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「なんとしても連覇を」。そう意気込み臨んだ東都大学野球秋季1部リーグ戦。昨年度の豪華メンバーをもってしても成し遂げることのできなかった偉業に挑むも叶わず。昇格後ワーストの5位と悔しい結果に終わったシーズンを振り返り、選手たちは何を語るのか。15日間連続スポーツ東洋独占インタビューでお届けする。
第13日目はユーティリティプレイヤーとしてチームを支えた諏訪賢吉内野手(総3=浦和学院)。「便利屋になるんです」と春に語ると守備位置だけでなく、打順までも上位打線から下位打線まで打つ順応っぷりを披露。最終学年となる来年度は副将としてチームを引っ張る。攻守の屋台骨は何を感じ勝負の1年を迎えるのか。(取材日11月9日、聞き手=須之内海)
--今シーズンを振り返っていかがでしたか
自分にとって初めて規定打数を立って3割を残せたのは自信になる。でも、優勝というのを目指していた中で負け越してしまった。自分個人の成績は良かったけどチーム成績が残らなかったことへの悔しさが大きいですね。
ーー今季は山田選手(総4=桐生第一)が欠けました
チームにとって本当に痛かった。たらればだけど、結果は変わっていたと思います。もし、山田さんがいたらファースト固定だったと思います。どこか選べって言われたらセカンドがいいですかね。自分のスタイルというか、そういうのを考えると一つ絶対に選ぶならそういうポジションを選ぶと思います。
--リーグ戦を通して試合数が増え、疲労も出てきましたか
そうですね。まぁ、疲労もあったんですけどそれよりも流れの悪さが気になりました。駒大で1勝1敗になって。やばいなっていう空気になった。疲労が終盤出てきたのは間違いないですけど、そういう目に見えないものも要因の一つにあると思います。
--入れ替えが見え始めた時のミーティングではどんな話が出ましたか
監督さんには「俺は腹を括ってるから。あとはお前ら次第だよ」って言われました。監督さんにそんなことを言わせてしまったという気持ちが大きくて。何クソというかやってやるって気持ちになりましたね。
--シーズンの中での印象的な試合は
駒大3戦目ですね。負けたら下が見える試合で、試合中にチームがバラバラになっていった。そんな感じの試合でした。エースが打たれてあいつもイライラしてて、自分も初の3番打者で。自分にとっては印象深い試合でした。
ーー自身のこだわる数字はなにかありますか
出塁率ですね。総合値として出塁率が上がればチームに貢献できるので。初めて規定打席立って4割行けたなっていう感触だったので、出塁率ももっと上げれたと思います。凡打もだいぶ多かったので自分の甘さですね。
ーー打率4割は一つの壁であり目標であると
そうですね。残り2季しかないですけど、規定打席に乗せられれば不可能な数字ではない。今季立ってみてそう感じました。
--今季は打順も守備も様々な起用がありましたが収穫などは
カードの一戦目で打てないことが課題として見つかったことですかね。振り返った時にダメだったんだなって。もちろんリーグ戦中にも感じてたんですけどね。コンディションも良かったのに不思議です。
(注:各試合打率 1回戦.105、2回戦.333、3回戦.605)
--逆に言えば徐々に貢献度が上がってるとも言えますが
そうですね。修正能力は自分の持ち味の一つでもあるので、それは生かせてると思います。データや監督さんからのアドバイスを実戦で使うというところで良い結果に繋がってますね。
ーー今季を振り返ってチーム内MVPは
投手ならもちろん村上です。試合数投げて疲れてる中でもやってくれてたんで。バッターだったら小峰さん(営4=帝京)ですかね。2番を打ってて四球を選びますし、甘い球ならヒットにする。四球でも球数を投げさせてくれるのでチームに与えた影響は大きかったと思います。
ーー小峰選手が背負っていた副将に来年は就任しますが、前任の先輩たちはどう見えていましたか
背中で引っ張ってくれていた感じ。でも、言うときは言う。凄い影響力のある副将だったと思いますね。
ーー自身が目指す副将像は
自分はチームのみんながやりやすくなればいいと思う。同級生からは甘すぎるって言われるんですけど、それはそれで自分の良さかなと。後輩からいろんなことを聞かれるような先輩でいたい。そういう立ち位置でチームを見て、自分の今の野球内での役割と同じで何でも屋みたいな感じで行きたいですね。
