3年間活動して思うスポトウの良さは「好きなものが増える」ということかなと思います。特に私は大学生生活で、好きなスポーツがたくさん増えたなと感じます。


 スポトウを見つけた頃、大学1年生の私はサッカーにしか興味がありませんでした。今だから話すと初めてスポトウの概要を聞いたときに、「他のスポーツも行かないといけないのか…」と思ったりもしていました。けれど他のスポーツへ取材に行ったりスポトウの記事を読むことで、そのスポーツの良さや楽しさを知ったのです。


 担当しているバスケやアーチェリーは当然ですが、私はそれ以外にもたくさんのスポーツに興味や関心を持つようになりました。駅伝を含めた陸上競技や野球、アイスホッケーや相撲に水泳など、実際に現地で観に行きたい競技はたくさん増えています。実際に野球やバスケはプロの試合も観に行って、今は少しずつ勉強しているところです。駅伝も3年間で入学当初に比べるとかなり詳しくなりましたし、今日から開幕している平昌五輪でもアイスホッケーやフィギュアスケートにスピードスケート、そしてスキーの安藤麻選手にとても期待しています。こういった点はスポーツの感動を教えてくれた部員の皆様や、この取材来てほしいと誘ってくれた先輩方に感謝しなければいけません。こういったところがスポーツ東洋の良さの1つであるのだと思います。


 しかし必ず全部員がそうなるとは限りません。1つのスポーツを特出して好きという人もいます。でもそういう人もそのスポーツの新たな部分に気づいて好きになっていると思います。部員の中には高校時代やっていた部活動を担当していないという部員もいれば、スポトウをやるまで全くスポーツを見たことなかったという部員もいます。だからこそスポーツ東洋は、好きが増える活動なんだと私は胸を張って言えます。


 なので私たちのつくる紙面は、部員たちの“好き”が凝縮されたものであるということを知ってほしいです。もちろん東洋大の部活動を伝えることを大前提としていますが、その紙面をつくるにも、こういった企画をやりたい!とかこうやってこの選手を推したい!とかそういう記者たちの好きがたくさん詰まっています。愛情の塊みたいなものですね。面の構成をする会議では、それぞれの担当記者が自分の担当部活を大きく扱いたいと、たくさんアピールしているのです。私がこの1年間で心がけたものの1つがこの会議でした。好きだからこれだけの愛情を注いで、それでも面数の関係で大きく扱えなかった部活動や担当記者の思いも背負って、紙面をつくっていく。紙面作成にはこういう背景も実はあったりするのです。なので朝日新聞や報知新聞などで、賞をいただいたときには私たちの愛が受け入れられたのだと思いとても感動しました。


 私はこの1年間、編集長を務めていましたが、前からどんどん引っ張っていくタイプではありませんでした。同期は皆、これがやりたいという思いが強く、わざわざ自分が先頭に立つ必要もなかったのかもしれません。一番後ろから全体を見て、困っていたり分からない人には声をかける。必要な時には必ず居る。そして本当に大事な場面では必ず先頭に立つ。そんなことを意識しながら編集長を務めていました。だから、実は私が編集長だって知らない人も多いと思います(笑)。それでもスポトウをより良くするために、頭の中から外したことはありません。それもきっと2年生の頃に好き勝手やらせてもらって、たくさん迷惑をかけながらも許してくれた先輩方がいたおかげだと思っています。そしてこういうことがやりたいと、たくさんの意見を出してくれた同期のおかげでもあります。


 最後になりますが、この1年間スポーツ東洋の編集長としてたくさんの方々にお世話になりました。スポーツ東洋は、これからも進化し続けていきます。部員が変わるのだから紙面も変わるのは当然です。けれど、ひとつだけ絶対に変わらないもの。それがスポーツ、そして運動部への“好き”という気持ちです。これがなければ、取材も紙面作成もできません。「好きこそ物の上手なれ」。好きな気持ちは永遠に続くのだから、これからもずっと良いものが生まれることでしょう。これからもスポトウ部員の愛情を受け取っていただければと思います。私もスポトウOBとして陰ながら応援して、さらにいいものを期待したいと思います。3年間、本当にありがとうございました。





