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2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。
(写真提供:東都ベースボールWeb)
第12日目は2番打者としてつなぎ役に徹した瀬川航騎(総4=聖光学院)内野手。今季は投手陣を鼓舞する姿が印象的だったこの男が抱く想いとは。(取材日・7月17日、聞き手=浅野琴美)
ーー今季を振り返っていかがですか
2部に降格してしまったのが率直に悔しいっていう気持ちがあります。
ーー第1カード目は2部から上がってきた青学大との対戦でしたが
そうですね、2部もレベル的にはそんなに差は無いと感じてたんで。相手は上がってきたばかりだったんですけど、元々1部にいたチームっていう感じで戦いました。2部だったっていうことは気にしないで。
ーー瀬川選手は二塁打を放つ活躍がありましたね
あの時は2ストライク追い込まれてからの、アウトコース高めの真っ直ぐを打ちました。その日、僕のおばあちゃんとか来てたので。おばあちゃんの前で打てたのがまずはうれしかったですね。自分が打ってうれしいっていうよりかは、おばあちゃんが来てる時に打てたのでよかったです。
ーーリーグ戦を通して、バントを決める場面も多かったですね
バントは高校の時はほとんどやってなかったんですけど。バントとかもうほとんどしない、ずっと強攻だったので。こっち来て初めてじゃないですけど、バントやるのは超久しぶりみたいな感じなので。そんなにバントは苦手とはしなかったです。そこに関しては2番バッターとしての仕事だったので、クリーンナップにいい形でつなげることができました。バントをミスせずに、決められたのはよかったと思います。
ーー打順が2番だと後ろにつなげないといけないプレッシャーはありますか
後ろには佐々木(営4=帝京)、小口(法3=智弁学園)、木村(総4=霞ヶ浦)のいいバッターが揃っているので。松本(営3=龍谷大平安)が出たら自分が送って、松本が出れなかったら自分が出る。とりあえずランナーが出れば、後ろにいいバッターがいるから返してくれるかなっていう感じがありました。
ーーみなさんが仰るように今年は明るいチームだと感じました
基本的には4年生が明るいですね。1番明るいのは牧(法4=帝京第三)ですかね!明るいっていうより、うるさいの部類ですね。ひどいです、本当に。(笑)森川(総4=浦和学院)も普段は明るいですけど、うるさくはないですね!逆に1番静かなのは岡崎(営4=帝京)ですね。
ーー中大に連勝して勢いに乗ったと思いましたが
中央の時は、あっち(中大)も開幕6連勝してたので。あの時点では、「中央が1番強いぞ」というのがあった。その1番強いチームに勝ったら、僕らが目指してる優勝につながると思ったので、あの試合は6連勝してた中央にまず勝たないといけないと思って。みんなで力合わせて死に物狂いであの時はやってたかなって感じです。1回戦目、取りすぎましたね。10点は取りすぎました。(笑)
ーーその後、連敗が続きチームの雰囲気はいかがでしたか
トーナメントじゃなくてリーグ戦なので、1回負けたら終わりっていう訳ではない。もし、その試合1試合負けても2試合目獲ればOKっていう感じで、気持ちの切り替えは結構できていたと思います。連敗してる時にもチームで徹底することを決めたりとか、チームなりに工夫してたので。自分たちで徹底していることを信じて、あとはやるだけっていう感じでしたね。
ーー杉本監督からも「徹底」という言葉をよく耳にしました
チームスローガンは「一心」なんですけど…。多分、自分らができなすぎて、それで連呼してる。監督も自分たちが打てなすぎて開き直ってるので。だから、打てないなら打てないなりに徹底されていることをしっかりやれっていうことだと思います。ミーティングでめっちゃ言いますもん!「徹底」って。
ーーリーグ戦最終戦の駒大戦を振り返っていかがですか
気持ち的には、相手も落としたら入替戦が確実だったので、僕らも1つどっちか勝たないといけないっていう状況だった。お互いに必死だったと思うんです。僕らはとりあえず徹底されてることをやる。徹底事項をしっかりやって、とにかく何が何でも駒澤には勝つ!っていう気持ちでした。何でもいいので、きれいなヒットが出なくてもいいし、四死球でも何でもいい。とりあえず塁に出て、点を取るしかなかったです。ピッチャーもリーグ戦で頑張ってくれていたので、僕ら野手陣が機能しないと勝てないと思った。野手陣が特に頑張ろうとは思ってました。
