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聖地神宮で再び戦うことを目標に“一戦必勝”のスローガンのもと戦い続けた東洋大の戦士たち。戦い抜いた先に待っていたのは5季ぶりの1部昇格という最高の結果だった。自分たちの力で勝利をつかみ取り、目標を達成した今季を振り返った時、選手たちは何を語るのか。どのような思いで戦っていたのか。激闘の半年を振り返ってもらう。
第13日目は、今季も正捕手として君臨。東洋の強力投手陣を巧みにリードして優勝に導いた後藤聖基捕手(法4=京都学園)。投手陣の誰もが感謝を口にする投手陣の女房役は、最高学年として、正捕手として今季をどのような思いで戦っていたのか。心の内を語ってもらった。(聞き手=成吉葵)
――今季を振り返って
楽な試合は一つもなかったし、反省すべき点も今振り返っても数えられないくらいありますけど、1部に上がれたことがすべてだと思います。捕手として、昇格という目標を達成できたので良かったです。
――自身で地獄と評された昨年と変わって、今季は打撃でも貢献。その要因はなにかありますか
僕自身、しっかり貢献できたとは思ってないです。けど、去年はきれいにヒットを打ちたいというか、良かった状態を追い求めてしまったんですけど、今年は形とかどうでもよくて、ヒットになる確率を増やそうって意識でいたらヒットが増えました。
――今季、捕手として一番良かった投手は誰ですか
細野(総4=東亜学園)ですかね。今年は気合いというか、言葉は難しいんですけど、”キレはあるけどセーブして投げてる”って感じました。乾コーチが加わって投球術の幅が増えたのかなって思いますね。荒れることもあるんですけど、リードしてて楽しかったです。
――今季、序盤は打線が繋がらず、普段以上に投手陣が守り抜く野球を求められたと思います。バッテリーにかかる負担などはありましたか
点差があるほうが大胆というか、遊びを含めたリードができると思うんですけど、接戦は接戦でバッテリーとしても気が引き締まるし、慎重に試合を運べました。僕自身野手でもあるんで、細野が完封した試合とかは野手として援護できなかった分、バッテリーとして1点を守り抜く意識は持ってました。
――リーグ戦や入れ替え戦で招いてしまった満塁の場面、バッテリーではどのような意識でいましたか
四球で招いた満塁は点入らなかったらラッキーって感じなので、開き直って大胆に行こうかなって思ってました。野澤にはマウンドでこの話をした気がします。
――様々な試合を振り返ってもらった中で、今季自身が一番印象に残っている試合
頑張ってリーグ戦とか振り返ったんですけど、どうしても“入れ替え戦“が鮮明過ぎて他が出てこないです。ごめんなさい。
――入れ替え戦、全体を通して攻撃面は9得で守備面は1失点、最高の野球できたと水谷主将(営4=龍谷大平安)が評価されていました。後藤さんはどう振り返りますか
1失点というのは本当に大きいですね。やっぱり昨春の中大戦の事があるので。全員野球じゃないですけど、みんなで守り抜いた結果です。
――捕手から見て昨年の入れ替え戦と大きく変わったと感じる部分
去年を経験しているメンバーが多いのは大きいですし、全員が初戦と2戦目の連勝をしなきゃ上がれない、3戦目いったら負け覚悟って話はしてました。行けるだろって過信がなかったのは大きかったですね。あとは投手陣が崩れないというのは勝てた要因かなって思います。乱打戦よりも投手戦が向いてるチームなので。
――今年の入れ替え戦、計4投手が登板しましたが全員がリーグ戦とは違ったように見えました
僕もそう思います。全員が球の伸びがすごくて、速く感じました。細野は今季一番直球に威力を感じましたし最後まで勢いが落ちなかった。野澤(総4=龍谷大平安)は練習では威力感じなかったんですけど、当日はキレがありすぎて別人でした。島田(総2=木更津総合)は、誰もが見ても感じられるように気合いマックスで半端なかったですし、石上祐(法4=東洋大牛久)はコーナービタビタで手が出ない完ぺきな投球でしたね。いつもフワフワしてる投手陣でもああいう場面になると思ってもない力が出るんだなって感じました。めちゃくちゃかっこよかったですよね(笑)
――昨年同様ピンチの場面で登板した島田投手にどのような声掛けをしたんですか
「お前の出した走者じゃないんだ、思い切って投げて来い。大丈夫」って言った気がします。落ち着かせるとかじゃなくて、ストレートが持ち味の投手なので向かってきてほしいという願いがありました。今回登板した中で唯一の2年生ですけど、あの場面で行くのも、あの投球も島田にしか出来ないと思います。
ーー島田投手が抑えた時には抱き寄せるかのようなしぐさもあった
島田のガッツポーズを見て、応援に来てくれた方や昨年を知っている方はしびれたと思うんですけど、受けてる僕自身もしびれました。ほんとによくやった、すごいって感じましたし、実際にそれを伝えました。あいつ自身があの場面を乗り越えたことはすごい成長できたんじゃないかなって思います。
――捕手は唯一フィールドを見ているポジションですが、最後の一連の流れをどのように見ていましたか
最後がセカンドゴロだったんですけど、自分のミットにボールが入って来なかった時点でずっとボールを目で追ってましたね。ファーストが取る瞬間まで安心はなかったです。リーグ戦はフライでも三振でもホッとすることが多いんですけど、入れ替え戦のその瞬間というのは、はじめて感動というか勝ててうれしいって感情がこみ上げてきました。
――今季得た収穫
乾コーチが来てから、バッテリーとしてリードの幅が広がった感じがします。あとは、個人として最初に言った打撃の形へのこだわりが消えたことですね。これがはまったので良かったです。
――今季を終えて生まれた課題
個人としては盗塁阻止率があまり高くないので、しっかり投手を助けられるようになりたいですし、打撃もバントでもヒッティングでもしっかり決められるようになりたいです。特に打点増やしたいです。
――最後に一言
1部に上がることができてよかったです。1部は今までよりレベルが上がりますが、守備面でもバッテリーとして、打撃面でも打線の一角として勝ちに貢献できるような活躍がしたいです。松山も神宮にも見に来てください。
◇プロフィール◇
後藤聖基(ごとう・まさき)
生年月日/2002・3・17
身長・体重/184㌢・91㌔
ファンの方の間で話題になっているのですが、上茶谷投手(現横浜DeNAベイスターズ)のタオルを使われていますね/そうですね。自分は大学だけじゃなくて高校も同じなので、敬意を込めて使わせてもらってます。
最近のマイブーム/めっちゃ政所(営2=天理)と一緒にいます。いじってますよ(笑)かわいいっす
♢13日間連続インタビュー♢
第12日 後藤聖基 捕手
第13日 水谷祥平 主将
♢特別企画♢
1. 特別対談・馬込吉田の一塁手争い
2.1部の舞台へ!水谷祥平主将特別インタビュー
♢インタビュー♢
宮下朝陽 内野手
細野晴希 投手