記事
『覚悟~奪還~』という強いスローガンをもとに、2部優勝、そして悲願の一部昇格を決めた東洋大の戦士たち。最後まで諦めない姿勢で挑戦を続け、東都の頂点への切符を掴んだ。彼らはどのようにして試練を乗り越え、一部昇格という栄光を手にしたのか、その裏側に迫ります。12日間にわたり総勢24名の豪華インタビューをお届けする。
2024年も残り6日。
連続インタビュー投稿7日目。1人目は、安定したブロッキングで投手から絶大な信頼を得ている政所蒼太(営3=天理)捕手。鋭い観察眼と瞬時の判断力 でチームを勝利に導いた彼に今季の振り返りと、ラストイヤーへの意気込みを聞いた。(取材日・12月4日、聞き手=一ノ瀬志織)
ーー秋季リーグ、チームを振り返って良かった点
最後の方は負けていても、ベンチも(試合に)出ている人もスタンドも、全員に諦めないって気持ちがあったので、そこは良かったなって思います。
ーー課題は
チャンスで一本出なくて、今年はピッチャーが良かったので勝てたんですけど、ロースコアで打って点を取るっていうのが少なかったかなと思います。
ーー個人としての振り返り
春よりは周りも見れて、自分的にも気持ちが軽くできたかなと思います。
――今季、どんなテーマや目標で臨んだか
失点を少なくして、キャッチャーとして守備面でみんなを引っ張ることを目標にやっていました。
ーーそのテーマを踏まえたうえで、どうだったか
声かけもできていたかなと思うので、良かったと思います。
ーー一番印象に残っている試合
駒大の一戦目です。打つ方も守備面も自分的に納得がいく内容にできたので良かったと思います。
ーー守備の面では、ブロッキングで絶対ボールを後ろにやらない安定性を見せたが守備を振り返って
後ろに逸らすっていうのが春に比べて無かったし、盗塁も刺せたのでこの秋は守備では自分的には良かったです。
ーーピッチャーとの信頼関係も?
ブルペンに行く時とか寮でも、4年生のピッチャーと仲良く喋ってるので、、、。島田(総3=木更津総合)とは同級生なので仲が良いんですけど、仲良くピッチャーとも会話できているので、そういうのも試合につながっているのかなと思います。
ーー春より盗塁を指した数も増えた
一度キャッチャーのコーチに来てもらって、色々細かいこととかを教えてもらったんですけど、それを練習から意識してやっていたので、それが試合に出たかなと思います。
ーー投手をリードをする中で意識したこと
とりあえず最小失点で帰ることを前提に考えて、0点で帰るのが一番なんですけど、できるだけ点を取られないように、どんなバッターなのかとピッチャーがどんなタイプなのかを照らし合わせながらやっています。
ーー打撃面も好調で長打も多く出たが、打撃を振り返って
あんまり何も考えてないんですけど、なんか良いところに飛んじゃってる感じなんです。でもチャンスで打てないので、そこが課題かなと思います。毎日、吉田元(営3=龍谷太平安))と一緒に練習はやってるんですけど、その成果が出たかなと思います。
ーー何か春から変えたことは
バスターに変えたことくらいです。
ーー駒澤大学との最終戦。9回に池田選手(営3=三重)と花田選手(総3=大阪桐蔭)のアベックホームランで同点に追いついた時の心境は
びっくりしたんですけど、9回入った時は別に負ける気はしなかったです。なんか打ってくれそうだなっていうのがありました。
ーーその後のタイブレークの守り
めっちゃ緊張したんですけど、まあ一條さん(総4=常総学院)なので思いきりいって、自分はフォークのワンバンを止めるしかないと。投げてくれたら抑えられると思ったので、自分は止めるってことだけを意識していました。
ーーランナーが三塁にいる時の緊張は
めちゃくちゃあります。(プレッシャーには)慣れです。そこの部分も秋は良かったかなと思います。
ーー延長11回に花田選手のサヨナラヒットで2部優勝が決まった時の心境は
花田で終わってたら、次は自分が先頭だったので、決めてくれて良かったです。
