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2022.04.12
硬式野球

[硬式野球] ~いざ覚悟の春、再び聖地神宮へ〜12日間連続インタビュー第11日目・松本渉外野手

昨季リーグ戦では多くの課題を見つけ、この冬レベルアップを図った東洋大ナイン。オープン戦を戦い多くの勝ち星をあげ、確実に自信をつけてきた。今季1部昇格に向けて、磨きをかけた彼らの覚悟の春が始まる。2部の開幕日まで硬式野球部の特集をお届けする


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


第11日目は、グラウンドの内外関係なくチームを見守る松本渉(営4=龍谷大平安)外野手。個人の課題はもとより、副主将としてチーム全体のことも冷静に分析している。そんな彼がリーグ戦に向け、決意を新たにした。(取材日・3月15日、聞き手=青木智哉)


ーーここまでのオープン戦を振り返っていかがですか

今年は「全勝~圧倒~」というスローガンのもと、もちろんいいところや悪いところはあるんですけど、いいかたちで来ているのかなと思っています。

 

ーー具体的に教えてください

去年は守備のミス、エラーが多かったんですけど、今年はまだそんなに内野のエラーが目立たないので、内野の守備力が上がったのかなって思っています。あとは、先発ピッチャーの安定です。細野(総3=東亜学園)松澤(営4=帝京)が0点とか1点とか最少失点で抑えてくれているので、先発ピッチャーもいいのかなと思っています。

 

ーーまだ足りないと思う部分はどこですか

ピッチャーなんですけど、2番手、3番手の先頭打者に対してフォアボールを与えてしまうことです。去年もフォアボールが多かったんですけど、まだ多いなと感じるので、そういうところをもうちょっと無くしていけたら、もっと楽に勝てるのかなと思います。

 

ーー個人の成績はどう評価されますか

数字的な面では、当然、納得する部分はないんですけど、アウトでもいい当たりで、捉えてアウトとかの方が、今のところ多いので。内容はいい感じだと自分では思っています。

 

ーー今の調子や状態はいかがですか

こういう形で打とうというのは自分の中で明確になってきたので、そこの精度を上げつつ、あとは自分の苦手なところをレベルアップしていけたらいいかなと思っています。


ーー課題であった「インコースに打つこと」に対し、意識して取り組んだことはありましたか

特にインコースを打つためにやっていたわけではないんですけど、この冬の期間は素振りに時間を割いてきました。その素振りでつかんだものがあるというか、こういう風にバットを出したらいいのかなというのが見つかったところもあるので。今のところいい形で打てているので、もっと精度を上げていきたいなと思っています。


 (写真提供:東洋大学硬式野球部)

 

ーー以前のインタビューで、「体重や筋肉の増量、体幹トレーニングに取り組みたい」と話されていましたが、冬の期間に取り組んだことはありますか

トレーニングもしっかり予定を立てて、一日4食、5食、食べるようにして。体重も増やしつつ、筋力もつけて、パフォーマンスの向上とけがをしない身体をつくるために、ここまでやってこれたかなと思っています。

 

ーー他に取り組んだことは

バランスのよい食事をとるために、食事で補えない部分をプロテインやサプリメントで摂ったり、よりバランスのよいものを摂ったりするようにしてきました。

 

ーーオープン戦での収穫はありますか

去年いちばん苦手としていたインコースが今いい形で打てています。インコースを打てれば余裕が出てきて、アウトコースも打てるようになるのかなという風に思っているので、今いちばんの収穫というのが、そのインコースを去年よりも打てていることかなと思います。

 

ーー監督や指導者の方からアドバイスはありましたか

井上コーチからは、去年の秋リーグ戦が終わったあたりから、軸足にしっかり体重を乗せて、打ちにいくとき前にいかないようにということをずっと言われてきたので。ひと冬それを意識して、今はコーチにもいい形で打てているという風に言われているので、そこはよくなったのかなと思います。


ーー同じ高校出身の水谷(営3=龍谷大平安)選手とよくベンチでお話されていますね

一塁に出たときのピッチャーのけん制の癖だったり、ピッチャーの球筋だったり、他の野手のサインプレーの動きだったり、高校時代も細かい野球をやってきたので、お互い分かり合えるというか、すごく話が通じるところがあって、その確認作業はいつも行っています。

 

