Article

記事


2022.04.13
硬式野球

[硬式野球] ~いざ覚悟の春、再び聖地神宮へ〜12日間連続インタビュー最終日・小口仁太郎主将

昨季リーグ戦では多くの課題を見つけ、この冬レベルアップを図った東洋大ナイン。オープン戦を戦い多くの勝ち星をあげ、確実に自信をつけてきた。今季1部昇格に向けて、磨きをかけた彼らの覚悟の春が始まる。2部の開幕日まで硬式野球部の特集をお届けする。 


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


最終日は、チームの先頭に立つ小口仁太郎(法4=智弁学園)主将。硬式野球部創立100周年を迎えた今年度、1部昇格に誰よりも燃えているキャプテンが今のチームに対する思いを熱く語った。(取材日・3月14日、聞き手=宮谷美涼)


ーーオープン戦を戦ってみていかがですか

勝てているので、そこはいいと思います。勝っても、毎試合ごと課題は出てくるので。今は勝ちにこだわって出来ていて、オープン戦で負けたら試合後に走るルールを定めて、そのルールを定めてからチームが良くなっていきましたね。


ーー以前のインタビューでは小口選手自身「ベンチから試合を見るのは楽」とおっしゃっていましたが、現在はいかがでしょう

楽ではないですけど、チームのこと優先じゃないですか。チームがミスしたら、僕がチームの代表なので、僕のせいというか責任を感じますね。かなり考えるようになりました。


ーーオープン戦の時もベンチで積極的に声を出していますよね

すごい出してます。とりあえず、勝つために必死です。だから勝手に声が出ます。勝つための声出しなので。


ーーベンチの雰囲気も以前とは異なるように見えますが

もうふざけてられないですね(笑)。今も楽しんでますけど、真剣にやっていて。真剣に遊んでいる感じですね。そういった雰囲気が勝ちにつながっているのだと思います。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーーチームとしての雰囲気はいかがでしょう

かなり変わりましたね。厳しくというか、ミスだったり、やったらあかんこととかを見逃さなくなりました。当たり前のことができなかったら言いますし。去年はそのまま流してやり続けていたんで。エラーしても「しょうがない」みたいな。試合の時は「しょうがない」でいいと思うけど、練習から「しょうがない」だったら絶対試合で出てくるので。練習から変えていこうという感じです。


ーーこの冬、内野手陣で取り組んだことを教えてください

守備面で、送球にめっちゃこだわってやっているのと、絶対にアウトにできる打球は処理できるように取り組んでいます。


ーー練習の成果は感じていますか

この冬、守備にこだわってやってきたので、手応えは感じています。エラーも少なくなりましたしね。


ーーバッティングの方は

もともとみんないいので。いいんですけど、やはり打てない時とかあるじゃないですか。進めるところとかをしっかりしていれば絶対に勝てると思うので。やることをしっかりやって確実に点を取れるようにしています。


ーー投手陣のレベルもかなり高くなりましたが

すごいですね。調子もいいですし、フォアボールを出したら「えっ」という雰囲気になってきたので。フォアボールが当たり前では無くなってきて野手陣の守備力も上がったことで、ピッチャーも「カウントが悪くなったら打たせていくよ」という感じで打たせることが多くなったので、フォアボールが減ったのだと思います。


ーー主将に就任して、小口選手自身変化はありましたか

結構言うようになりましたね。引っ張らないといけないので、練習中も結構止めて言ったりしますし、きついことも言うこともありますけど、それが徐々に周りに浸透してきていい雰囲気になってると思います。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


羽田野(法4=汎愛)選手に変化が見られたとおっしゃっていましたが

結構言ってくれたりしますね。ピッチャーと野手のミーティングも増えましたし、一緒に集合してそこからばらけていくということが増えたので。そういう時もピッチャー陣を引っ張って、誰かを喋らせたりとか。結構前に立って発言することが増えて、周りに声掛けたりしているので。ベンチに戻った時もすごい声を出していますし、本当に変わったなと思います。


ーー他の幹部の方とはどのような話をされますか

やはり「もってこうしていこう」とか。幹部中心になって、形で姿で見せていかないとダメなので。幹部が先頭に立って「俺らがしっかりやろう」という話はしています。


ーーオープン戦では社会人チームとも戦う機会がありますが

レベルの差は感じているんですけど、強い相手がほとんどなので、それに向かっていくだけですね。やれることをやっておけばいいということが分かったことが収穫ですね。社会人相手でも、これだけ戦えるんだなということが分かりました。


