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聖地神宮に戻ることを夢見て、チーム一丸となりこの春を戦った東洋大の戦士たち。厳しい2部を戦い抜き、1部への切符を掴みかけたが、最後は戦国東都の重圧がのしかかり、思い出の地で涙を流した。心に焼き付く経験をした選手たちは何を語るのか。14日間にわたり彼らの思いをお届けする。
第4日目は入替戦で満塁本塁打を放ち、活躍を見せた石上泰輝(営3=徳島商業)内野手。打率4位、リーグ戦では無失策と好成績ながらも、謙虚にさらなる技術力の向上を目標に掲げた。(取材日・7月23日、聞き手=青柳そよか)
ーー今季を振り返っていかがでしたか
リーグ優勝できたのはよかったんですけど、入替戦で負けてしまったので、最後の1勝であったり、最後の一球であったりと、最後に詰めの甘さが出たかなと思います。
ーーリーグ戦では打率2部4位でしたが、打撃面での手応えは
前半戦全然打てなくて、後半戦から打てるようになってきました。なので、次の秋では前半から打てるようにしっかり練習していこうかなと思っています。
ーー専大との2、3戦目では5打数4安打の活躍でしたが、何かきっかけや要因はありましたか
タイミングの取り方であったり、スイングの軌道であったりを少し変えたら打てました。
専大戦では大活躍だった
ーー長打が多い印象がありますが、意識していたことは
とりあえず塁に出ることだけを意識していました。
ーー守備面においては、リーグ戦では無失策でしたね
記録はノーエラーだったんですけど、アウトにできるプレーもあったかなと思うので、そこをもう少しつめていけたらと思っています。
安定感ある守備で投手陣を支えた
ーーリーグ戦途中から宮下(総1=北海)選手がセカンドに入りましたが、何かアドバイスやお話はされましたか
連携については声をかけ合っていたんですけど、宮下自身いい選手なのでそんなにアドバイスすることなくできていました。
ーー今季は小口(法4=智弁学園)主将とも試合中に話をされていましたね
打席入る前に相手ピッチャーの情報であったり、小口さんは自分が気楽に打てるように声をかけてくれていました。
ーー全試合3番遊撃手としての出場でしたが、ご自身の役割はどのように考えていますか
いかに4番の小口さんにチャンスで回せるか、1番2番が出れば自分も打点を上げつつ、チャンスを途切れさせないように心がけていました。
今季は小口主将と話す場面が多く見られた
ーー入替戦前にバッティングや守備ご不安とおっしゃっていましたが
バッティングはいい感じに上がってきたまま、入替戦にいけたんですけど、守備は少し不安が残ったまま入替戦に入って、実際にエラーをしてしまいました。
ーーはじめての入替戦はいかがでしたか
緊張もしましたし、楽しさもあったし、いい経験になりました。リーグ戦と空気感は全然違いました。
あの場面で打てたことは自信にもなりましたし、次の2戦目、3戦目につながるようなバッティングができたかなと思います。みんながベンチから出て迎えてくれて、素直に嬉しかったです。
入替戦1戦目では満塁本塁打を放った
ーー3戦目ではライトへのヒットで先制点を挙げていましたが、どのような思いで打席に立ちましたか
チャンスだったので、積極的に振っていこうと思って、とりあえず細野(総3=東亜学園)を楽にさせてあげようっていう気持ちが大きかったです。
ーー1対0のまま9回の守備に就くことになりましたが心境は
9回表のチャンスで点が入らなくて、ちょっと嫌だなっという感じはありました。
ーー2部残留が決まった時の心情は
「終わってしまったな」って感じでした。
ーー中大の西館投手はいかがでしたか
まっすぐも速くて、変化球もキレていたので、「これは打つのが大変だな」って思いました。
ーー今季を終えて、自身で感じた課題はありますか
やっぱり守備が課題だなと思いました。
夏の目標には守備の向上を掲げた
ーー夏に取り組みたいことはありますか
守備と走塁ですね。
ーー秋に向けて意気込みをお願いします
個人では首位打者を狙っていきたいですし、チームでは春に上がれなかったので、秋に上がって自分たちの代で神宮でできるようにしていきたいです。
◇プロフィール◇
石上泰輝(いしかみ・たいき)
生年月日/2001・5・18
身長・体重/172㌢・80㌔
今ハマっている漫画/キングダム
注目してほしいプレー/守備と肩の強さ
◇連続インタビュー一覧◇
8月5日 後藤聖基捕手
8月6日 橋本吏功外野手
8月7日 水谷祥平外野手
8月8日 渡邊友哉投手
8月9日 細野晴希投手
8月10日 松澤海渡投手
8月11日 矢吹栄希外野手
8月12日 松本渉外野手
8月13日 河北将太投手
8月14日 小口仁太郎主将
PHOTO =宮谷美涼