ーー今季2試合でタイブレークでしたが、タイブレークの難しさはありますか
シンプルに表攻めだったら難しいです。間違いなく!裏だったらまだ可能性はあるんですけど、表だったらめっちゃ難しいです、本当に。相手が表で点取れなかったら僕らはバントで送ればいいし、相手に点取られたら僕らは強攻で賭けでいくしかないし。本当に攻撃は表次第なので、正直タイブレークだったら。タイブレーク難しいです。
ーーちなみにタイブレークの練習はしていましたか
いや、ないですね。(笑)青学大戦で初めてです。
ーー駒大1回戦では、松澤投手(営3=帝京)に「腕振れ!」と声掛けをしていました
自分的にはボールが走ってないように見えたので。松澤はボールのキレとか球威もあるので、「ストライク入らなくてもいいから、ボールの球威だけでバットをへし折るくらい投げろ!」って声掛けしました。「球威で押せ!」っていう感じで。
ーー駒大2回戦では好守で魅せる場面もありました
僕、結構エラーしてるので…。エラーしすぎてリアルにやばかったので、「絶対エラーできない!」っていう気持ちでいて。特に集中していました。たまたま(グラブに)入っちゃいました。(笑)それは冗談です。嘘です。(笑)
ーー木村選手から、「試合中は真面目な会話をしている」とお聞きしました
ポジショニングの会話ですね。バッターによって三遊間を締めるか締めないかっていう会話もします。木村だったら、二遊間寄るか寄らないかとか。「引っ張りがあるから、三塁線寄るよ〜」とか。あとは、「このバッターは、こっち打ってくるよ」とか、打球方向の話を主に三遊間ではしてますね。真面目ですね。(笑)
ーー入替戦までの1ヶ月間、どんな練習をしていましたか
練習については、入替戦になってしまったのはしょうがないので、絶対1部に残るぞっていう負けん気を出していた。絶対1部残留するぞ!という気持ちを一人一人が持ちながら、必死にやっていました。
ーーチームで話し合ったことはありますか
相手が決まって、ピッチャーも誰が先発するかはある程度は分かっていたので。赤星投手(日大)のDVDを何回も見たり、癖があるならその癖を見たりとか。試合に入るまでの準備をみんなでしっかりやりました。
ーー日本大学の印象はいかがでしたか
バッティングはそんなにないと思ったので。あとは赤星だけだなと思ってました。ピッチャーがいいのは分かっていたので、投手陣を崩せば何とかなると。
ーー入替戦を振り返っていかがですか
やっぱり、死に物狂いで戦わないといけないっていう状況で、必死になってはいたんですけど。他の人に分かるような必死さは自分らから出ていなかったと思うので、もう少しやり切れたなっていう部分はありますね…。
ーー見つかった課題と得た収穫はありますか
僕の課題は守備ですね。送球の安定性がないので。収穫はバントですね。(笑)あと、右打ちです。
ーー夏に取り組みたいことはありますか
1番の課題は守備なので、守備練習ですね。あと、体をつくって、打球の質をもっと上げたいです。
ーー秋季を2部で戦うことに関してどう考えていますか
2部になったのはもうしょうがないと思う。自分たちの力不足で負けてしまったので。僕は4年生なんで、1個下の後輩たちが春から神宮で戦えるように、僕たちは2部で優勝して、入替戦を勝って最後1部昇格で終われたらいいなと思います。
秋の目標は「どでかく1部昇格」です!!
◇プロフィール◇
瀬川航騎(せがわ・こうき)
生年月日/1999・10・28
身長・体重/171㌢・75㌔(めちゃくちゃ増えた。食べてばかり。ラーメンで体重増加した。)
鶴ヶ島のおすすめのお店/はつがい商店 (鶴ヶ島にラーメン屋さんが4店舗ぐらいある。その中でも、はつがい商店がめっちゃ美味しい。)
将来の夢/子どもの1番の理解者であるいいパパ
高校野球やり直すなら/学法石川でやりたい。(父親もそこで甲子園行ってるから、自分も行きたかった。)
※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。
※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
◇連続インタビュー一覧◇
8月13日木村翔大内野手
8月14日佐々木俊輔外野手