ーー同じ野手副将というポジションにチームの元気印である山本選手(法3=作新学院)が就任しました
そうですね。外から見ると意外なんですかね。でも、チーム内では納得の人選です。ちゃんと後輩には言うやつなんで。
ーー新主将はいかがですか
まだ短い期間ですけど、あってるなって思います。
ーー次に1年を振り返って点数をつけてください
3年生を振り返ってですよね。80点くらいです。20点の減点は春先に調整が悪くて、開幕から出れてればっていう後悔があるので。
ーー振り返ってみると春は大変なシーズンでしたね
そうですね(笑)鼻にボールが当たったり…。内外野行き来したりしてたり、たくさんありました。鼻はちょっと変な感じしたんですけどね。なんとか平気でした。
ーー今季も試合ごとで内外野を守る機会が多くありました。今回、ベストナインを逃したのはユーティリティーが裏目に出たと思いますか
そうですね。外野で固定とかだったら取れていたのかなって思いますね。自分で選んだ道なので、途中から首位打者を狙おうと思ってたんですけど。最終カードで4打席凡退した時点で終わりましたね。
ーーセカンドの守備に就くことも多く、二遊間を一番組んだのは
木村ですね。面白かったですよ。一回外野から戻って参加したらサイン増えてて(笑)まじ!?って。サイン確認をしてたらまだあるよって。
(隣で取材中の木村選手)あれ自分も知らなかったです(笑)たぶん学校に行ってる間に増えてたんですよ。なんだそれって思いました(笑)
ーー来年はいよいよラストイヤーですが目標は
自分は日本一になったことがないので、自分個人の結果よりもチームの勝利を優先していきたい。ポジションも打順もそうですけど、今見たいにどこでもできる枠でチームの勝利に必要な選手でいたい。自分がなにをできるのかを考えてプレーしていきたい。
ーーそういう目標のために冬に取り組みたい練習はありますか
身体の強化と増量ですね。トレーニングも考えてやっているので、走攻守のバランスをそのままにレベルを上げていきたい。増量面だと今が74㌔くらいなので77㌔くらいにしたい。増やせるんですけど、キープができないのでキープできるようにしたい。増量の狙いは打撃の力強さですね。
◇プロフィール◇
諏訪賢吉(すわ・ただよし)
好きな食べ物/甘い物(絞り切れない、プリン)
嫌いな食べ物/ニンジン
suwa’scoffeeのメニュー/プリン、クッキー、ドーナッツ、ホットケーキ、タピオカ
好きなコーヒー豆/インドネシア産のマンデリン(コクの強いやつ)
最近の焙煎機の進展/近くの珈琲豆を取り扱うお店でアドバイスをもらい進化した
コンプレックス/くせっ毛(雨の日はパーマって言われる)
行きたいところ/沖縄
好きだった教科/理科
理科の理由/ビーカーとアルコールランプで珈琲を入れてみたいから
嫌いな教科/社会(覚えるだけなのが無理)
パワプロで評価するなら/弾道2、ミートB、パワーE、走力C、肩S、守備D、レーザービームの特殊能力
部員で彼氏にするなら/瀬川…いや付き合うのはなぁ。誰だろう…。芦名ですかね。良いやつなんで。
格言/珈琲好きに悪い人はいない
もし野球をやってなかったら/本格的な料理教室に行きたい
得意なほかの競技/野球以外できない。小6でスキップができなかった
座右の銘/なるようになる
やりたいこと/アウトドア。キャンプ場で珈琲とビーフシチューを作りたい
動物に例えるなら/ナマケモノ
差し入れにもらってうれしい物/珈琲豆
~連続インタビュー一覧~
第1日目:杉本泰彦監督〜「主役は選手たち」日本一の野球部に〜
第2日目:小峰聡志外野手「やり残したことはない」〜副将が振り返る大学野球〜
第3日目:7季連続無失策だった男。最高の守備職人が語る未来 津田翔希内野手
第4日目:木村翔大内野手〜「存在感がある選手に」高みを目指し戦う〜
第5日目:松本渉外野手〜「もっと結果が出せる」スーパールーキーが振り返る1年目〜
第6日目:次のステージへ。未来を見据え、積み上げた努力 山下雅善投手
第7日目:むらなく活躍できる選手になるために。小林直輝内野手
第8日目:強豪校の名にかけて。飛躍誓う飛躍スーパールーキー 河北将太投手
第9日目:常に学ぶ姿勢。「自分の力を発揮するためにできることを」小川翔平内野手
第10日目:絶対的エース。副将として「プレーで見せる」村上頌樹投手
第11日目:勝てる外野手陣にするための最終学年 納大地外野手
第12日目:「結果を残す」年間通して抑えられる投手に 松澤海渡投手
11月29日山崎基輝新主将
11月30日佐藤都志也捕手