ーー負ける時もありますが

なんで負けたかとか、そういうことを話し合って、次どうしていくかで、今の課題を見つけてそこで解決して整理してからその日で終わらせています。昨年は負けると、そのままズルズルいっている感じがあったので。そういう雰囲気になっていましたし、僕ら選手も気付いていたので。その日はその日でしっかり反省して、その悔しさを持ちつつ、切り替えていかないとダメなんで、そういう風にしています。


ーー小口選手自身、顔つきが変わりましたね

変えてます(笑)。僕がヘラヘラしちゃうとみんなヘラヘラしちゃうので。しんどい練習の時は笑うのも大事なので。やるときはやるでしっかりメリハリ付けてやるようになりました。


ーー以前のインタビューでは「口だけの主将にならない」ことを目標にしていましたが、実践出来ていますか

出来ています。高校の時もとりあえずキャプテンやってたんで、そのことも考えながら、周りを見ながらやっています。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーー主将から見た今のチームはいかがでしょう

いい感じだと思います。多く会話をして、全員が思っていることが言えているので。他学年の人たちも「こっちの方がいいんじゃないんですか」と言ったりするので。ピッチャー陣も、細野(総3=東亜学園)がチーム全体のことも言ってくれるようになりましたね。


ーー今年度のスローガン「全勝~圧倒~」に込められた思いを教えてください

僕らの目標は、春に1部に上がって秋に日本一になることが目標なので、やはり2部で圧倒して1部に上がらないと、そういう目標もなくなってしまうので、やはり圧倒して1部に上がって、「東洋強いな」と思ってもらいたいので。


ーー今のチームの課題はなんでしょう

ここ一本というところですかね。チャンスは作れているんで、あと一本というところが課題ですね。


ーー小口選手自身の課題はありますか

あんまり考えてなかったな。チームのことしか見てないです。自分のことは考えてないです。チームが勝てばいいので。


ーーこの春の個人的な目標を教えてください

ベストナインは取ります。


ーー1部昇格に自信はありますか

あります。絶対に上がります。


ーー春季オープン戦全体を通していかがでしたか(取材日・4月11日)

ピッチャーも野手も完璧ではないですけど、やろうとしていた事が少しずつできてきたので良かったです。ピッチャーの調子が良くない時に野手がカバーして、野手が良くない時にピッチャーがカバーできていたんでチームとしてすごく変わったと思います。今までは、「ピッチャーちゃんと投げろよ」とか「野手打てや」とか他人事になっていたんですけど、今は野手が「カバーしよ」とか「ピッチャーがカバーしてくれ」とかの言葉が出てくるようになったのですごく良いチームです。


ーー最後に意気込みをお願いします

負ける気がしません。全勝します。


(写真提供:ご本人)



◇プロフィール◇

小口仁太郎(こぐち・じんたろう)

生年月日/2001・3・26

身長・体重/184㌢・84㌔

地元・奈良の好きなところ/友達がいるところ

最近心掛けていること/部屋を綺麗にする

座右の銘/この世に悪い人はいない(生きてきて人は見かけによると思っていたけど、喋ってみるとそんなことなくて、いい人が多いなと思った。でも、親に言ったら「どうしても悪い人はいるからね」と言われた)


※オンラインでの取材をもとに作成しています。


◇連続インタビュー一覧◇

第1日目 杉本泰彦監督  「したたかなチームに」

第2日目 加藤響内野手  「チームを勝たせられるように」

第3日目 松本憲信内野手 「野球部代表の自覚を持って」

第4日目 一條力真投手  「同期・後輩に負けないように」

第5日目 細野晴希投手  「絶対に点を取られない」

第6日目 松澤海渡投手  「ピッチャーリーダーとしての決意」

第7日目 後藤聖基捕手  「全勝させられるキャッチャーを目指して」

第8日目 石上泰輝内野手 「チームのために打点を挙げられるバッティングを」

第9日目 矢吹栄希外野手 「打撃三冠を目指して」

第10日目 羽田野温生投手 「球速160㌔が一つの目標」

第11日目 松本渉外野手  「今年はしっかりやり返す」


◇2部開幕前特別企画◇

4月14日 3年外野手対談〜橋本吏功外野手・水谷祥平外野手・宮本涼太外野手〜

4月15日 ラストイヤーに向けて〜河北将太投手・渡邊友哉投手〜