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本編は終了致しましたが、最後にこれがやりたかったので、興味のある方だけお付き合いください(笑)。


『藤井圭の忘れられない取材ベスト5』


ということで私が3年間で記憶に残っている取材ベスト5を、寸評とその記事とともに発表していきたいと思います。ここからはただのブログなので、硬い感じはナシでお願いします(笑)。




第5位


[ホッケー部門]崩されたゲームプラン 力出し切れず完敗



 これは1年生の頃に初めてアイスホッケーを見た試合で、名前が載っている記事です。リーグ戦で唯一行った試合で唯一無得点での敗戦。その後、藤井がアイホ取材に呼ばれることはなかった…というのは冗談(でありたい)ですが、内容は悔しい結果ではありましたが、アイスホッケーの面白さを初めて肌で実感したので個人的にはすごく記憶に残っています。



第4位


[バスケ]待望のリーグ戦初勝利! 立大に勝利し連敗ストップ


 バスケの今年度のリーグ戦14連敗をストップした記事です。1勝することの難しさや勝つことのうれしさを改めて体感した試合でした。ちなみにその前年の12連敗を止めたのも自分が書いた記事という勝ち運を持っていたり…今年バスケ部が勝った試合は全て現地で見届けることができたのが、個人的にうれしいです。



第3位


[女子サッカー]大内スーパーゴールも 逆転許し早大に2-3で惜敗


 インカレ3連覇中の女王・早大に対して最後まで勝利の可能性を残しながらも敗戦した記事。正直3年間で一番悔しい試合と言っても過言ではありません。そして、大好きなサッカーがさらに好きになった瞬間その1でもあります。きっと来年度はやってくれることでしょう!是非ともインカレ優勝してほしいです。



第2位


[アーチェリー・男子]「もう1点を射抜け」昨年のリベンジを達成し、悲願の1部昇格へ!


 「アーチェリー班に入ってよかった」と心から思った記事です。アーチェリーというスポーツの面白さを少しずつ分かり始めていたときにこの試合があったので、とても感動しました。個人的に中野選手の胴上げの写真も、大好きな1枚になりました。来季は男女1部でのリーグ戦となりますが、さらなる飛躍に期待です。



第1位


[サッカー]最終節、神大に劇的勝利で念願の1部昇格


 勝たなければ昇格できない上に、引き分け以下なら目の前で昇格を決められてしまうという神大との1部昇格直接対決で、ここまで劇的な勝利を収めるとはキックオフ時には思っていませんでした。得点が決まって各所でぐちゃぐちゃになりながらみんなで昇格を喜んでいたあの瞬間は、絶対に忘れられません。大好きなサッカーがさらに好きになった瞬間その2です。そして個人的に一番好きな紙面もこの試合です。これはサッカー班の総力をあげてつくった大切な面です。ここにも好きがたくさん詰まっています。ちなみにあまり知られていませんので言っておくと、このメインの写真を撮ったのも自分です(笑)。コラムも担当していた徳市選手が、最終戦でゴールを決めて昇格も決めて選手みんなが喜んでいる。こんな写真が撮れただけで、スポトウをやっていてよかったなと思えます。




 またサッカー班では、選手コラムや企画にも全力を注いできました。スポトウ内ではもちろんのこと駒大スポーツさんとコラボできたことが、すごくうれしかったです。コマスポさん、その時はありがとうございました!本当はもっともっとやりたいことはたくさんありましたが、その一部を体現できたのは大学生活での貴重な財産だと思っており、これは私の好きの塊です。少しでも過去記事にも触れていただければと思い一番下にリンクを掲載いたしましたので、是非ご一読をよろしくお願いします。



では、本当にこれで最後にします。改めて3年間お世話になりました。これからのスポーツ東洋と、藤井圭にもご期待ください!


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