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『覚悟~奪還~』という強いスローガンをもとに、2部優勝、そして悲願の一部昇格を決めた東洋大の戦士たち。最後まで諦めない姿勢で挑戦を続け、東都の頂点への切符を掴んだ。彼らはどのようにして試練を乗り越え、一部昇格という栄光を手にしたのか、その裏側に迫ります。12日間にわたり総勢24名の豪華インタビューをお届けする。
2024年も残り4日。
連続インタビュー投稿9日目、2人目は最速154㌔を投げ込む東洋大のエースピッチャー島田舜也(総3=木更津総合)投手。リーグを通して防御率0.64と無双し、最優秀防御率、最高殊勲選手、そして最優秀投手に選出された彼はこの秋をどう振り返るのか、また1部で戦う勝負のラストイヤーに向けての意気込みを聞いた。(取材日・12月7日、聞き手=山本華子)
ーー秋季リーグ、チームを振り返って
春は勝てる試合を負け試合にしてしまったり、負けている状態から粘って勝つっていう試合が出来なかったんですけど、秋はそういうところが出来たので優勝に繋がったかなって思います。
ーー個人としての振り返って
春に比べて結果も見てわかるように良くなったし、結果的にチームが優勝することができたので、上手く貢献できたかなと思います。
――今季、どんなテーマや目標で臨んでいたか
1つはまず1部昇格っていうのを目標にしていて、個人的にはタイトルの総嘗めであったり、防御率0点台っていうのを目標にしていました。
ーーそのテーマを踏まえたうえで、どうだったか
タイトルはベストナインだけ取れなかったんですけど、それ以外は取れたし、1部も昇格できたので、目標を実現することができて良かったです。
ーー一番印象に残っている試合
駒澤大学との優勝決定戦です。
ーー駒澤大学との最終戦。9回に池田選手(営3=三重)と花田選手(総3=大阪桐蔭)のホームランで同点に追いついた時の心境は
自分が投げてて最後ホームランを打たれてやばいと思ったんですけど、そこで諦めないで野手のことを信じてずっと応援していたのでそれがああいう結果になって良かったと思います。
ーーそして11回に花田選手のサヨナラヒットで2部優勝が決まった時の心境は
結構苦しい場面が続いたんですけど、最後ああやって決めるべき選手が決めてくれたので来年も頼れるなっていうのはあります。
ーー入れ替え戦までの約3週間をどう過ごしたか
とりあえずはリーグ戦の疲れをとって、もう1回試合の体を作るっていうのをやりました。
ーー去年の秋、悔しい思いをした入れ替え戦。先発としてどんな思いで挑んだか
入れ替え戦の先発は初めてだったのですごく緊張したんですけど、その緊張を上手く力に変えないとやっていけないので、チームが勝つために腕を振ろうという思いでマウンドに上がりました。
ーー入れ替え戦の自身の投球を振り返って
ピンチの場面で抑えることはできたけど最後ちょっと疲れちゃってボールが続いたので、そこは来年の課題かなって思います。
ーー入れ替え戦2日目は4年生が見事な投手リレーをみせた。それをどう見たか
頼もしい4年生だなっていうのは感じました。
ーー1部昇格を決めた際の心境は
まだ1部でプレーをしたことがないので、やっと1部でプレーできるなっていう楽しみとかですね。
ーー入れ替え戦をチームとして振り返って
1試合目正直勝てると思わなかったんですけど、そこで春とは違う、春優勝できなかったのが秋は優勝できた違いがあの1試合目だと思うので、勝ち切れたっていう部分ですごく成長できた1年だなとはチーム的に思います。
ーーリーグを通して防御率0.64と常に安定していた。心がけていたことなど好調の要因は
点を取られないことを心がけていました。
ーー政所選手(営3=天理)とバッテリーを組むことが多かった。試合前や試合中にはどのようなコミュニケーションをとっているか
結構ふざけています(笑)。普段からあまり固くないですね。
ーー最優秀防御率のタイトルを獲得し、最高殊勲選手、そして最優秀投手に選出されたことについて
素直に嬉しいです。
ーー今季全ての試合を終えて得た収穫と課題
1年間怪我なくやり抜けたっていうことはすごく成長できたところでもあるし、課題としてはリーグ戦終盤になるとちょっと疲れが出てきてボールの調子に波があるのでそこは来年しっかり練習してやっていきたいなって思います。
ーー11月30日〜12月2日に行われた侍ジャパン大学代表強化合宿に参加された。収穫したことは
春はちょっと打たれちゃったんですけど、今回はしっかり抑えることができたので、春との違いはあったかなって思います。成長できたところも結構はっきり自分でも分かったので良かったです。
ーー具体的に成長できたところは
コントロールとかですかね。150㌔の球をアバウトに投げてたんで打たれていたんですけど、それを外と内にしっかりコントロールできるようになって抑えることもできたって感じですね。
ーー春季リーグに向けて冬に取り組みたいこと
もう1回体づくりをするのと、来年は最上級生としてやっていくのでチームの状況であったり、自分のことだけじゃなくて周りにも目をかけてやっていきたいなって思います。
ーー来年からは副主将、投手の中ではリーダーとなるが、意識することは
あまり口で引っ張るのは上手くないので、そこは結果とかプレーしている姿勢でみんなを引っ張っていけたらなって思います。
ーー4年生との印象深い思い出やエピソードはありますか
結構わちゃわちゃすることが多いのでその辺ですね。
ーー最後に今後への意気込み
1部でやるのは初めてなので、1つは全力で楽しむことと、2部でうまく抑えれたことも1部では抑えれないかもしれないので、もっと別人のように来年はレベルアップして神宮のマウンドに立てたらなって思います。
◇プロフィール◇
島田舜也(しまだ・しゅんや)
生年月日/2003・4・30
身長・体重・最高球速/184㌢・92㌔・154㌔
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◇連続インタビュー一覧◇
PHOTO=山本華子