[硬式野球]～ついに決めた5季ぶりの１部昇格、新たなスタートに向けた勝負の夏～13日間連続インタビュー13日目・水谷祥平主将

2023.08.13

聖地神宮で再び戦うことを目標に“一戦必勝”のスローガンのもと戦い続けた東洋大の戦士たち。戦い抜いた先に待っていたのは5季ぶりの１部昇格という最高の結果だった。自分たちの力で勝利をつかみ取り、目標を達成した今季を振り返った時、選手たちは何を語るのか。どのような思いで戦っていたのか。激闘の半年を振り返ってもらう。

13日間連続インタビュー最終日は、主将としてチームを率いて1部昇格を達成した水谷祥平外野手（営４＝龍谷大平安）。今季にかける想いが人一倍強かったが、チームの結果とは裏腹に個人としては苦しい半年間だったという。そんな今季を終えた今、主将としてチームをどのように振り返るのか、個人として何を思うのか。胸の内を明かしてくれた。（聞き手＝成吉葵）

――今季のチームを振り返って

細野（総４＝東亜学園）が投げれば勝てる、初戦が取れる。これは本当に大きかったですし、最初の頃、全く援護できない中でも粘ってくれた投手陣に感謝してます。けど今季、５カード中3カードで２戦目落とした。ここは新チームになってから懸念された課題なんですけど、リーグ戦でも結局解決できなかったですね。けど、入れ替え戦では野澤（総４＝龍谷大平安）がピシャっと抑えてくれたので良かったです。

――今季の個人としては

“不甲斐ない“の一言に尽きますね。何もできなかったです。

――少し打撃の状態が良くなかった

大事なところで一本は出来たらいいなって感じだったんですけど、できなくて。チーム打率も高くなかったし、自分が足を引っ張ってしまった。投手陣には負担をかけてしまったし、自分が背中で引っ張れたらよかったのになって思いはあります。

――打順４番、背番号１番の重みや責任などはありましたか

主将としての責任とかはもちろんありますけど、グラウンド上ではそういうのはないです。ほんとに自分の技術と考え方の問題ですね。

――自分の中で歯車が合わなかったということですか

そうですね。ボールの見え方とか、自分のゾーンを作れなかったという感じだと思ってます。

――苦しんだ中でも立正大2回戦で本塁打が飛び出しました。あのホームランについてお聞かせください。

狙ってたわけではないですが、状態が悪い中で打てたのは大きかったです。チームのみんなも喜んでくれて、ホームランはいいなって思いました。個人として、あそこから状態を上げられれば良かったんですけど、なんも変わらず。そこは悔しかったですね。

――今季、守備面での好プレーによってチームを救っていました。

状況がある中でしっかり準備ができていたし、打撃を引きずらずに切り替えられたのは大きかったです。準備というのは攻守において野球に生きてくる大事なものなので、打撃ではできなかったですけど、守備でできていて良かったです。

――今季印象に残ってる試合

専大３回戦ですかね。優勝というものは決まっていたんですけど、僕らは完全優勝を狙っていて、最終回に追いついてタイブレークでサヨナラという展開は、入れ替え戦につながったのかなって思います。たらればですけど、あれで負けていたら入れ替え戦の流れもなかったのかなって思います。

――優勝が決まっていたとおしゃっていましたが、その優勝の決まった拓大３回戦についてなにかありますか

前日の負け方が最悪だったなかでしっかり勝ちきって優勝できたのは良かったですし、昨秋は手に入れられなかったタイトルなので、再び優勝できたのは素直に嬉しかったです。ただ、昨春に２部で優勝、完全優勝果たしても結局上がれなきゃ意味がないって学んだので、優勝は一つの通過点というか、あくまで切符を手にしただけって感覚でした。

――入れ替え戦ではリーグ戦と違って打撃が好調

リーグ戦は「俺がやらなきゃ、俺が打たないと」っていう焦りがあったというか、自分と戦っていました。けど、チームのみんな頼りになるし自分としても気楽にいけばいいのかなって気づきました。気持ちの持ち方ですかね。

ーー１ヶ月間、どのように過ごされましたか

なんも変なことしてないですよ。いつも通りです。ただ、Tバッティングをやるのをカメラで撮ったり、場所をガラスの前にして自分を見ることは多かったかな。あとはもう割り切るだけというか。「はよ来い当日」って思ってました。

――その気持ちの切り替えが入れ替え戦の本塁打にもつながった

そうですね。最初はレフトフライだと思ったんですけどね。ただ、個人的に感触は良くて、「これは翌日につながるな」って思いながら走ってたら入ったんで自分としては、まぐれ感が強いです。ただ、入ってくれて、追加点になってよかったです。

――久しぶりの神宮球場

最高やな～、最高！やっぱいいっすね。

――今後は主戦場になりますね

どこでやるとかは関係なくて自分たちの野球ができることが一番大事なので。

ただ、１部に上がるということはプロが使う球場、最高峰の球場でできるのでそれはしっかり楽しみたいです。

――入れ替え戦では水谷さんと一緒に石上泰（営４＝徳島商）も状態を上げてきました。何か会話などはありましたか

いや、特にないですけど。あいつは攻守の要なんでね。「（状態）上げてきてくれてありがとう」って感じですよね。

――感謝も述べていましたが、主将として今季の細野投手をどう見ていましたか

一言で言うなら「エグい」ですよね。井上監督も言ってましたけど、やっぱあいつがエースなんだなって。本当に細野のチーム。感謝しかない。細野が投げればチームとして優位に立てるし、俺らも細野の好投を絶対に無駄にしちゃいけない。それが今季のうちの戦い方ですよね。味方で良かったし、1ファンとして神宮で投げる姿が見たいです。その時は自分も援護できるように打撃頑張ります。

――今季の自分自身の課題

状況に応じた打撃ですね。ここができればもっとつながるし、楽に勝てるのかなって思います。