Article

記事


2021.08.13
硬式野球

[硬式野球]〜試練を与えられた春。ここからが勝負〜14日間連続インタビュー第13日目・木村翔大内野手

2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。 


       (写真提供:東都ベースボールWeb)


第13日目は副主将に就任して初のシーズンに挑んだ木村翔大(総4=霞ヶ浦)内野手。思うような結果が出ず、必死にもがき続けた今季を見つめ直す。(取材日・7月17日、聞き手=浅野琴美)


ーー今季を振り返っていかがですか

2部落ちしてしまって、1番最悪な結果に終わってしまったので正直悔しいという気持ちしかないです。


ーー目標としていた打率.350には届きませんでしたが(打率.326、打点2)

打率3割には乗ってるんですけど、ヒットの内容は満足していない。今シーズンのヒットは全てシングルヒットだったので、そういうところで物足りなさを感じています。打率もそうですし、それ以上にこだわりをもっていた打点が今季は2しかあげられなかったので、その点は主に5番を打たせてもらっている立場では、反省しなければいけないと思います。


ーーリーグ戦前の取材で、宮本慎也氏(元東京ヤクルトスワローズ)からスローイングについて教えていただいたとの話がありましたが、それを生かせた場面はありましたか

今シーズン、捕球と送球を含めてエラー5個という結果がついてしまった。教えていただいたことはもちろんなんですけど、それが全然生きてこない結果になってしまって、それは今後の課題でもあります。ずっとそれを意識して練習していかないといけないなっていう結果になったと思います。


ーー守備の安定性が欠けてしまったのですね

自分がショートを守っている立場で、1番守備を引っ張っていかないといけない立場でもありながら、チームで1番多くエラーしてしまったことは反省しないといけないなと思います。


ーー対戦が楽しみだと仰っていた青学大戦はいかがでしたか

2部から上がってきてすぐで、青学大も難しい状況だったと思うんですけど。それでも力のあるチームでしたし、対戦しててすごく楽しかったなって思います。


ーー青学大の中で印象に残っている選手はいますか

ピッチャーの森投手。最終回に対戦させていただく機会があったんですけど、真っ直ぐも速くて力もありましたし、変化球のキレもあったので、対戦しててすごくワクワクするような選手でした。


ーーリーグ戦後半から、チームの調子が落ちてしまった要因はどこにあると考えていますか

そうですね。前半と後半の1番の違いはエラーの数。後半に多くエラーが出たと思う。ピッチャーも含めて、野手もエラーがあって、それからピッチャーはフォアボールですね。フォアボールという無駄なランナーを出していたことが大量失点につながってしまったと思うので。そこが後半戦勝てなかった原因の1つかなと思います。


ーー応援団がいるといないでは違いがありますか

そうですね。やっぱり雰囲気もありますし、応援があればいつもとは違う緊張感も生まれて、力になる部分が間違いなくあると思う。まぁ、応援が無かったから入替戦にいくことになってしまったっていうのは、、ちょっと言いにくいですけど。(笑)応援してもらっていることで、いつも出ない力が出るっていうことが間違いなくあると思うので、そこはちょっと厳しかったかなと思います。


ーー三遊間を組む瀬川(総4=聖光学院)選手とは試合中どんな会話をしていましたか

いや、試合中はしっかり試合のことについて真面目に。(笑)「打球来そうだぞ」っていうような、ちゃんとした真面目な会話をしていました。


ーールーキーの加藤響(総1=東海大相模)選手と二遊間を組んでみていかがでしたか

そうですね。(加藤は)初めてリーグ戦に出て、初めて二遊間を組んだんです。やっぱり、高校で活躍してきた選手で大舞台慣れしているなと思うので。あんまり、やりづらさは感じずに、しっかりアイコンタクトもできていました。


ーー普段から加藤響選手と会話しますか

あんまりしないですね。でも、野球についてのことは何回か話す機会はあるので、コミュニケーションが取りづらいことはないです。



ーー最終戦の駒大戦を振り返っていかがですか

やっぱり、負けたら入替戦、勝てば1部残留っていう状況で緊張感はもちろんありました。絶対に負けたくないっていう思いで挑んだんです。思うような結果につながらず、大敗を喫してしまったことに関しては本当に悔しい気持ちしかないなと思います。


