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2021.08.11
硬式野球

[硬式野球]〜試練を与えられた春。ここからが勝負〜14日間連続インタビュー第11日目・大宮隆寛投手

2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。 

       (写真提供:東都ベースボールWeb)


第11日目はチームが苦しい中でも、力投を披露した大宮隆寛(法4=鳥取城北)投手。後輩に助言し、最高学年としてあるべき姿を見せた。そんな右腕が最後の春を振り返る。(取材日・7月17日、聞き手=浅野琴美)


ーー今季を振り返っていかがですか

チームとしては2部に落ちてしまったので、残念です。4年生として、申し訳ないなという気持ちですね。


ーー責任を感じているということでしょうか

そうですね。ピッチャーで言うと、細野(総2=東亜学園)松澤(営3=帝京)がずっと投げていたので。あんまり自分は登板機会が無くて、下の学年のピッチャーに任せてしまったっていうのがあるので、そういうところで責任感はありますね。


ーー今季は7試合で登板しましたが

昨年の秋と比べると、自分自身もあんまり調子がよくなかった。いい成績ではないし、納得していないです。春は全くチームに貢献できなかったなと思います。


ーーリーグ戦前の取材では、「調子がよくない」とのことでしたが、調子が上がりきらなかったのでしょうか

そうですね。前半戦は特に自分自身調子がよくなかったです。後半は少しよくなったと思うんですけど。その割には、あんまり出番もなかったので、準備不足というか。それも1つの課題ですね。


ーー印象に残っている試合はありますか

自分のことじゃないんですけど、細野が中大戦で完封した試合。見てて、「自分、いつ出番がくるかな」と思っていたんです。でも、完封して「あ、すごいな」ってなりました。


ーー亜大1回戦では1死三塁のピンチを切り抜ける場面もありました

自分もああいう場面で出番があると想定してやっている。あれを抑えないと意味がないというか、自分の役割でもあったので。自分の仕事ができたなっていう感じですね。


ーー後半戦に入ってから、チームの調子が落ちてしまった要因はどこにあると考えていますか

ピッチャーだったり野手が、疲れなのか分からないんですけど、後半になってあまり結果も出なかったので…。何でですかね。(笑)本当の実力は、粘りが無いところですかね。粘りが無かったです。


ーー7点差から終盤に追い上げる試合もありましたね

そうですね。まぁ、そこで勝ち切れなかったので、粘りが無かったんじゃないかなと。ピッチャーもバッターもそういう部分を感じますね。


ーー応援団の有無は影響しますか

そうですね。応援団がいないということは、観客もいない。そういうのも、もしかしたら影響があったんじゃないかなと。そのせいにしてはいけないですけど、その影響もあってほしかったです。応援団がいるのは力になるので、いてほしかったですね。


ーー連敗中、チームの雰囲気はいかがでしたか

あと1勝すれば1部に残れるっていうところで。悪い雰囲気ではなかったんですけど。何て言うんですかね…。チームの弱さというか、そういうところが出ていたと思う。雰囲気は悪くなかったんですけど、工夫するということが無かったのかなと思います。


ーー気持ちの切り替えはできていたのですか

どうなんですかね。自分は「1つ勝てば」と思っていたんですけど。あまり試合に出る機会も無かったので、スタメンの選手の気持ちを理解するのは難しいけど、どうだったんですかね…。自分も知りたいです。(笑)


ーー駒大戦を振り返っていかがですか

勝たないと2部、勝てば1部残留というところで、チームで「絶対に勝とう」と思っていたんですけど。先発の松澤がああいうふうに崩れて、後のピッチャーも流れを持ってこれなかった。ピッチャーがそうなると、野手のほうもボールを取りにくいと思う。ピッチャーが最後ああいうふうになってしまったのが申し訳ないです。


