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『覚悟~奪還~』という強いスローガンをもとに、2部優勝、そして悲願の一部昇格を決めた東洋大の戦士たち。最後まで諦めない姿勢で挑戦を続け、東都の頂点への切符を掴んだ。彼らはどのようにして試練を乗り越え、一部昇格という栄光を手にしたのか、その裏側に迫ります。12日間にわたり総勢24名の豪華インタビューをお届けする。
連続インタビュー投稿11日目。2人目は、副将の岩崎峻典(総4=履正社)投手。エースとして投手陣をけん引したこの一年。1部復帰という最高の結果で終えたラストシーズンを振り返るとともに、今の思いを話してもらった。(取材日・12月7日、聞き手=一ノ瀬志織)
――1部復帰を決めた秋シーズン、チームとして振り返って良かった点は
一番良かったのは一人の選手に頼るんじゃなくて、チーム全体の戦力を使って勝てたことです。
ーー課題は
2部でも圧倒的に勝てたわけではなくて、勝てるのに落とした試合もあったので、そこを勝ちきる力は今後課題かなと思います。
――秋シーズンの個人の投球を振り返って
結果は全然ついてきてないんですけど、最後なのであまり気負いせず、楽しく投げれたかなと思います。
――今季のテーマや目標について
一番は1部昇格だったので、自分の結果はおいてそこを達成できたのは良かったかなと思います。
――一番印象に残っている試合
駒大の最終戦です。僕は1回で(マウンドを)降りたんですけど、みんな僕のためにって言ってやってくれてたんで、うれしかったです。
ーー悔しい思いは?
あんまり悔しいって気持ちはなかったですね。もう、うれしい気持ちでいっぱいでした。
――駒大との最終戦、9回の2本の本塁打で追いついた時の心境は
泣いてないですよ。イニングが始まる前に「絶対追いつく」って言ってくれていたのでみんなが、特に池田(営3=三重)が言ってくれてたんで、追いついてくれて本当に感動しました。
ーータイブレークで無失点に抑えた一條(総4=常総学院)の投球を見て
いつも通りですね、打たれることないので、(マウンドに)上がったら。それくらいの信頼ですし、僕だけじゃなくてみんなそう思ってると思います。あそこを抑えてくれるのは当たり前ですね。
――また、サヨナラ勝ちで2部優勝を飾り入れ替え戦への切符をつかんだ時の心境
その瞬間はうれしかったんですけど、ホームランで同点追いついた時の方がうれしかったので。ちょっと薄れてましたね(笑)。
――入れ替え戦までの約3週間をどう過ごしたか(重点的に取り組んだことなど)
いつも通りです。
――昨秋、サヨナラ負けで涙を飲んだ入れ替え戦、どんな思いで臨んだか
自分たち1部に上がっても次のシーズンやることはないんですけど、2部でやるこのメンタルの持ち方と1部でやる楽しみ、どっちも経験しているのでそこは、後輩のためにも高いモチベーションであの楽しい1部でやってほしいなって思っているので上がってよかったなと思います。
――改めて、1部昇格を決めたあの瞬間を振り返って
昇格したって感じではなくて、ああもう投げられんのか、、、みんなでずっと考えて、誰が先投げるとか考えてやってきたので、そういう会話もできないって考えたら寂しいなって思いました。
ーー主将、嶋村(法4=栄北)選手のホームランは
声をかけに行こうと思ってブルペンに行ってたんです、「ラストだから頑張れよ」って。後ろ向いてる時にパコンっていう音が聞こえて、嶋村がホームラン打った!ってみんな騒いでいたのでびっくりしましたね。ナイスバッティングだと思いました。
――今季、全ての試合を終えて得た収穫と課題
収穫は、、、ないです。課題は体力の無さです。そこはしっかり体作って次のステージに行かないといけないなって思います。
――副将として過ごしたこの1年を振り返って
副将っぽいことはなんもしてないんですけど、一番上の立場だからっていう楽しさもあったので良い経験ができたかなって思います。
ーー堅い守りの政所(営3=天理)捕手への信頼は
新チームが始まる時にキャッチャーがいなくて、誰が良い?って聞かれた時、僕はずっと政所って言っていたので。僕とかピッチャー陣の期待に応えてくれたからこそレギュラーをつかんで、活躍してくれたのかなって。自分との信頼関係とかじゃなくて、自分の実力でつかんだレギュラーかなって思います。
――「戦国東都」で戦い抜いた4年間の大学野球を改めて振り返って感じることは
入れ替え戦も何回か忘れたんですけど、毎シーズンくらいやっていて、このシビアな1試合の重みが違うリーグだと思うので、そういう厳しいリーグでできたのは、今後のステージに生きるかなって思います。
――4年間の大学野球を通して学んだことは
一番は考えすぎないってことです。一條くん(総4=常総学院)みたいな選手が結果を出していくんです、、、(笑)。頭で考えすぎない。
――東洋大学に入ってよかったと思うことは
いい同級生といい先輩後輩に恵まれたことです。
――井上監督へ一言
ちゃんと試合に出させてもらったのが井上監督になってからなので、そこは感謝してるって軽いですけど、最初のピッチャーで僕を使ってくれたのは本当に感謝しています。
――乾コーチへ一言
乾さんは僕たちにずっと寄り添ってくれて、僕たち中心に考えてくれていたので、だから僕たちもプロっていう舞台にいける、乾さんのおかげって言っても過言ではないと思うので、感謝しています。
――後輩たちへのメッセージ
自分も3年生から4年生になる時に色々考えるというか、自分がやらないといけないっていう気持ちになって、ちょっと空回りしたとこもあるんですけど、3年生はいっぱいいるので、みんな同級生同士でも助け合ってやっていってほしいですね。
――頼もしい後輩たちへのメッセージ
ピッチャーはもういいんで、4年生の野手で試合出ている人が全然いない中で、それでも僕らの遠い存在なるんじゃなくて、ずっと一緒に話してくれたり遊びいったり、いつも近い距離で接してくれていたので僕たちもやりやすかったし、楽しかったしっていう感じです。
――応援してくれた方々へのメッセージ
一番は親ですね。この4年間大阪から東京に行くって言ってもなんの文句も言わずに、4年間野球をさせてくれたのは本当に感謝しています。
ーー同じ履正社出身のの冨安選手(営2=履正社)に対して
部屋が前なのでずっとちょっかいかけてくるんですけど、履正社からは僕が初めて来て、高校の時はちょっと知っていたくらいなんですけど、僕がいる中で東洋大学を選んできてくれたことは正直うれしいし、他の後輩よりかはかわいいって思いはあるし、キャラとかは全然良いと思うんですけど、もっと野球頑張って結果出してほしいです。って言ってますね、常に。
――今後への意気込みを
プロの世界に行くんですけど、奢らず、高ぶらず自分らしくやっていけたらいいなって思います。
◇プロフィール◇
岩崎峻典(いわさき・しゅんすけ)
生年月日/2003・3・11
身長・体重/178㌢・78㌔
最高球速/153㌔
鶴ヶ島のおすすめスポット/ないです!
野球以外で誰にも負けないこと/(一條と同じで)他のスポーツなんでもできることです。
大学4年間で一番の思い出/昨秋の地方開催・松山
◇連続インタビュー一覧◇
PHOTO=一ノ瀬志織、青柳そよか、鈴木真央、山本華子