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東都大学野球春季2部リーグ戦・東農大1回戦
4月16日(土) 大田スタジアム
〇東洋大4-1東農大
7回13奪三振に152㌔をマークした細野
一條は1イニングをわずか8球で終わらせた
羽田野は1失点と悔いの残る結果に
東洋大の投手陣のレベルの高さを初戦から見せつけた。先発の細野(総3=東亜学園)は7回13奪三振と波に乗ると一條(総2=常総学院)と羽田野(法4=汎愛)も続いた。また3人とも150㌔を記録。この冬の投手陣の成長を披露することとなった。
3季連続でリーグ戦初戦の先発を任された細野は緩急をつけた投球で次々と三振を奪い、相手打者を翻弄。二回には公式戦では自己最速となる152㌔をマークし、序盤から試合を盛り上げる。
しかし四回、死球で初めて出塁を許すと、小口(法4=智弁学園)の「ここで切り替えよう」と声掛けで気合を入れ直した左腕が投じた一球は強烈なゴロとなり松本憲(営2=成田)の元へ。必死に打球を追いかけ、転がり込みながらも捕球し、連携プレーで併殺とした。七回にも2連打を浴びたが、動揺を見せず。次の打者を水谷(営3=龍谷大平安)がフェンス際で打球に飛びつくファインプレーでアウトにすると、最後はスプリットで空振り三振。相手に本塁を踏ませることはなかった。この日の細野は7回13奪三振、無失点、そして自己最速を更新したが「まだまだ足りない」とその目は上を見つめている。
八回からは一條がマウンドへ。「リズムよく投げていきたい」との通り、わずか8球でこの回を終わらせ、最後にはこちらも最速となる151㌔を記録。三振とし颯爽とベンチに戻っていった。
野手陣の援護もあり、勝利を目前に控えた九回は羽田野が登板。流れに乗りたいところだったが、死球を与え、次をスライダーで見逃し三振としたのも束の間、二塁打を浴び、1点を返される。これに羽田野は「失投だった。自分の力が出し切れなかった」と深く反省。それでも152㌔を記録し、力強さを見せつけた。
投手陣はこの日、登板した3人全員が150㌔以上の数字をスコアボードに叩き出した。杉本監督が「日本一のピッチャー陣」と自信を見せ、厳しいレギュラー争いを繰り広げているこの布陣。もう一度神宮のマウンドに立つために、お互いに切磋琢磨し合いながら、この春を駆け抜ける。
■コメント
・細野(総3=東亜学園)
(投球を振り返って)内容抜きで0で抑えられたのでよかったです。(内容は)結果だけ見たら、フォアボールは0だったんですけど、3ボールから相手のバッターにボール球を振ってもらったり、そういったところはまだまだ足りないと思います。(昨年の投球フォームから変わりましたが)足を高く上げるフォームは、疲れるというか。長く投げたり、連投したりするのが厳しくなるかなというのが一つと、少ない力で球速が出るようになったんで、それで変えようとしました。(152㌔が出ていましたが)試合だったら最速ですね。(投球練習だと)154㌔ですね。(同世代のプロ野球選手の活躍をどう見ているか)もちろん刺激を受けますし、レベルが高い中で結果を残せるのはすごいなと思います。(七回の最後、三振を取ったのは)僕の中ではまっすぐかスプリットでの二択で、キャッチャーの後藤がスプリットのサインを出したので思い切って投げようと思って。三振を取れて良かったです。
・羽田野(法4=汎愛)
(投球を振り返って)前のバッターをスライダーで見逃し三振だったので、次のバッターも同じようにいこうと三振を狙って投げました。(失投だったか)キャッチャーの投げたコースに関しては失投であるかなと思います。(今日の調子は)調子自体は万全では無かったんですけど、自分の中では力は出し切れてなかったかなと思います。(登板したときの気持ちは)前の細野と一條がいいピッチングで僕に回してくれたので、0で終えるぞという気持ちでいたんですけど。デッドボールが当たってそこから自分的にも狂ってしまったんで。次の登板までには修正します。(出しきれてないとは)まっすぐを結構当てられていたんですけど、コースを投げ切れなかったんで力を出しきれなかったかなと。
TEXT=宮谷美涼