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昨季リーグ戦では多くの課題を見つけ、この冬レベルアップを図った東洋大ナイン。オープン戦を戦い多くの勝ち星をあげ、確実に自信をつけてきた。今季1部昇格に向けて、磨きをかけた彼らの覚悟の春が始まる。2部の開幕日まで硬式野球部の特集をお届けする。
(写真提供:東洋大学硬式野球部)
第10日目は、オープン戦で好投を演じている羽田野温生(法4=汎愛)投手。昨季終了後、「課題を克服し、長所を伸ばす」と宣言した通り、順調に調整を進めている。そんな右腕が、副主将として、一人のピッチャーとして、春季リーグ戦を前に気持ちを引き締め直した。(取材日=3月16日、聞き手=青木智哉)
ーーここまでのオープン戦を振り返っていかがですか
初戦の神大戦の時に点を取られて、そのときはホームランだったんですけど、その失投、一球だけが、今のオープン戦では反省点というか。今年の目標、課題として、制球面はもちろんなんですけど、無駄球を減らすというのがあって。その無駄球を減らした上で、失投も無くしていけたらいいなという課題をもって取り組んでいます。
ーーオープン戦での個人の成績はどのように評価されていますか
一回、先発で5イニング投げさせていただいて、そのときフォアボールを一つ出してしまったんですけど。そのフォアボールも攻めた結果のフォアボールだったので、全然良かったかなと思いますし、今のところ順調に来ているかなと思います。
ーーそれでは先発した関東学院大戦はいかがでしたか
先発と抑えではもちろんイニング数が違うので、抑えでは力でどんどん押していく形をとっていたんですけど、先発では力でいったらスタミナももたないですし、そういったところからして変化球でカウントを取るのがどれほど大切なことかっていうのは感じました。だからこそ、先発の経験を生かして、変化球の組み立てという投球面のところを抑えのときも生かしていければいいなと思います。
(写真提供:東洋大学硬式野球部)
ーー以前と比べて変化はありましたか
今は、変化球でカウントを整えることに取り組んでいて。それができるようになってきたんで、配球としても組み立てやすくなりましたし、自分の持ち味である最後まっすぐで勝負しにいきやすくなったというのはあります。
ーー球速の面ではいかがですか
今のところ、オープン戦では全試合で150㌔以上は出ているので順調だと思いますし、155㌔も出ているので。155㌔は2、3回出ていますね。以前と比べても、一段と出力は上がってきている状態なのかなと。やっぱり自分の中ではまだ上に行けそうなので、もっと上を目指してやりたいです。
ーー以前のインタビューで、「課題を克服し、長所を伸ばしたい」と話されていましたが、冬の期間に取り組んだことはありますか
制球面に関しては、投げ込んで、より感覚をつかむということを重点的にやりました。あとは、30球投げて何球ストライク取れるかというのを継続してやっていた結果、それなりに感覚もつかみだして、今のフォアボールが少ないという現状を作り出せているかなと思います。長所というところに関しては、まっすぐだと思うので、ウエイトトレーニングを中心に出力を上げるということをこの冬は課題としてやってきたので、今のところは順調にその成果が出てきているのかなと思います。
ーーオープン戦での収穫はありますか
現時点で言いますと、変化球でカウントを作れているというところが一つと、あとはまっすぐも威力が増していると思うので、もっと質を求めてやっていけたらいいなと思います。
ーー副主将として意識の変化はありましたか
副主将という立場に就かせていただいて、やっぱりピッチャー陣も引っ張っていかないといけないという気持ちは強くありましたし、日が経つにつれて責任感というか、自分がしっかりしないと下級生もついてこないと思うので、そういったところを日常生活から見直すようになりました。あとは、自分がベンチでしっかり声を出してチームを鼓舞していくというのも、下級生の頃から変わりましたし、そういったところの意識というのはけっこう変わりました。
(写真提供:東洋大学硬式野球部)
ーーチーム内で話し合っている雰囲気はありますか
今のチーム方針として、ピッチャー陣と野手陣の距離を無くすっていうところもあるので、そこに関しては、ピッチャー陣と野手陣の間でも、野手陣、ピッチャー陣共に会話が増えて、いい雰囲気ではあると思います。