ーー入替戦までの1ヶ月間、どのようにしてモチベーションを保ちましたか

負けた日に、入替戦にまわってしまったということで、一時的にチームとしても雰囲気は落ちることもあったんですけど。そこはもうチーム全体で話し合って切り替えて、入替戦で勝てば1部残留につながるよっていうふうにモチベーションを全員で保つことはできました。


ーーその期間で取り組んだことについて教えてください

春季リーグ戦の敗因は、守備から崩れていったことだと思う。守備力であったり、ピッチャーはバッターに向かっていく気持ちでストライクゾーンで勝負ができる投球術とかを野手、ピッチャー陣を含めてその点を見つめ直していく形で練習に取り組んでいました。


ーー練習時間や量に変化はありましたか

期間が1ヶ月あったので、最初の2週間は体を追い込んでいました。


ーー日大はどんな印象でしたか

ピッチャー中心で、守り勝つ野球をするようなチームだなと思っていたので。そういうピッチャーをどのようにして打ち崩していくかっていうことを意識していました。


ーー相手が日大だと知った時の気持ちはいかがでしたか

あんまり対戦相手は意識してなかったです。どこがきてもやるだけだと思っていたので、それが結果的に日大だっただけで、意識はしてなかったですね。


ーー入替戦を振り返っていかがですか

やっぱり守備力を見直してやっていこうっていう入替戦で、取られた点はエラーから始まっていた。入替戦までに準備したことがあんまり生きていなかったなと思う。やろうとしていたことが出ない入替戦になってしまったので、悔しい結果に終わってしまったなと思います。


ーー4年生としての責任感もあったと思います

今までは優勝を先輩の力で何度も経験させてもらったので。今年は自分たちの力でと思っていたなかで、このような結果に終わってしまったので、最高学年としてとても不甲斐ない気持ちでいっぱいです。


ーー見つかった課題はありますか

リーグ戦と入替戦を含めて守備力っていうのはずっと課題としてある。入替戦は、日大の赤星投手という本当に素晴らしいピッチャーだったんですけど、そういうピッチャーを打てないと勝てないっていうことが分かったので、いいピッチャーをどう打つか、どう考えるのかが課題として見つかった。そこをどう潰すかをチーム全体としてやっています。


ーー夏に取り組みたいことはありますか

チームとしては、打てなくても点を取られなければ負けることはないので、ピッチャーと野手を含めた守備力を向上していければいいなと思っています。個人は、チームの守備力向上もそうなんですけど、長打が1本も無かったので、長打力も身につけられるように頑張ります。


ーー秋に向けての目標をお願いします

2部に落ちてしまった結果を受け止めて、2部で優勝して入替戦で勝って、後輩たちに1部でやらせてあげられるように一生懸命やっていきたいと思います。



◇プロフィール◇

木村翔大(きむら・しょうた)

生年月日/1999・4・16

身長・体重/178㌢・77㌔

好きな言葉/逆境こそ覚醒のとき(霞ヶ浦高校の先輩にグローブをもらう機会があって、そのグローブに入れてもらった言葉。ちょうど今にぴったり。)

高校野球やり直すなら/縦縞のユニフォームの高校でやりたい。(縦縞のユニフォームを着てみたい。健大高崎、東海大相模のようなやつ。霞ヶ浦が縦縞のユニフォームだったら完璧。)



※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。

※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。



◇連続インタビュー一覧◇

第1日目:杉本泰彦監督

第2日目:加藤響内野手

第3日目:橋本吏功外野手

第4日目:後藤聖基捕手

第5日目:細野晴希投手

第6日目:廣岡隆成捕手

第7日目:松澤海渡投手

第8日目:羽田野温生投手

第9日目:松本渉外野手

第10日目:小口仁太郎内野手

第11日目:大宮隆寛投手

第12日目:瀬川航騎内野手

8月14日佐々木俊輔外野手