ーーこの日の試合後のコメントで、「心の余裕ができた」と言っていたが、ピンチやタイブレーク時の心境は
春の10試合くらいの経験を生かせたので、ピンチの場面は春の経験のおかげで余裕ができたかなと思います。
ーー入れ替え戦までの約3週間をどう過ごしたか
特にあまり変えなかったんですけど、いつも通り吉田元と。秋のリーグは自分だったら、低めを見逃すっていうのが課題だと自分で思ったので、それに取り組んでいました。
ーー去年の秋、悔しい思いをした入れ替え戦。どんな思いで挑んだか
僕はベンチにも入ってなかったんですけど、相手は違うけど絶対勝って1部に上がるって気持ちでやっていました。
ーー1部昇格を決めた際の心境は
自分的には嬉しかったのもあったんですけど、一番はほっとしました。
ーー2連勝を飾った入れ替え戦を振り返って
1戦目は点差もあんな感じで緊迫してたので、こっちも守備でめちゃくちゃ集中して緊張していたんですけど、2戦目は点差もあったので楽な感じでいけて、良い感じで勝てたかなと思います。
ーー主将、嶋村選手(法4=栄北)のホームランを見て
ブルペンから見てたんですけど、いったなって。嶋村さんは日頃から私生活真面目なので、野球の神様は見てるなと思いました(笑)。
ーー今季全ての試合を終えて得た収穫と課題
チームとしては粘り強い試合ができたと思うので、良かったのとバッティングが課題なのでチャンスで打つことを目標に1部でやっていくこと。個人では守備面では継続して今まで通りやっていくのと最上級生になるのでもっとピッチャーを引っ張っていくのと、自分は全体が見れるので野手も自分が引っ張っていくって気持ちでやっていきたいです。
ーーご自身の今年の守備に点数をつけるなら
85点くらいあげても良いかなと思います。でもまだもっとできると。
ーー春季リーグに向けて冬に取り組みたいこと
守備だったら(ボールの)持ち変えです。自分的にまだ遅いし、もうちょっと盗塁を刺せるのもあったかなと思うので、、、。バッティングは低めを振らないのとピッチャーにもっと球数を投げさせることを課題としてやっていきたいです。
ーー今の一番の強み
この秋でブロッキングになりました。元々はそんな好きじゃなかったんですけど、止めていったら自信がついて、できるようになったので。
ーー4年生に向けて一言
この1部昇格は1、2、3年生だけでは絶対に無理だったし、4年生のおかげで1部に上がれたっていうのもあるので、来年からは自分らの代で1部で神宮でできるので、まず入れ替え戦回避とは言わずに1部優勝を目指してやりますっていうのを伝えたいです。
ーー正捕手としてバッテリーを組んだ投手2人がプロ野球選手になると言うことで、そこについてどう思うか
あのお二人はえぐくて、行けて当然だなっていうピッチャーだったので、自分は特に何もしていないですけど、プロに行くピッチャーの球を受けれて良かったなと思います。自分的にも良い経験になったなと思います。
ーー最上級生、ラストイヤーに向けての意気込み
ラスト一年で、もうやるしかないと思うので、後悔のないように一日一日を大切にして、まず1部優勝を目指して、最後一年良い思いができるようにやっていきたいと思います。
◇プロフィール◇
政所蒼太(まどころ・そうた)
生年月日/2004・2・11
身長・体重/163㌢・74㌔
鶴ヶ島のおすすめスポット/はつがい商店
今年新しく挑戦したこと/なるべくオフの日に外に出ようとしたんですけど、できませんでした
今年一番の思い出/1部昇格
◇連続インタビュー一覧◇
12月26日 ⑬政所蒼太捕手 ⑭鈴木二知佳捕手
12月27日 ⑮花田旭外野手 ⑯吉田元内野手
12月28日 ⑰池田彪我内野手 ⑱島田舜也投手
12月29日 ⑲柿本晟弥投手 ⑳佐伯成優投手
12月30日 ㉑一條力真投手 ㉒岩崎峻典投手
12月31日 ㉓岸新太郎主務 ㉔嶋村知浩主将
PHOTO=一ノ瀬志織、青柳そよか、山本華子