ーーピッチャー陣での話し合いはいかがですか
自分がベンチにいるときは、自分の前に投げたピッチャーがベンチに戻ってきたら、そこがこうなっているというか、フォームのことでばらつきがあったら、ちょっと開いているよとか。あとは、バッテリーに対して配球のこととかアドバイスしたり、そういうことでコミュニケーションを取ったりしています。
ーー後輩にアドバイスはされていますか
下級生からもいろいろアドバイスを求めてきたりしてくれるというのは多くなりましたし、下級生が上級生の姿を見て、向上心をもって取り組むというのは、チームとしてもいい方向に向かっていると思うので、そういうのはよいと思います。どんどん下級生から聞いてくれたら、こっちも経験がある身としてアドバイスするので、チームとしてプラスの方向に動けていけたらいいなと思います。
ーー今のチームの雰囲気や状態はいかがでしょう
まだ完全に上がりきっているわけではないんですけど、ピッチャーが抑えた試合はバッターが打って、バッターが打てない試合はピッチャーがそこをカバーするといったところは、これからの課題だと思っているので、そこがかみ合ってきたら今年のチームはけっこう強くなると思うので。今の状態がマックスではないので、これからもっと上がっていくと思います。
ーーピッチャー陣の力はどう感じていますか
今の状態でいけば十分戦えると思います。でも、崩れるときは崩れてしまうので、そこを直していかないといけないと思いますし、ピッチャーに求められるのは安定感だと思うので。今年のピッチャー陣は力があると思うので、安定感さえ出てくれば、勝ち切ることはできるのかなと思っています。
(写真提供:東洋大学硬式野球部)
ーー春季リーグ戦開幕への心境はいかがですか
この春は絶対に負けられないと思うので。スローガンでもある「全勝」というのはチームとしても掲げているんで、そこを目指して、絶対に1部に上がるっていう気持ちでリーグ戦を突っ走っていきたいと思います。
ーー春季リーグ戦での個人的な目標を教えてください
これはずっと言っていることなんですけど、任されているところは絶対に抑えるというところは、最終学年として1部に上げる責任があると思うので、しっかり目標を立ててやっていきたいと思います。また、球速160㌔というのも一つの目標です。力を入れたら出るかもしれないですけど、力を入れずに安定したピッチングをしつつ、そういう数字を求めていくということを、レベルは高いですが、これからは目指していきたいとです。
ーーリーグ戦ではどのようなプレーがポイントになると思いますか
先制点を取ることだと思います。先制点を取ることでゲームの流れが大きく傾くと思うので、先制点を取って、そのまま一気にいけたらいいと思いますし、先制点を取って、そのままロースコアの均衡した展開になれば、そこではピッチャーの力の見せ所だと思っているので。そこのピッチャー陣のチームワークというか、ピッチャー全体で抑えるというのもキーになってくるかなと思います。
ーーリーグ戦での注目選手はどなたでしょう
ピッチャーは細野(総3=東亜学園)。細野は先発として躍動してくれると思うので、そこはキーマンとして挙げたいですし、あと野手としてはショートの石上泰(営3=徳島商業)。その2人はキーマンとして挙げたいなと思っています。
ーー最後に春季リーグ戦への意気込みをお願いします
絶対に1部に上がるというのがチームとしてもあるので、連勝するというのが一つの目標であります。個人としても進路にも関わることがあるので、しっかり結果を出しつつ、一つの目標とする160㌔を達成して、存在感をアピールしたいなと思っています。
◇プロフィール◇
羽田野温生(はたの・はるき)
生年月日/2000・4・24
身長・体重/188㌢・90㌔
今年度の目標/しっかり単位を取る(日常生活の安定が野球につながると思う)
自身の投球のここに注目/まっすぐで圧倒する球
冬の期間の思い出/家族全員で正月を迎えられたこと
※オンラインでの取材をもとに作成しています。
◇連続インタビュー一覧◇
第7日目 後藤聖基捕手 「全勝させられるキャッチャーを目指して」
第8日目 石上泰輝内野手 「チームのために打点を挙げられるバッティングを」
4月12日 松本渉外野手
4月13日 小口仁太郎主将
◇2部開幕前特別企画◇
4月14日 3年外野手対談〜橋本吏功外野手・水谷祥平外野手・宮本涼太外野手〜
4月15日 ラストイヤーに向けて〜河北将太投手・渡邊友哉投手〜