(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーー後輩に対してアドバイスはされますか

けっこう自分から聞いてくる後輩が増えた感じがするので、聞かれると自分もその後輩を気にして見るようになるので、自分からもその後輩に対してアドバイスすることが増えてきたのかなと思います。

 

ーーチーム内で話し合っている雰囲気はありますか

イニング間の集合やピッチャーが投球練習している間も、去年とは違って、いろんな選手が「このピッチャーはこういう感じだ」といった情報交換がしっかりできているのかなと思います。


ーー今年度のスローガン「全勝~圧倒~」はどのように決まりましたか

新チームになって勝ちにこだわるために、練習試合で負けたら50メートルダッシュ10本するということをやっているので、そういうこともあって全勝。あとは、2部から1部に上がるために、一つも負けない気持ちを持つために「全勝~圧倒~」というスローガンに決まりました。

 

ーー幹部に就任して、意識的な変化はありますか

野球の結果を出すことはもちろんなんですけど、練習中や練習後のミーティングとかで発言しないといけない立場なので、よりしっかり練習や試合に対して、こういうプレーのときはもっとこうした方がよかったんじゃないかなとか自分で考えるようになりました。

 

ーー他に気づいたことはありますか

練習に対する自分の姿勢じゃないですけど、やっぱり練習も一日あったりして、後半、集中力がなくなってしまったりするので、そういうところに自分が気づいて、声をかけたり、自分が先頭に立ったりして、しっかりやって見せるというのも大事なのかなと思っています。


ーー今のチームの雰囲気や状態はいかがでしょう

ちょっと東洋大の悪いところかもしれないですけど、先に点を取られると気持ちが下がってしまったり、最初にこっちが大量得点を取っても、ほっとしているのか分からないですけど、その後に点が取れないということがあるので。最初から最後まで、集中力を保つということがまだできていないところがあるので、そういったところが課題なのかなと思います。


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


ーー春季リーグ戦開幕への心境はいかがですか

今年は入替戦があるので、去年やられている分、今年はしっかりやり返さないといけないと思っています。全勝するつもりで、いい準備をしていきたいなと思います。


 ーー春季リーグ戦での個人的な目標を教えてください

出塁率が求められてくるので、具体的な数字で言うと、4割5分はほしいと思います。出塁率を上げるためには、やはり打たないといけないと思うので、4割打って、出塁率4割5分を目指したいと思います。

 

ーー春季リーグ戦ではどのようなプレーがポイントになると思いますか

やはり守備だと思いますね。守備でいいリズムを作れば、点も入りやすいと思うので、ピッチャーを中心にいいリズムの守備がカギになってくると思います。


ーー最後に春季リーグ戦への意気込みをお願いします

去年、2部に降格して、秋も入替戦が無かったとはいえ3位だったので、そこはしっかりやり返せるようにして、東洋はやっぱり強いなと周りに思わせられるように、完全優勝して、1部に上がりたいと思います。

  

◇プロフィール◇

松本渉(まつもと・しょう)

生年月日/2000・7・27

身長・体重/167㌢・65㌔

今年度目標/単位の取得(成績発表のときは話が盛り上がります)

自身のプレーのここに注目/足の速さと追い込まれてからの粘りのバッティング

冬の期間の思い出/肩をよりよくするためのインナートレーニング(つらくはないが、積み重ねが大変)



※オンラインでの取材をもとに作成しています。


◇連続インタビュー一覧◇

第1日目 杉本泰彦監督「したたかなチームに」

第2日目 加藤響内野手「チームを勝たせられるように」

第3日目 松本憲信内野手「野球部代表の自覚を持って」

第4日目 一條力真投手 「同期・後輩に負けないように」

第5日目 細野晴希投手 「絶対に点を取られない」

第6日目 松澤海渡投手 「ピッチャーリーダーとしての決意」

第7日目 後藤聖基捕手 「全勝させられるキャッチャーを目指して」

第8日目 石上泰輝内野手 「チームのために打点を挙げられるバッティングを」

第9日目 矢吹栄希外野手 「打撃三冠を目指して」

第10日目 羽田野温生投手 「球速160㌔が一つの目標」

4月13日 小口仁太郎主将


◇2部開幕前特別企画◇

4月14日 3年外野手対談〜橋本吏功外野手・水谷祥平外野手・宮本涼太外野手〜

4月15日 ラストイヤーに向けて〜河北将太投手・渡邊友哉投手〜