ーー緊張はしましたか

駒大戦前くらいから、なんかお腹の調子とか胃の調子が悪くて…。ずっとムカムカしていました。追い詰められているというか、そういうのが自分はありました。早く解放されたかった。2部に落ちてはいけないっていう気持ちがあったので、プレッシャーも感じていました。



ーー駒大1回戦では、石上祐(法2=東洋大牛久)投手に「難しく考えるな」と助言していましたが

石上は2年生なんですけど、どうしても試合になると打たれたくないっていう気持ちもあると思う。そうなると、打たれないように難しく考えて、厳しく攻めてしまうところもあると思うので。簡単に考えて、攻めていけば打ち取れると思ったので、難しく考えるなと言いましたね。


ーー石上祐投手とは普段からよく話をしますか

そうですね。学年は違いますけど、学部は同じで一緒に同じ時間帯に練習することが多いですね。気にかけるじゃないですけど、あいつ自身まだまだなので、気にかけて、アドバイスしたり。ちょっとでも、よくなってもらいたいので、コミュニケーションとりながらやっていますね。自分はあんまり後輩にアドバイスするタイプじゃないんですけど、悩む選手も多いので、何か1つ言ってあげたほうがいいかなって思った。自分もあと少しなので、少しの間で何か後輩に伝えられたらなと思います。聞かれたらアドバイスしますし、最近は自分からも「こうしたらどうだ」と言ってみたり、気にかけてやっています。


ーー入替戦までの1ヶ月間はどう感じましたか

最初は1ヶ月って長いなと思ったんですけど、気づいたらあと1週間っていう感じでした。もう入替戦かと感じたので、短かったですね。


ーーその期間でどんな練習をしましたか

ピッチャーは、リーグ戦でフォアボールが多かったので実戦練習をやりました。フォアボールを出さないように、その中で抑えていくことをやっていました。


ーー登板はありませんでしたが、入替戦はいかがでしたか

細野が1人で投げました。細野自身は春のリーグ戦で1つ完封したんですけど、他の試合を見ていると球数とフォアボールが多かったなと思います。自分的には見てて細野はまだまだだなという感じですね。入替戦の時は、ホームランは打たれたんですけど、変わった細野が見れました。細野はそんなに悪くはなかったんじゃないかなと思います。打てなかったのはあるんですけど、ピッチャーもバッターもいろいろ工夫していかないといけないです。


ーー見つかった課題はありますか

ピッチャーはコントロールが悪かったので、フォアボールが多くなって、球数も多くなってしまった。あと、打たれている球が甘いボールだったりすることが多かったです。課題は、低めにコントロールすることとフォアボールを出さないことですかね。


ーー夏に取り組みたいことはありますか

自分はコントロールをよくすることですね。低め低めにボールを集めることをずっと意識しているので。今からスピードを上げるのは難しいと思う。秋のリーグ戦に向けて、コントロールを磨きたいです。


ーー秋季リーグ戦は2部での戦いとなりますが、目標を教えて下さい

2部で優勝して、きちんと入替戦で勝って1部に上がることが目標であり、使命でもある。それが4年生が最後にできることだと思うので、責任をもってやらなくちゃいけないと思います。


◇プロフィール◇

大宮隆寛(おおみや・たかひろ)

生年月日/1999・5・1

身長・体重/170㌢・70㌔

出身地/大阪府

リラックスするためにやっていること/常にリラックスしているから特にはない。

大阪府のおすすめの場所/たこ焼き屋さん。名前はよく分からない。



※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。

※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。



◇連続インタビュー一覧◇

第1日目:杉本泰彦監督

第2日目:加藤響内野手

第3日目:橋本吏功外野手

第4日目:後藤聖基捕手

第5日目:細野晴希投手

第6日目:廣岡隆成捕手

第7日目:松澤海渡投手

第8日目:羽田野温生投手

第9日目:松本渉外野手

第10日目:小口仁太郎内野手

8月12日瀬川航騎内野手

8月13日木村翔大内野手

8月14日佐々木俊輔外野手